【書評】厳冬の剱岳を現役山岳ガイドが描いた山岳小説『小窓の王』
(評者=GAMO)著者は現役の山岳ガイド。冬剱の過酷な自然描写や登攀シーンはさすがの迫力。山行・登攀の場面が全体の約7割を占めており、それだけで読み応え充分だ。しかし、本書の真髄はむしろ後日談にある。
山に関する新刊の書評を中心に、山好きに聞いたとっておきもご紹介。
【書評】厳冬の剱岳を現役山岳ガイドが描いた山岳小説『小窓の王』
(評者=GAMO)著者は現役の山岳ガイド。冬剱の過酷な自然描写や登攀シーンはさすがの迫力。山行・登攀の場面が全体の約7割を占めており、それだけで読み応え充分だ。しかし、本書の真髄はむしろ後日談にある。
【書評】「どこまで行けるか」求道的挑戦を続ける男のドキュメント『スピードツーリング 山岳アスリート 藤川健の半生と記録』
(評者=長谷川 哲)大雪山系縦走や日本オートルートに続いて、夕張岳─芦別岳─富良野西岳の夕張山地縦走、積丹山地ループ縦走、増毛山地ループ縦走といったタイトルが並ぶ。個々のピークは登攀や滑りの対象となり得ても、これらをつなぐという発想をする人がはたしているだろうか。それもたった一日で。
【書評】あらゆるリスクに対処するノウハウを図解で解説『完全図解 山岳セルフレスキュー教本』
(評者=木元康晴)山岳地帯には急峻な地形や悪天候時の厳しさ、高山病などさまざまなリスクがある。行動中、それらのリスクに適切に対処できなければ、トラブルに結びついてしまう。トラブルは絶対に避けたいが、完全に防ぐことはできない。
【書評】12人の若者たちと北極圏をめざす極地冒険紀行『君はなぜ北極を歩かないのか』
(評者=竹沢うるま)費用対効果という言葉が重要視され、ひとつひとつの行動に意味と結果を求められる。そんな現代社会において、彼らはゴールした実感もなければ、即座に意味を生むことのない冒険を行なった。
巨大なヒグマに襲われた…アイヌ伝説の猟師が実行した「恐るべき撃退法」とは?【羆吼ゆる山】
長きにわたって絶版、入手困難な状況が続いていた伝説の名著『羆吼ゆる山』(今野保:著)がヤマケイ文庫にて復刊。戦前の日高山脈で実際にあった人間と熊の命がけの闘いを描いた傑作ノンフィクションから、一部を抜粋して紹介します。
【書評】人間と羆との死闘の歴史を刻む名著が復刻『羆吼ゆる山』
(評者=伊藤健次)戦前~戦後の北海道での山暮らしとはつまり「羆吼ゆる山」に踏み込んだ生活だ。傍らには命に関わる強力な野生動物がいる。それを狩り、生活の糧としてきたアイヌ民族の先達がいる。
【書評】前人未踏の単独行ルポルタージュ『「幸せ」を背負って 積雪期単独北海道分水嶺縦断記』
(評者=荻田泰永)個人的な情熱や衝動で始まった旅が、社会の外側にある別の常識に触れて再び社会に還った時、冒険者の「語ることのできる物語」には普遍性が宿る。
「自分の命を懸けてでも仕留めろ」。猟師が語る“手負い熊”の恐ろしさ【羆吼ゆる山】
長きにわたって絶版、入手困難な状況が続いていた伝説の名著『羆吼ゆる山』(今野保:著)がヤマケイ文庫にて復刊。戦前の日高山脈で実際にあった人間と熊の命がけの闘いを描いた傑作ノンフィクションから、一部を抜粋して紹介します。
覆いかぶさってきた熊が、右の耳の上から頬まで・・・重傷を負いながらも熊を撃退したアイヌ青年の実話【羆吼ゆる山】
長きにわたって絶版、入手困難な状況が続いていた伝説の名著『羆吼ゆる山』(今野保:著)がヤマケイ文庫にて復刊。戦前の日高山脈で実際にあった人間と熊の命がけの闘いを描いた傑作ノンフィクションから、一部を抜粋して紹介します。
【書評】ヒマラヤ最奥の地の写真に込められた願いとまごころ『ドルポ 西ネパール 祈りの大地』
(評者=山本高樹)彼らが自分たちの土地と暮らしのよき側面にあらためて気付いて、それらをできるだけ失わないように心がけてくれるかもしれない。そんな稲葉さんの願いが、この本には込められている。