やっちゃった……忘れ物、道迷い、登山の失敗エピソード

登山者アンケートで集めた失敗エピソードを紹介します。人の失敗を教訓に、楽しい登山ライフを送りましょう。

構成＝山と溪谷オンライン　写真＝PIXTA

失敗ナンバーワン「忘れ物」エピソード10選！

まずは一番回答が多かった、忘れ物エピソードを紹介。車で移動する人は、靴を履き替えるので登山靴を忘れがちです。そしてバックパックまるごと忘れたなんていう人もちらほら。登山靴を忘れてサンダルで登ったという猛者もいましたが、マネしないように……。

• 富士山に登る予定で名古屋方面から何時間か車を走らせ、御殿場ICで下りてコンビニに寄った時に後ろのトランクを開けたら、あるはずのザックがなかった。絶望したが、気を取り直して高速に乗り、来た道を戻って自宅へ帰ると、玄関にザックが鎮座していた。なんだか悔しいので、めげずに翌日リトライして無事登頂しました。（Kobu/50代女性）
• 登山口で靴を履き替えようとしたら登山靴を忘れたことに気づき、5時間弱のコースだったが、履いていた緩めのスリッポンスニーカーで登った。歩きにくさよりも新品のスニーカーが破損しないか気になった。（み猫/50代女性）
• 櫛形山を登るのに、最も大事な登山靴を忘れてしまいました。その時は登らずに帰り、翌週、登山靴を持って櫛形山を登りに行きました。東京からの車の交通費が2倍になってしまいました。（Tom/60代男性）
• 蝶ヶ岳のテント泊登山で登山靴を自宅に忘れてきてしまい、スポーツサンダルで登る羽目になってしまったこと。（shuhei/40代男性）
• 2024年8月、台風の動向を見極めつつ、中1の息子と会津駒ヶ岳登山の前泊で檜枝岐村に向けて出発。さいたま市の自宅を早めに出て、昼ごはんに佐野ラーメンを食べるつもりで下道で1時間ほど進み、渡良瀬貯水池のあたりで2人の登山靴を忘れたことに気が付き、慌てて自宅に取りに戻りました。約2時間半のロスで、半年以上経った今もまだ佐野ラーメンを食べられていません。（ゴン40/50代男性）
• スキー場のゴンドラを利用する登山に行きました。駐車場に入る時に1000円払い、登山の準備をしようと「準備してからチケット買いに行こう。まず、靴を履いて……」と言うと、同行者の目が泳いでる。「……待って。やめて、聞きたくない。まさかだけど……靴は？」と言うと「忘れた」と同行者。朝3時半に起きたのに～。ちなみに駐車場代金は、ワケを話して返金してもらいました。（avocado/50代女性）
• 山頂で食べるためのお菓子を忘れた。（なび/10代以下/女性）
• 朝、おにぎりを握ってリュックに入れたつもりでしたが、登頂して食べようと探しても見当たらず、どうやら家に忘れてきたようでした。空腹のまま下山し、近くのラーメン屋に行きました。空腹のままの下山ほど苦痛なものはないですね。（よーたろー/10代以下/男性）
• 2泊3日のテント泊、1年ぶりの雷鳥沢。さあ夕飯だと、ガス缶をセットすると、なんかおかしい。新しいガス缶を持ってきたのに、火がつかない。卓上コンロ専用で登山用ではないらしく、まったくつかない。ここから水だけの生活。パスタもご飯も水で戻して食べました。（もち/50代女性）
• 山でコーヒーを飲むのが好きです。豆、コーヒーミル、ドリッパー、コップなど、すべて完璧にそろえていざ、鳥海山へ。お湯を沸かし、コーヒー豆を挽いて、さあ淹れようとしたら、フィルターを忘れたことに気づき……。ティッシュをフィルターにして淹れました。ものすごく、味が薄かったです。フィルターは偉大……。それ以降、必ずコーヒーツールは確認してます。（コーヒー好きハイカー/40代女性）

履き間違い

• 山小屋泊でほかの人の登山靴を履いて下山してしまった。（えぽ/50代女性）

ゾッとするエピソードです。その後どうしたんでしょう。大きい山小屋で登山靴用の名札がある理由がわかりますね。

ノーメンテナンスレインウェアで散々な目に

• レインウェアを買ってから2、3年、手入れを一切してなかったのですが、雨の山行で久しぶりに使ったら、水を弾かないわ、そで口がびしょびしょになって寒いわ、結露で中のウェアがしっとりするわで寒かったです。（トビウオ/30代女性）

最近のレインウェアには、環境負荷が低い素材が使われるようになった代わりに、きちんとお手入れをしないと撥水効果が下がってしまうものもあるので、ますますメンテナンスが重要になってきました。

