山岳遭難のほとんどは体力や集中力が切れる下山中に発生します 島崎三歩の「山岳通信」 第118号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2018年7月12日に配信された第118号では、下山中の事故が多いことを挙げ、慎重な登山計画を促している。

 

7月12日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第118号では、6月25日~30日に起きた6件の山岳遭難事例について説明している。以下に抜粋・掲載する。

  • 6月25日、北アルプス白馬鑓ヶ岳で、25歳の男性が白馬鑓ヶ岳から猿倉へ向けて下山中に転倒して足首を負傷する山岳遭難が発生。翌26日に県警ヘリにより救助された。

  • 6月25日、北アルプス白馬鑓ヶ岳で、24歳の男性が白馬鑓ヶ岳から猿倉へ向けて下山中に転倒して足首を負傷する山岳遭難が発生。翌26日に県警ヘリにより救助された。

  • 6月26日、下高井郡高山村牧で、68歳の男性がネマガリダケ(タケノコ)採りのため単独で入山中、山林内で道に迷い一時行方不明となる山岳遭難が発生。翌27日に自力で下山し、道路を歩いていたところを無事発見された。

  • 6月29日、下高井郡山ノ内町鉢山のガラン沢で、73歳の男性がネマガリダケ採りのため入山したものの、途中で道に迷い一時行方不明となる山岳遭難が発生。警察、遭対協などで捜索していたところ、群馬県側へ自力で下山、無事を確認した。

  • 6月30日、北アルプス北穂高岳で、25歳の女性が北穂高岳から涸沢へ向けて下山中、技量不足のため行動不能となる山岳遭難が発生。遭対協隊員が遭難者の安全を確保しながら下山した。

  • 6月30日、南アルプス甲斐駒ヶ岳で、38歳の女性が甲斐駒ヶ岳から下山中に足を負傷し、歩行困難となる山岳遭難が発生。遭対協隊員が救助し、翌日7月1日に病院に収容された。

 

山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

6 月5 週は、前週に続き、ネマガリダケ採りでの道迷いが後を絶ちませんでした。入山する際は、必ず携帯電話を携行するとともに、複数人でお互いの姿が確認できる範囲で行動してください。
また、下山中の遭難は4件発生しました。山岳遭難のほとんどは体力や集中力が切れる下山中に発生します。登山前に、日程や1 日の行動時間等をもう一度確認するとともに、体力的・技術的に登れる山なのかを仲間とよく話し合って登山するようにしてください。

 

長野県警察 山岳遭難現場動画を配信しました

北安曇郡小谷村における道迷い遭難の救助状況(山岳通信第113号を参照)の動画を、長野県警察公式チャンネルに配信しました。狭隘(きょうあい)な沢でヘリによる安全な救助の状況をご確認くださ。

 

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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