街なかで見かける「脚を組む」習慣。登山には良くないサインかも!?

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脚を組んで椅子に座ることが、もし登山に悪影響になっているとしたら・・・。心当たりのある人は、今すぐ、簡単に解消する方法があります。早速、始めてみてはいかがでしょうか?

脚を組む習慣は骨盤に偏った負荷がかかり、骨盤が歪む可能性もある

 

公園やカフェといった場所で、脚を組んでいる人をよく見かけます。普段、何気なくやっているクセなのかもしれませんが、もしかすると、登山で必要な筋肉群が弱まっているサインかもしれません。

骨盤は体幹を形成するのに大切な役割を果たしています。大殿筋、大腿直筋やハムストリングといった「登山で大きな力を発揮する筋肉」と、中殿筋、縫工筋、内転筋群、股関節外旋筋群といった「方向転換などの細かい動きに必要な筋肉」と密接に繋がっています。そのため、登山において骨盤の歪みは、そのままフォームの歪みにつながります。

また、悪いフォームが原因で骨盤に歪みが生じ、脚を組んだほうが楽に座れるといったケースも考えられます。いずれにせよ、脚を組むことは登山者にとって、良くないサインと捉えるべきでしょう。

内また座りは、太ももの内側の筋肉が弱まっている証拠


また、現代人は両脚を閉じる働きを持つ内転筋群(太ももの内側の筋肉)が弱いといわれており、脚を組んだほうが楽に座れるという人や、大きく股を開いてガニ股で座る人、上の写真のように内またでひざを閉じて座る人は、すでに内転筋群が弱くなっている可能性があります。

内転筋群は山を登る時に、ひざの向きを安定させる働きも担っています。ひざの痛みを予防するためにも、登山者であれば強化しておきたい筋肉群です。

 

ひざを「ぎゅっ」と閉じて30秒キープするだけ!

内転筋群を強化するには、なにも特別なトレーニングをする必要はありません。今すぐ脚組みをやめ、ひざをぎゅっと閉じて座るだけです。ポイントは「脚元もピタッとそろえる」こと。上記の写真のように、脚元が開いた状態でひざを閉じても内転筋群は使われないので注意してください。

仕事中、食事中、テレビを観ている時、ひざをぎゅっと閉じて30秒キープしてください。気が付いた時に一日に何度か繰り返せば、それだけで十分です。下の写真のように、ひざの間にトレーニング用のボールやクッションを入れて負荷をかけると、さらに効果的です。

ボールを使う時も、脚元をピタッと揃えて行ないましょう


生活習慣によって積み重ねた体の歪みは、日常生活では気付かないことも多く、登山のように強度の高い運動を行なうことで、一気に症状が現れることがあります。

しっかりとリセット&メンテナンスをして安全登山を心がけましょう。

 

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プロフィール

いきいき登山ガイド・ヤッホー!!さん

本名:芳須勲。横浜市金沢区在住。管理栄養士・健康運動指導士・登山ガイドの資格を持ち、中高年登山者の健康づくりを、栄養と運動の両面からサポート。
山ごはん・アウトドア料理を得意とし、災害時における野外炊飯法などの講習会も各地で行なっている。
著書に山登りABC「登山ボディのつくり方」(山と溪谷社)、山登りABC「もっと登れる山の食料計画」(山と溪谷社)など。
⇒ホームページInstagram

登山ボディをリセット&メンテナンス!

管理栄養士・健康運動指導士・登山ガイドの資格を持ちながら、楽しく安全な登山を案内する「いきいき登山ガイド・ヤッホー!!さん」こと芳須勲ガイドが、身体のリセット・メンテナンスの面から登山のトレーニングを指南。登山のための身体づくりを目指そう!

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