大切なものはひとまとめにして……

• 奥穂からの下山中、ザイテングラードで腰に付けたポシェットを落としたことに気づかず、そのまましばらく下山。途中で、はるか上の方で急に私の名前を叫ぶ人が居ました。不思議に思いましたが、ポシェットの拾得者が中の免許証を確認したようでした。免許証のほか、財布、車のキーなど重要なものが入れてあったので、今思い直しても真っ青な状況でした。（オールドマウンテンボーイ/70代以上/男性）

大切なものをまとめて管理すると、失う時はすべてまとめて失う、という恐ろしいことになるようです。この方はすぐに親切な人が拾ってくれたのでよかったですが、世の中ラッキーな人ばかりではありません。バックパックの奥深くに入れておきましょう。

静かなソロ登山のはずが

• 穂高岳山荘にて、同室だった男性にこちらから挨拶がてら世間話をしたら、気に入ってもらえたようで、山荘滞在中ずっと話しかけられ続けた。せっかくの静かなソロ登山だったのに、「失敗した、話しかけるんじゃなかった」と後悔した。（キタノキツツキ/30代男性）

キタノキツツキさんは話しかけやすい雰囲気の方なのでしょう。山で意気投合して仲よくなったパターンも聞いたことがあるので、難しい問題です。相手がほどよい距離をとってくれるなタイプなのか見極められるかどうか……。

努力した事実も残った

• 北海道の尻別岳の頂上でご飯を炊こうとして、メスティンに米と水を入れて、持ってきた固形燃料に火をつけて風防もしっかりした。下界で何度も試して、固形燃料は最大でも2個で足りると考えていたのだが、まったく炊けず、水でジャブジャブのまま……。下山すれば車にガスバーナーがあるので炊きなおせると思い、水がもったいないからメスティンを片手に平行に持って下山することに。ロープを掴んで下るときも、足場の悪い場所でも、片手に常にメスティン。揺らさないように能狂言のように歩いたのだが、ようやく車に着いてメスティンのふたを開けたら、水はすべてこぼれて米だけが残っていた。標高が高いと火力が弱いことと、どんなに揺れないよう努力しても体は揺れるものだということを学んだ。（ハリオン/40代女性）

山で水は貴重ですからね……いや、どうせ下山するならあきらめた方がよかったような気もします。心意気がすごい。

お尻のポケットには入れない方がいいモノ

• 初めての百名山登山となった伊吹山での出来事。登山をなめてた私は、ジーンズにシャツと言うラフな格好で、お気に入りのデジタルカメラを後ろポケットに入れて登山。途中余りのしんどさに休憩兼ねて勢いよく岩の上に座り込んだら、ポケットに入れていたカメラがお尻の圧力に岩との衝撃力が加わり真っ二つに。まだなにも思い出の写真を撮ってないのにすごくショックでした。（だいちゃん/40代男性）

お尻のポケットには入れない方がいいもの、いろいろありますね。私も薄っぺらい財布にカードを入れてたら、曲がってしまったことがあります。最近の登山用パンツは、スマホが入れやすいように、ポケットが絶妙な配置になっているものもあります。ありがたい。

危うくカチカチ山

• ガスストーブでウェアの背中を焼いてしまったこと。危うくカチカチ山になるところに。30代のころ、丹沢の鍋割山で昼食の準備中に風よけのため背中を盾にしていたところ、なにやら背中が暖かい。振り返ったところ、燃えてはいなかったが、こぶし大の穴があいていた。着ていたスウェットの材質が化繊ではなかったため助かった。（ザッキー/60代男性）

助かった、という感想になっていますが……こぶし大の穴は、それはもう燃えた跡なのでは……？　ガスストーブでの小火はしばしばありますので、火器の利用時は気をつけましょう。

食欲に負ける

• 脂っこいものでお腹を壊しやすい私。しかし、休憩していた山小屋でおいしそうなラーメンの誘惑に負け、つい食べてしまいました。案の定お腹を壊し、スケジュールが大幅に遅れてしまいました。（はるな/20代女性）

トータルの満足度で評価しましょう。いや、失敗エピソードに投稿されているから失敗なのかな？

うっとりし過ぎた

• 朝、槍ヶ岳山荘のテラスからの壮大な景色に見とれ、優雅にコーヒーを飲んでいたら下山が遅れてしまい、上高地の最終バスに間に合わず、結局、横尾山荘に泊まることになりました。（さすらい/50代男性）

さすらいさんは、間違いなくうれしそうにこのエピソード話してますね。長い人生、こんなことがあったほうがいいんです。

日焼け止めを塗り忘れ……

• 日差しの強い夏のこと、日焼け止めを塗り忘れて登山に挑んだ結果、顔が真っ黒焦げに。特に鼻がビリビリに焼けてしまい、10年たった今でも鼻に当時できたシミが残っており、どれだけファンデーションを塗ってもシミが見えてしまっています。（ぴっぴ/30代女性）

一生の不覚……！ お肌の強さは個人差がありますが、若い人も男性も紫外線対策していきましょう。

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次のページからは、遭難一歩手前など、シビアな失敗談を紹介します。