【書評】山との調和をめざした建築のあり方『吉阪隆正+U研究室 山岳建築』 吉阪は、世界的建築家ル・コルビュジエに師事し、コンクリートによる彫塑的な造形をもった独特の建築で知られているが、建築以上に熱心に取り組んだのが山行だったという。 2023.08.29
【書評】人気のエリアを地学の観点からひもとく一冊『槍・穂高・上高地 地学ノート』 日本一のトンガリ山である槍ヶ岳や「岩の殿堂」と呼ばれる穂高の山容は、国内の山では希有な存在だ。この登山者に人気の槍穂高や上高地はどうやってできたのだろう?そんな疑問を解説してくれるのが本書である。 2023.08.22
【書評】沢登りを愛する著者による集大成の一冊『渓の旅、いまむかし 山懐に漂い半世紀』 森にどっぷりと浸り、山を味わいつくす旅をしたい。そんな願いをもつ山好きにとって、高桑信一さんは憧れの、一番星のような人だと常々思っている。 2023.07.30
【書評】スケッチとともにつづられる原野への深い愛情『雪原の足あと』 「ちょっこうさん」の愛称で知られる山岳画家・坂本直行の画文集。『山・原野・牧場』『原野から見た山』に続くヤマケイ文庫での復刻第3弾である。 2023.07.26
捜す、寄り添う―山岳遭難捜索6つのドキュメント『「おかえり」と言える、その日まで』【書評】 捜索は、目に見えない足取りを追うことである。家族や山仲間から当日の服装や持ち物はもちろんのこと、登山者の行動パターンや登山の志向なども聞かせてもらいプロファイリングをしていく。 2023.07.18
池内紀さんが選んだ153冊を紹介。人気連載をまとめた『山の本棚』【新刊】 月刊誌『山と溪谷』(山と溪谷社)で2007年から2019年まで連載されていた、ドイツ文学者でエッセイストの池内紀さんによる「山の本棚」が単行本になりました。連載を担当した編集者が3冊ご紹介します。 2023.07.05
厳冬期のデナリを舞台にした本格山岳小説『完全なる白銀』【書評】 「山にはドラマがない」。そう言って、深田久弥は山岳小説に手を出さなかった。そんな話も今は昔。あれから半世紀以上が経ち、登山の大衆化と小説技法の進歩により、おもしろい山岳小説が数多く登場している。本書もそのひとつだ。 2023.06.26
46歳で世を去った強烈なインパクトを放つ男の人生『酔いどれクライマー 永田東一郎物語』【書評】 のちに建築家となるクライマー・永田東一郎と著者藤原章生が会ったのは1978年初夏、都立上野高校の山岳部の部室だった。O Bとして部室をのぞいた永田は藤原より3学年上、東大工学部の学生で、東大スキー山岳部員だった。 2023.06.19