京都の紅葉ハイキングコースガイド5選。京都・大原に暮らす写真家、梶山正さんに聞きました
京都は神社仏閣の印象を多くの人が持っているが、京都盆地の周りには山が多い。京都市内で町中からも近い、比叡山(ひえいざん、848m)と魚谷山(いおだにやま、816m)の雑木林の紅葉や、市内から遠いが美しいブナの森を歩ける高山(たかやま、702m)など、山の表情は豊か。京都・大原に暮らす写真家の梶山正さんに、京都の紅葉の山のコースを聞きました。
文・写真=梶山 正
目次
市内から近い、雑木林の紅葉 京都北山・魚谷山(いおだにやま)、貴船山(きぶねやま)
816m(魚谷山)
紅葉の見頃 11月上旬〜下旬
京都の紅葉といえば、京都盆地の中にある神社仏閣の庭の紅葉がよく知られており、山の紅葉が有名なわけではない。京都府は広く、そのほとんどが山なのに……。山への公共交通機関が少ないので、京都の山はマイカーがないと、実は行きにくいのであった。
京都の街中から見える山の代表格は比叡山、愛宕山、そして桟敷ヶ岳(さじきがたけ)である。この三山は公共交通機関で行けるので、この記事に全部載せたかったのだが……。
桟敷ヶ岳は惟喬親王(これたかしんのう)が山上に桟敷を構えて、都を眺望した伝説が残る。平安時代前期の文徳(もんとく)天皇の第一皇子だったが、皇位継承争いに敗れた。木地師の祖と呼ばれた人である。桟敷ヶ岳はバスが使えるので、隣の魚谷山をつないで叡山電車の駅に下るコースを載せるつもりでいた。ところが、桟敷まで足を延ばすとコースタイムが9時間以上もかかってしまう。残念、長すぎるのであきらめた。愛宕山は紅葉する木があまり見られないので、これも却下した。それで、京都市内からすぐに行ける山は、今回の企画では比叡山と魚谷山に絞ることにした。
雲ヶ畑出合橋でバスを降りて、中津川沿いの林道を歩く。松尾谷分岐で左折し、魚谷峠への林道を登る。落葉広葉樹が多く、美しい紅葉が見られる。
魚谷峠から登山道に入り、樹木に囲まれた魚谷山の頂上に立つ。柳谷峠を経て細ヶ谷に下ると、途中に登山家であり学者の今西錦司のレリーフがある。
紅葉はそのあたりまでで、この先はずっと杉林が続く。滝谷峠から歩きやすい二ノ瀬ユリ道を下り、貴船山最高点から貴船山三角点へつなぐ。桟敷ヶ岳の山容が見える桶の水(ひのみず)峠を経て、叡山電車二ノ瀬駅に下る。
MAP&DATA
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プロフィール
梶山 正(かじやま・ただし)
写真家、フォトライター。著書に「ポケット図鑑日本アルプスの高山植物(家の光協会)」『山と高原地図「京都北山」』(昭文社)、『ベニシアの「おいしい」が聴きたくて』(山と溪谷社)、『ベニシアと正3京都大原・二人の愛と夢の記録』(風土社)など。
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