登山中にフォームを崩さず歩ける持久力をつける、「プランク」にチャレンジ

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長時間の運動となる登山には、持久力は不可欠だ。「持久力」とひとくちに言っても、さまざまな持久力がある。今回は、フォームを崩さず歩ける持久力をつけるために、「プランク」というエクササイズを紹介する。

 

プランクは、体幹(胸郭・脊柱・骨盤)を支える筋肉群を強化させる代表的なエクササイズです。体幹のトレーニングはバランス力を向上させるだけではなく、「長時間の山歩きが苦手で、すぐに疲れてしまう」といった持久力が不足している人にもおすすめです。

一言で持久力といっても様々な要素があり、アプローチも異なります。今回は持久力について少し説明しておきましょう。

 

1.全身持久力

全身に酸素を効率よく循環させる能力。酸素と二酸化炭素を交換する肺の働きや、酸素を全身に送る心臓、血液、血管の働き、酸素を取り込んで代謝する筋肉の働きなど、様々な要素が関係しています。これを向上させるにはランニングなどの有酸素トレーニングが効果的です。

 

2.筋持久力(動的)

急こう配を登るときの太ももの筋肉のように、ある程度の負荷がかかった動作を、ずっと繰り返すために必要な筋力。これを向上させるには最大筋力の3割程度の負荷をかけ、限界まで反復する動的なエクササイズが効果的です。

 

3.筋持久力(静的)

重いザックを背負ってもフォームを崩さないように姿勢を維持する筋肉群のように、大きな伸縮・短縮をしないで力を発揮し続ける筋力。これを向上させるためには空気イスのように、自分の体重を使い、同じ体勢を限界まで維持する静的なエクササイズが効果的です。

 

プランクは体幹を支える筋肉群を強化させる、静的な筋持久力エクササイズです。他の持久系トレーニングと異なり、テレビを観ながら無理せず行なうことが出来るので、運動習慣のない人でも手軽に始められます。

最初のうちは30秒キープするのがやっとかもしれませんが、毎日続けていれば5分以上キープすることも可能です。

  • ヨガマットなどの上で「腕立て伏せ」の姿勢をとる。

  • 肩の真下に両肘をつき、前腕を前方に伸ばす。手は握っても開いても可。肘と前腕で体重を支える。

  • 膝を伸ばし、おしりを下げ、腹筋に力を入れ、体を一直線にした姿勢をキープする。

ただキープするだけで、体幹を支える筋肉を鍛えることができます。


近年、アメリカではプランクを5分間キープさせるためのトレーニングプログラム「30日プランクチャレンジ」が流行し、沢山のスマートフォン向け無料アプリが作られています。

カウントダウン機能やカレンダー機能などがついているので、毎日トレーニングを続けることが苦手な人は利用してはいかがでしょうか?

プランクを続けて、長時間の山行でもフォームを崩さず歩ける登山ボディを目指しましょう。

 

プロフィール

いきいき登山ガイド・ヤッホー!!さん

本名:芳須勲。横浜市金沢区在住。管理栄養士・健康運動指導士・登山ガイドの資格を持ち、中高年登山者の健康づくりを、栄養と運動の両面からサポート。
山ごはん・アウトドア料理を得意とし、災害時における野外炊飯法などの講習会も各地で行なっている。
著書に山登りABC「登山ボディのつくり方」(山と溪谷社)、山登りABC「もっと登れる山の食料計画」(山と溪谷社)など。
⇒ホームページInstagram

登山ボディをリセット&メンテナンス!

管理栄養士・健康運動指導士・登山ガイドの資格を持ちながら、楽しく安全な登山を案内する「いきいき登山ガイド・ヤッホー!!さん」こと芳須勲ガイドが、身体のリセット・メンテナンスの面から登山のトレーニングを指南。登山のための身体づくりを目指そう!

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