キャラバン・グランドキングの「登山靴」、登山入門モデルがユーザー投稿多し
キャラバン・グランドキングの登山靴で、ヤマケイオンラインのユーザーが実際に使っているアイテムはどんなものだろうか? 投稿コーナー「みんなの山道具」からユーザーの声をピックアップし、製品について、さかいやスポーツ 斎藤さんに解説してもらった。
取材/文=吉澤 英晃
監修=さかいやスポーツ 斎藤 勇一
C1_02S|キャラバンシューズの代表格、登山入門モデル
キャラバンは60年以上の歴史を持つ日本の登山靴メーカーです。「キャラバン(以下、C)」と「グランドキング(以下、GK)」という2つのシリーズがあり、Cシリーズは軽登山や登山入門者向けに開発されたものです。
「みんなの山道具」でキャラバン・グランドキングのアイテムの中からユーザー投稿数の多かった「C1_02S」は、このCシリーズのシューズ。指先まわりがゆったりとした履き心地の良さや、動かしやすい足首周りのデザインが特徴です。C1_02Sは足幅が3Eの男性向けモデル、女性向けモデル「C4_03」は、足幅をさらにスリムにした2Eになります。
「ゴアテックスを使用しているため防水性があり、ソールにはオリジナルの『キャラバントレックソール』を搭載。オリジナルのソールを使うことで価格を抑えることに成功していますが、安いからと言って、グリップ力や耐久性が他の登山靴に大きく劣るということはありません」(さかいやスポーツ 斎藤さん)
C1_02Sの価格は15,500円(税別)とお買い得。これから登山を始めたい方にちょうどいい一足と言えますね。入門者向けのシューズということは分かりましたが、どのような山行に適しているのでしょうか。
「C1_02Sは指先まわりがゆったりしており、整備された道を歩きやすいようにアッパーやソールが柔らかいため、急な斜面では靴の中で踏ん張りがききづらく、岩が多いような不安定な道ではゴツゴツした地面が足にあたり少し歩きづらいというデメリットもあります。そのため、重たい荷物を背負うようなテント泊登山には向いていません。1泊くらいの山小屋泊での山行なら問題ないかもしれませんが、2泊以上の山小屋泊やテント泊登山といった山行計画の場合は荷物が重くなりがちなので、C1_02Sは適していないでしょう」(同)
C1_02Sは、日帰りトレッキングに向いています。関東なら奥多摩や秩父の山を日帰りで歩いたり、関西なら金剛山や六甲山といった山を歩いたりするのにちょうどいい靴と言えるでしょう。
製品情報
キャラバン「C1_02S」
- 価格
- 15,500円(税別)
- サイズ
- 22.5cm~30.0cm
- 重量
- 約590g(片足、26cm)
キャラバン「C4_03」
- 価格
- 15,500円(税別)
- サイズ
- 22.5cm~26.0cm
- 重量
- 約470g(片足、24cm)
GK83|脱初心者に向けたコスパ重視のトレッキングシューズ
先に紹介したC1_02Sは軽登山用のCシリーズに属する登山靴でしたが、次に紹介する「GK83」はGKシリーズの製品。これはCシリーズのセカンドステージとして、さらなるステップアップを目指す登山者のためのラインナップです。
「GKシリーズはCシリーズに比べて靴全体の剛性が高く、履き心地も異なります。例えば甲の高さ。ここを低くすることで足へのフィット感を高めています。違いは他にもあります。履き口はアキレス腱部分を浅くカットした設計で、柔らかく仕上がっているため優しいは着心地に。かかと部分には日本人の足形に合うように開発されたヒールカップを内蔵することでホールド感をアップさせています」(さかいやスポーツ 斎藤さん)
C1_02Sと見比べると、アッパーに使われている合成皮革の面積が広くなり、つま先を補強するパーツも幅広くなっています。さらにソールはオリジナルの「キャラバントレックソール」から、ビブラム社製のソールに変更されていました。外観からもCシリーズのワンランク上をいく登山靴であることが分かります。では、GK83はどのような山行に向いているのでしょうか。
「GK83はGKシリーズの中ではソールが柔らかく、CシリーズからGKシリーズへのステップアップにちょうどいいモデルです。そのため、テント泊といった重い荷物を背負った登山よりは、山小屋泊での登山に適していると言えるでしょう」(同)
もう一つ気になるのが、雪山でも使えるかどうか。インターネット上でもそういった質問がチラホラ見受けられます。
「GK83に限らず、Cシリーズ、GKシリーズともにアイゼンの装着を想定していません。本格的な雪山に登るための12本爪のアイゼンは装着できませんが、ベルトやラチェットで装着するような簡易的な軽アイゼンや、チェーンスパイクは装着することができます」(同)
冬靴ではないので、もちろん保温材も断熱材も入っていません。その点を踏まえて使うなら、危険の少ない雪のついた低山歩きくらいなら問題なく使えるでしょう。
製品情報
キャラバン「GK83」
- 価格
- 23,500円(税別)
- サイズ
- 22.5cm~30.0cm
- 重量
- 約650g(片足、26cm)
※2019年春に「GK83-02」へモデルチェンジする予定
GK68|テント泊登山や長期縦走にも対応する本格派。後継「GK85」をご紹介
「GK68」は重い荷物を背負った縦走登山などに対応した本格派。その後継が「GK85」です。GK83と同じGKシリーズの登山靴ですが、その違いは何でしょうか?
「GK85はGKシリーズの最上位モデル。アッパーの素材は2.0mm厚のヌバックレザーを使い、ラウンドラバー補強をすることで耐久性を高めています」(さかいやスポーツ 斎藤さん)
外観以外にも異なる点が。それはソールの硬さです。GK83よりさらに剛性を高めることで、重い荷物を背負った縦走登山といったハードな山行にも対応できる一足に仕上がっているのです。
「GK85はソールの硬さといった靴全体の剛性の他に、くるぶし部分をシェイプした設計にすることでホールド感も高めています。そうすることで岩場での安定感が増すのです」(同)
北アルプスの穂高連峰といった岩稜帯や、大キレットなどの高難易度ルートにもオススメできるシューズと言えそうです。重い荷物を背負った登山の場合、ソールの減りが早くなることが予想されますが、GK85はソールの張り替えができるのでしょうか?
「GK85はソールを張替えることできます。しかし、アッパーが痛んでいないことが条件になるため、まずは登山用品店などの専門店に相談するといいでしょう。また、張替えにあたって注意点があります。ソールを張替えたあとのGK85は改造にあたってしまうため、たとえ漏水があったとしても補償を受けられません。また、ソールの交換は安くはないので、もしソールがダメになるほど履きこんだ場合は、登山靴の買い替えを検討してもいいかもしれないですね」(同)
ソールの張替えはGKシリーズ全てのシューズと、キャラバンブランドの一部シューズが可能とのこと。
ソールの交換が必要になるほどGK85を履きこんだ時には、きっと山登りの上級者になっているはず。GKシリーズ最上位の靴で登山スキルを磨くのもいいですね!
製品情報
キャラバン「GK85」
- 価格
- 27,700円(税別)
- サイズ
- 22.5cm~30.0cm
- 重量
- 約705g(片足、26cm)
※掲載した情報は、2019年3月現在のものです
「みんなの山道具」ユーザーのおすすめ度調査
ヤマケイオンラインのユーザーが実際に使っている登山用品を投稿するコーナー「みんなの山道具」。この記事ではユーザー投稿を登山ブランドごとにピックアップし、人気順(投稿数順)にギアをまとめた。