京都の紅葉ハイキングコースガイド5選。京都・大原に暮らす写真家、梶山正さんに聞きました
京都は神社仏閣の印象を多くの人が持っているが、京都盆地の周りには山が多い。京都市内で町中からも近い、比叡山(ひえいざん、848m)と魚谷山(いおだにやま、816m)の雑木林の紅葉や、市内から遠いが美しいブナの森を歩ける高山(たかやま、702m)など、山の表情は豊か。京都・大原に暮らす写真家の梶山正さんに、京都の紅葉の山のコースを聞きました。
文・写真=梶山 正
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ブナやナラの自然林の紅葉 大江山(おおえやま)連峰・千丈ヶ嶽(せんじょうがたけ)と鍋塚(なべづか)
832m(千丈ヶ嶽)
紅葉の見頃 10月下旬〜11月中旬
丹後半島のつけ根に位置する大江山連峰は大笠山、鍋塚、鳩ヶ峰(はとがみね)、千丈ヶ嶽、赤石ヶ岳(あかいしがたけ)から成る連山である。鬼で有名な大江山だが、その名を持つ山はない。とはいえ一般的には、丹後山地の最高峰である千丈ヶ嶽が、大江山と呼ばれることが多い。稜線上にある鍋塚休憩所まで車で行けるので、そこを起点に最高峰の千丈ヶ嶽と次に高い鍋塚を往復するといい。バス利用の人は山麓にある大江山の家バス停から、さらに往復3時間15分の道のりを歩く必要がある。
まずは、鍋塚休憩所から鳩ヶ峰を経て千丈ヶ嶽をめざす。リョウブ、ヤマボウシ、カエデ、ナナカマド、ナラなどが紅葉した雑木林の縦走路を歩く。鳩ヶ峰ならび千丈ヶ嶽山頂は、360度の展望が開けている。
往路を鍋塚休憩所まで戻り、次は鍋を伏せたような丸い山容の鍋塚をめざそう。鍋塚山頂一帯はすっきりとした笹原なので展望はいいが、紅葉は見られない。大笠山(地形図に山名は載ってない。740mの山)方面へ少し足を延ばすと、天橋立がある阿蘇海(あそかい)が遠望できる。鍋塚休憩所の駐車場に戻ったら、鬼伝説と関わる鬼嶽稲荷神社に寄り道してみるといい。車道があるので車で行ける。神社の境内林は、ブナやトチノキ、ミズナラの原生林なので紅葉を楽しめるだろう。さらに、次の寄り道は「日本の鬼交流博物館」。ここで鬼の大江山の、酒呑童子(しゅてんどうじ)伝説がより深く理解できるだろう。
MAP&DATA
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プロフィール
梶山 正(かじやま・ただし)
写真家、フォトライター。著書に「ポケット図鑑日本アルプスの高山植物(家の光協会)」『山と高原地図「京都北山」』(昭文社)、『ベニシアの「おいしい」が聴きたくて』(山と溪谷社)、『ベニシアと正3京都大原・二人の愛と夢の記録』(風土社)など。
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