【書評】64年前の謎に迫るノンフィクション待望の文庫化『死に山 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相』 旧ソ連時代の1959年、極寒の雪山で9人の若い登山家が謎の死を遂げた。チームリーダーだったイーゴリ・ディアトロフの名前から《ディアトロフ峠事件》と呼ばれる遭難事故の真相は、いまだに解明されていない。 2023.12.26
【書評】八ヶ岳山麓での自然との対話をつづった随想集『歌わないキビタキ 山庭の自然誌』 本書は、著者が東京の自宅や八ヶ岳の「山庭」などでの生き物との出会いごとに想起した心象をつづる随想である。2020年6月から23年3月までの日記ふうの6章からなる。 2023.12.17
【書評】北の大地に生きる動植物を見つめた連載を単行本化 『伊藤健次の北の生き物セレクション』 「草木も虫も動物も、異なる姿でばらばらに生きているように見えて、大きな時間の流れの中では、隣り合い、繋がり合って生きている」(まえがきより)。こういう世界に人間も暮らしているのだと、この本は目を開かせてくれる。 2023.11.24
【書評】登山史に埋もれた人物や出来事を丁寧にひもとく『登山史の森へ』 登山はジャッジのいないスポーツである。申請が必要なヒマラヤやデナリなどは、登山の成否が現地に残る。日本国内や欧州アルプスなどは、山岳雑誌、山岳部部報や山岳会会報などが記録を知る手がかりとなる。 2023.11.16
【書評】低山からヒマラヤまで 登山史に残る名文を編んだ一冊『山は輝いていた』 本書は、さまざまな立場で山に関わってきた13人のアンソロジー。その13編それぞれに、編者の神長幹雄氏が解説を加えるかたちになっている。 2023.10.29
【書評】自然の営みの神秘とおもしろさに心を奪われる『天気のことわざは本当に当たるのか考えてみた』 「富士山に笠雲がかかると雨」「朝焼けは雨、夕焼けは晴れ」「○○山に雲がかかると雨」……。 本書は全国各地に伝わる「天気のことわざ」を集め、サイエンスの視点で検証したものだ。著者は山岳気象予報士の猪熊隆之氏。 2023.10.26
【書評】極北の大地を犬橇で駆ける!シリーズ第2弾『裸の大地 第二部 犬橇事始』 本著は角幡唯介が「いい土地」を求めて北極をより広範囲に旅することを目標に、エスキモー犬で編成された犬橇チーム構築のために試行錯誤を繰り返す物語である。 2023.10.16
【書評】登山者にも親しまれる鉄道を深掘り『地図と鉄道省文書で読む私鉄の歩み』 本書は地図、地形図の第一人者でもある今尾恵介氏が十数年来にわたって執筆するシリーズの6冊目。日本民営鉄道協会に加盟する私鉄は大手16社、地方56社。既刊の5冊は関東、関西の大手を解説しており、本書が初めての地方鉄道編となる。 2023.10.01
【書評】阿曽原温泉小屋の一年に密着した写真絵本『黒部の谷の小さな山小屋』 「今度、阿曽原温泉小屋の写真絵本を出すんですよ。山の世界を子どもたちにも知ってもらいたくて」。著者の星野秀樹さんからそう聞いたのは昨年末。「絵本?」と驚いたが、山小屋のシーズンを写真絵本で表現するとはこれまでになかった視点。 2023.09.30
【書評】当時の常識を覆した34年前の裁判に迫るノンフィクション『天災か人災か?松本雪崩裁判の真実』 「雪崩は人災だった」。34年前の雪崩死亡事故裁判について、その一部始終をまとめたノンフィクション。 2023.09.24