京都の紅葉ハイキングコースガイド5選。京都・大原に暮らす写真家、梶山正さんに聞きました
京都は神社仏閣の印象を多くの人が持っているが、京都盆地の周りには山が多い。京都市内で町中からも近い、比叡山(ひえいざん、848m)と魚谷山(いおだにやま、816m)の雑木林の紅葉や、市内から遠いが美しいブナの森を歩ける高山(たかやま、702m)など、山の表情は豊か。京都・大原に暮らす写真家の梶山正さんに、京都の紅葉の山のコースを聞きました。
文・写真=梶山 正
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山麓の町の茅葺き集落も有名 若丹国境尾根・八ヶ峰(はちがみね)
800m
紅葉の見頃 10月中旬〜11月中旬
八ヶ峰は京都府と福井県の県境である、若丹(わかたん)国境尾根にある山である。古くから京と若狭を結ぶ峠道の知井坂(ちいさか)と五波峠(ごなみとうげ)が、八ヶ峰稜線のすぐ西と東を通っている。展望がいい山頂からは、山城・河内・摂津・近江・越前・丹波・丹後・若狭の八つの国が見える。それが山名の由来となった。
若丹国境尾根の山は暖温帯林と冷温帯林の移行帯にあるため、植物の種類が多い。標高600mより低いところは、コナラや常緑広葉樹であるウラジロガシなどの暖温帯林である。高い山を除く関西のほとんどの森林帯は暖温帯林だが、暖温帯林は照葉樹林帯とも呼ばれるように、常緑樹が主体なので紅葉する木は少ない。そこより標高が高くなると平均温度が下がり、ブナやミズナラを主体とした冷温帯林に変わる。紹介する五波峠から八ヶ峰へ延びる若丹国境尾根は、ブナやミズナラ、イタヤカエデなどの落葉広葉樹林が続く。ブナ帯とも呼ばれるこの森林帯では、紅葉する木が多い。
このコースの標高差は200mしかなく、緩いアップダウンを繰り返すうちに、気がついたら山頂だ。登山のあとは、美山かやぶきの里を歩いてみよう。集落にある50戸のうち39棟がかやぶき屋根の古民家で、日本の原風景が残る場所として国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。
MAP&DATA
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プロフィール
梶山 正(かじやま・ただし)
写真家、フォトライター。著書に「ポケット図鑑日本アルプスの高山植物(家の光協会)」『山と高原地図「京都北山」』(昭文社)、『ベニシアの「おいしい」が聴きたくて』(山と溪谷社)、『ベニシアと正3京都大原・二人の愛と夢の記録』(風土社)など。
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