引き続き多い下山時のケガ、細心の注意を怠らずに! 島崎三歩の「山岳通信」 第127号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2018年9月25日に配信された第127号では、引き続き下山時の遭難が多いことについて言及している。

 

9月25日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第127号では、9月11日~16日に起きた7件の山岳遭難事例について説明している。以下に抜粋・掲載する。

  • 9月11日、南アルプス仙丈ヶ岳で、67歳の男性が仙丈ヶ岳の登山道で倒れているところを発見され、伊那警察署員により救助されたものの死亡が確認された。

  • 9月12日、北アルプス蝶ヶ岳で、40歳の男性がテント泊中に発病し、行動不能となる山岳遭難が発生。県警ヘリで救助された。

  • 9月14日、北アルプス唐松岳で、63歳の女性が八方池から下山中に木道を踏み外し、転落・負傷する山岳遭難が発生した。

  • 9月14日、北アルプス南岳で、71歳の男性が南岳から上高地に向けて下山中に、天狗池付近でバランスを崩して転倒・負傷する山岳遭難が発生。翌15日に県警山岳救助隊員および北アルプス南部地区遭対協隊員とともに下山した。

  • 9月14日、上伊那郡中川村四徳地籍山林内で、きのこ採りのため単独で入山した73歳の男性が、疲労により行動不能となり行方不明となる山岳遭難が発生。警察、消防などで捜索したところ、翌15日に山林内で発見され病院に収容された。

  • 9月15日、南アルプス甲斐駒ヶ岳で、68歳の男性が甲斐駒ヶ岳から下山中に六万石付近で滑落・負傷する山岳遭難が発生。翌16日に伊那警察署員及び南アルプス北部地区遭対協隊員により発見/救助され、病院に収容された。

  • 9月16日、中央アルプス念丈岳で、55歳の男性が念丈岳から下山中、念丈岳から大島山にかけての登山道で道を踏み外して転倒・負傷して歩行困難となる山岳遭難が発生。翌17日に消防および警察が救助に向かった。

中央アルプス念丈岳の山岳遭難箇所(長野県警察本部 ホームページ 山岳遭難発生状況(週報)9月19日付)

 

山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

9月3週は7件の遭難が発生しました。下山中に転・滑落、転倒して、負傷する遭難が後を絶ちません。下山時は、足にかかる負担が大きく、ちょっとした気の緩みや、疲労の蓄積により、体重を支えられず、バランスを崩したり、石でつまづいたりします。
登頂後は、ストレッチやマッサージをするなど、身体のケアを怠らないようにしてください。下山時こそ、集中力を切らさず、細心の注意を払うことが必要です。

 

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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