眺めがよくて、日帰りで行ける! 日本アルプスの前衛峰15
月刊誌『山と溪谷』2025年6月号は、「決定版! 日本アルプス名コース100」。日本アルプスには高峰が勢ぞろいしていますが、前衛峰は標高が1000~2000m台で、アルプス主脈を眺める日帰り登山を楽しむことができます。6月号から、北、南、中央アルプスの前衛峰15山を紹介です。
文=山と溪谷編集部 写真=伊藤哲哉
鍬崎山(くわさきやま)
2090m /富山県
日本三百名山の一座で、ザラ峠越えで有名な戦国武将の佐々成政(さっさなりまさ)が黄金を埋めた伝説がある。三六〇度の視界が開けた山頂からは薬師岳(やくしだけ)、立山(たてやま)などを望むことができる。瀬戸蔵山(せとくらやま)、大品山(おおしなやま)と縦走すると充実する。
白鳥山(しらとりやま)
1287m /新潟県
栂海新道(つがみしんどう)のルート上にあり、白鳥山単体でも坂田峠(さかたとうげ)駐車場から往復する日帰り登山の山としても親しまれている。標高が低いことから、盛夏よりも3~5月の残雪期や10月の紅葉期が登山適期。
黒姫山(くろひめやま)
1222m /新潟県
「黒姫山」という山は複数あり、信越五岳(しんえつごがく)の一座が有名だが、こちらは飛騨山脈の北の端にある黒姫山。清水倉(しみずくら)コースの登山口から急登を登り、頂上に着くと一気に展望が開ける。
小熊山(こぐまやま)
1303m /長野県
木崎湖(きざきこ)そばのJR信濃木崎駅からハイキングコースが整備されている。山頂付近から木崎湖を見下ろす景色もさることながら、鹿島槍ヶ岳(かしまやりがたけ)や爺ヶ岳(じいがたけ)を正面にした展望もすばらしい。
鷹狩山(たかがりやま)
1164m /長野県
山頂まで車道が通っているが、大町山岳博物館から登山道が整備されている。大町市街を見下ろす山頂からは山岳展望もよく、後立山(うしろたてやま)から常念山脈(じょうねんさんみゃく)まで北アルプスの山々を一望できる。
鍬ノ峰(くわのみね)
1623m /長野県
南側から見ると鋭い三角形の山容の鍬ノ峰。地元の高校生によって登山道が整備され、その取り組みにより日本山岳遺産認定地にもなっている。北アルプス展望の山として登山者が増えている。
有明山(ありあけやま)
2268m /長野県
北岳(きただけ)、中岳(なかだけ)、南岳(みなみだけ)の3つのピークからなる頂稜部の形状から「信濃富士」(しなのふじ)とも呼ばれる。燕岳(つばくろだけ)の入山口でもある中房温泉(なかぶさおんせん)からが最短ルートだが、松川村側の登山道も急登で登りごたえ充分。
奥茶臼山(おくちゃうすやま)
2474m /長野県
飯田市にあるしらびそ高原から尾高山(おだかやま)経由で延びるコースは、針葉樹林のなかで静かな登山が楽しめる。山頂からの展望はないが、点在する伐採箇所から南アルプスや中央アルプスを望むことができる。
入笠山(にゅうかさやま)
1955m /長野県
富士見パノラマリゾートのロープウェイで手軽にアクセスできる。山頂駅から1時間ほどで、遮るもののない大展望が味わえる。スズランで有名な入笠湿原は、レンゲツツジやアヤメ、ヤナギランなども美しい。
守屋山(もりやさん)
1651m /長野県
甲斐駒ヶ岳、鋸岳(のこぎりだけ)から入笠山へ延びる南アルプスの北端に位置するのが守屋山。杖突峠から2時間ほどで展望のよい東峰に着くが、その先の西峰もまた好展望で北ア、南ア、中ア、八ヶ岳を望める。
櫛形山(くしがたやま)
2052m /山梨県
池ノ茶屋(いけのちゃや)や 林道終点の登山口から南東の登山道が山頂までの最短コースだが、櫛形山の西側を巻くようにつけられた道をアヤメ平、裸山(はだかやま)経由で歩くのがおすすめ。豊かな植生を楽しめる。
甘利山(あまりやま)・千頭星山(せんとうぼしさん)
2139m(千頭星山)/山梨県
レンゲツツジで有名な甘利山は、林道からわずかな歩行時間で山頂まで登れてしまうので、千頭星山をセットで歩くのがおすすめだ。甘利山からは富士山の眺めがよいが千頭星山の山頂に展望はない。
日向山(ひなたやま)
1660m /山梨県
日向山を有名にしたのは、主稜線に広がる白砂のザレ場だ。雁ヶ原(かりがはら)と呼ばれるザレ場は花崗岩が風化してできたもので、まるでビーチのようだ、などと形容されている。稜線からは甲斐駒ヶ岳(かいこまがたけ)や富士山が望める。
経ヶ岳(きょうがたけ)
2296m /長野県
将棋頭山(しょうぎがしらやま)の北北東に位置する経ヶ岳は、中央アルプス北端の山だ。入山口となる仲仙寺(ちゅうせんじ)とゆかりの深い山で、慈覚大師(じかくだいし)がお経を書いて奉納したことから「経ヶ岳」の名が付いた。
南木曽岳(なぎそだけ)
1679m /長野県
登山口から日帰りできる南木曽岳は信仰と展望の山で、木曽の山のなかでは、木曽駒ヶ岳や御嶽山などと並んで地元では人気の山だ。山頂東側の展望台からは南ア、中ア、遠くに北アも見える。
(『山と溪谷』2025年6月号より転載)
プロフィール
山と溪谷編集部
『山と溪谷』2026年1月号の特集は「美しき日本百名山」。百名山が最も輝く季節の写真とともに、名山たる所以を一挙紹介する。別冊付録は「日本百名山地図帳2026」と「山の便利帳2026」。
雑誌『山と溪谷』特集より
1930年創刊の登山雑誌『山と溪谷』の最新号から、秀逸な特集記事を抜粋してお届けします。
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