登山歴20年の私が選ぶ、山でも使えるこだわりアイテム!

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登山専門店の好日山荘では、女性スタッフ有志による「おとな女子登山部」の活動を通して、ブログでの情報発信や、登山イベントなどを行っている。「ヤマケイオンライン」でのリレー連載第5回目となる今回は、好日山荘大宮店のニコさんが、「こだわりアイテムの選び方」を教えてくれた。

こんにちは! 好日山荘・おとな女子登山部のニコです!

今年山登りをはじめたばかりの方も、バリバリの登山家さんも、夏から秋のはじめにかけてはビッグな思い出をつくる絶好の季節ですよね。今回は私が長年山登りをしている中で見つけた「これいいな!」という登山アイテムを少しだけご紹介します!

 

荷物を省くより、プラスαを楽しむ心の余裕を・・・

山登りでは、少しでも荷物を軽くしたい! 誰だって荷物は重いより軽いほうがいいですよね?

かつては私も、とことん軽さを追求して35リットルのザックにテント泊装備を詰めてみせる! なんて、ウルトラライト(UL)に傾倒していたことがありました。もちろん、今でも必要があれば極限まで荷物を減らすこともありますが、ここ数年で自分の登山装備に変化がありました。

「無くてもいいけど、あったら嬉しい!」アイテムを持って山に入ることが増えたのです。

左:UCOのキャンドルランタン 右:虫よけ効果があるロウソク


例えばこのキャンドルランタン。本物の火の揺らぎとぬくもりがあると、慣れない場所(テント場など)でソワソワ高ぶった神経が落ち着きます。LEDランタンやヘッドランプに比べるともちろん重いし、溶けたロウの始末は手間もかかるのですが、山で過ごす贅沢な時間にステキな余韻を添えてくれるアイテムです。

大自然の真ん中で、ゆっくり読書をするのもおすすめです。これで美味しい珈琲なんかがあれば至極贅沢ですね。時間を忘れて、うっかり寝るのが遅くならないように注意してください。

左から音楽フェスとタワーレコードがコラボしたDINEXと、ブックユニオンのオリジナルDINEXカップ


そして、意外とこだわりを発揮できるのが食器類です。軽量コンパクトを追求するもよし、自分のテイストを取り入れるもよし、木製のカトラリーやカップやメーカーコラボレーションモデルなど、ここぞとばかりに個性をアピールできます。

特に、自然の中では木製のナチュラルなものを選ぶと、雰囲気がマッチして気分が上がります。

自然は、自分だけの贅沢なカフェになる

 

素材や機能性にとらわれず、オシャレを楽しむ遊び心

山のウェアは速乾性がないとダメ? 綿は着ちゃいけないって本当?? 店頭で接客していると、お客様からそんな声をよく聞きます。そしてそれは間違いではなく、ご自身のカラダの安全のためには必要な機能とも言えます。

しかし、あまりにもセオリーに従ってばかりいると、機能性重視の抜かりのないガチガチな外見になってしまいます。私はアウトドアショップ店員として、みなさんのお手本であるべきなのですが、元々ファッションが大好きなので、基本ルールからアレンジすることもしばしば。

山に居たって自分らしくいたい!!!

夏におすすめの麦わら帽子。素材やデザインは適材適所で選ぶ


私の夏の定番アイテムは、麦わら帽子。丸顔でハットやキャップが本当に似合わない! という悩みから辿り着きました。

麦わら帽子は通気性も良く、日差しもカットしてくれます。見た目もナチュラルでウェアにも合わせやすくておすすめです。

知人が編んでくれた、麻のカラフルなニット帽


アジアン雑貨屋さんで購入した、カラフルなヘンプのニット帽を被ったり、ネパールシルクのストールを首に巻いたりすることもあります。

ただ、ここで気を付けていただきたいことは、他の素材では絶対に代用できないアイテムもあるということです。一番外側で身体を守るゴアテックスのレインウェア(ハードシェル)は、機能性が絶対ですので外せません。

まずは小物からオシャレを楽しんでみて下さいね。

 

山でも快適性を追求してみる

最初の内容と似ていますが、山登りをより楽しく快適にするアイテムをいくつかご紹介します。

空気を入れて使う枕や、EVAポリウレタンの軽くて丈夫な座布団のように、無くてもいいけれどあれば山でのストレスが減るアイテムって結構あります。

私自身、宿泊登山の場合は、ポンチョや折り畳み傘を持参することが多いです。湿度や気温が高いとレインウェアを着ると蒸れそうだな・・・なんて時ありますよね? 稜線上など、風に煽られやすい場所では転倒のリスクがあるので使用できませんが、樹林帯の平坦な広い登山道や林道では大活躍します。

ポンチョは荷物ごと被れるのでとても楽です。傘はテントからトイレへ行くとき、自宅から登山口への移動中など、様々なシーンで意外と使用しています。

北沢峠で。ポンチョをタープにして雨をしのぐ


これは経験談ですが、テントを設営したとたん大雨に降られたことが過去に何回かあります。

これから夕食の支度もしなければいけないのに、テントの外には屋根などありません。よりによって炒め物系のメニューにしてしまい、もちろんテントの中では調理ができません。

どうしよう・・・と悩んだ結果、ポンチョを持っていることを思い出し、さらに持ち合わせていた3mmの細引きロープを使ってポンチョを近くの木に広げて張りました。

なんとも簡単に屋根ができた! それからは、快適に過ごすことができました。

このように、知恵と工夫次第でなんとかできると自信もつくし山の楽しみが増えてくるのです。

 

*****

山登りを続けていると、思わぬ出来事に遭遇します。

使わないかもしれないけれど持っていくもの、必要ないけど持って行きたくなるもの、そんな所にこだわりを発揮するのもまた素敵ですよね。

プロフィール

ニコ(好日山荘おとな女子登山部)

東京生まれ山形育ち。家族の影響で、幼少期から成人するまで、ほぼ毎週末、キャンプや渓流釣り、スキーへでかけて育った。大自然と名峰の数々に囲まれた山形県で、高校一年のときに山岳部に入部。その後、部長の経験を経て、現在でも社会人山岳会に所属するなど積極的に登山を楽しむ。この数年は、日本百名山のピークハントを父と目指し、究極の親子登山を実行中。現在は70座。急峻な岩場より、広大な山域を好む。
⇒おとな女子登山部メンバーはこちら

好日山荘 大宮店

近郊登山からテント泊縦走登山までさまざまな登山スタイルに対応するアイテムを取り揃える登山用品店。クライミングジム「グラビティリサーチ」とクライミングプロショップも併設。

所在地/埼玉県さいたま市大宮区宮町1-37
TEL/ 048-783-2710
営業時間/11:00~21:00
アクセス/JR大宮駅東口(北階段)より大栄橋方面へ徒歩5分

好日山荘おとな女子登山部 リレー連載

登山用品専門店の好日山荘で、2013年より女性スタッフ有志により立ち上がった「おとな女子登山部」。 「自分たちが山を真剣に楽しみ、次の山に挑戦すること」「お客様にもっと山を好きになってもらうこと」を目標に、ブログでの発信や登山イベントなどを行っている。 その活動の様子と女子目線での登山感を伝えていく。

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