地図アプリ全盛の今こそ活用したいガイドブック『増補改訂版 詳しい地図で迷わず歩く 奥多摩・高尾500km』【書評】 首都圏在住の登山者から親しまれている奥多摩・高尾エリア。手軽にアクセスできて、しかし意外と危険も多いこのエリアを丁寧に解説するガイドブックが発売された。 2023.05.18
5人の道筋とキーワードで読む女性たちの登山史『彼女たちの山 平成の時代、女性はどう山を登ったか』【書評】 女性たちはその煩わしさが常にそばにあるからこそ、自分の限界を知り、困難にもしなやかに対応できるのかもしれない。 2023.05.17
13年を振り返りいま一度見直す山との向き合い方『山のリスクとどう向き合うか 山岳遭難の「今」と対処の仕方』【書評】 「登山者の山への向かい方も変わった。特に影響したのは、スマートフォンの普及だ。初めて見たときはいかがわしいとすら感じた地図アプリが、今や必須のものになった。さらに情報収集や登山届の提出、記録の作成と公開、仲間との交流まで、スマホやインターネットで行なうようになったのだ。」 2023.04.24
身近な低山での遭難事例から教訓を学ぶ『侮るな東京の山 新編 奥多摩山岳救助隊日誌』【書評】 タイトルのとおり、東京の山は侮られがちなのだろう。よく界隈の山岳関係者がヘッドランプも持たない登山者に対して苦言を呈している。 2023.04.23
登攀と人生を振り返る初の自叙伝『What's Next? 終わりなき未踏への挑戦』【書評】 本書はこれまでの平出さんの成功の数々を単に収めた登攀記録集ではない。失敗した記録やパートナーシップ、死んでいった山仲間、仕事や家庭のことも収められている。 2023.04.17
山を訪ね歩き、描く。山旅の画文集『水彩の山』【書評】 山旅があってこそ絵があり、絵があってこその山旅が垣間見えてくる。よく知られた山も、あまり知られていない山も、ちゃんと山として描かれる。多くの絵に、きちんと山頂が描かれているのは、お人柄か。つまり、ひねくれていないのだ。 2023.03.27
30年にわたるスティープ滑降の軌跡と記録『中部山岳スティープスキー 100選』【書評】 私自身も三浦コレクションのうち何割かは滑降しているが、あらためて見てみると脱帽である。30年の年月、飽くなき情熱を傾けられたこと、さらなる高みへの求道心を失わなかったこと、そして、生き延びていること。これらは言葉で表わせるほど容易いことでは決してない。 2023.03.23
女流詩人と山との濃密な交流が生んだ反アルピニズム文学『いきている山』【書評】 自然科学的あるいは物理的な精細な観察から、哲学的あるいは宗教的な深遠な感懐へ、詩人の論述は広く重く拡がる。 2023.02.24
超人の素顔に迫り、アメリカの現代登攀史を知る『THE IMPOSSIBLE CLIMB アレックス・オノルドのフリーソロ』【書評】 超人オノルドの素顔に迫りながら、アメリカの登攀史を多角的に知る読み物。 2023.02.17
生命を見つめる哲学的なまなざし『森の来訪者たち 北欧のコテージで見つけた生命の輝き』【書評】 指摘したいのは、ニーナのヒトを特別視しない立場である。生物学者が、人や人に近い霊長類を別格とする世界観であるのと違う。そして「地球上のあらゆるところで生命がうごめいている。私だけでなく、他のみんなも世界の中心は自分だ、と考えているようなのだ」という。 2023.01.23