行程・コース
この登山記録の行程
【1日目】
三峯神社(10:20)・・・妙法ヶ岳分岐(10:37)・・・炭焼平(11:03)・・・霧藻ヶ峰(11:36)・・・お清平(11:51)・・・前白岩山[休憩 20分](12:42)・・・白岩小屋跡(13:12)・・・白岩山(13:32)・・・大ダワ(14:22)・・・雲取山荘[休憩 10分](14:33)・・・雲取山[休憩 20分](15:20)・・・雲取山荘(15:57)
【2日目】
雲取山荘(05:05)・・・大ダワ(05:23)・・・芋ノ木ドッケ(06:07)・・・桂谷ノ頭(07:06)・・・長沢山(07:37)・・・分岐(08:07)・・・行福のタオ(09:26)・・・酉谷山(09:50)・・・酉谷山避難小屋[休憩 20分](10:04)・・・七跳尾根分岐(11:12)・・・大栗山(11:50)・・・巻道分岐(12:18)・・・天目山(三ツドッケ)(12:29)・・・巻道分岐・・・一杯水避難小屋[休憩 20分](12:50)・・・東日原(14:30)
高低図
標準タイム比較グラフ
登山記録
行動記録・感想・メモ
二週連続で長沢背稜を歩いた。さらに濃さを増した緑、秩父側のまだ盛りのツツジに、満天の星空、歩きごたえのある長沢背稜を楽しんできた。
今回は、三峯神社からまず雲取山に登り、雲取山荘に一泊してから、芋ノ木ドッケ、酉谷山、三ツドッケを結ぶロングコース。長沢山で咲き始めたというシャクナゲと、標高の高いところでは先週楽しんだツツジの咲き残りが楽しめるのではないか、素晴らしい長沢背稜の残りがどんなところなのか知りたい、今後の参考に酉谷避難小屋などの様子も見ておきたいというのが狙い。
朝の西武秩父駅のバス停には、驚くほど人が並んでいて、(当たり前だが)奥多摩だろうと丹沢だろうと5月の週末ともなれば、登山者がたくさん押しかけるのだなと認識を新たにした。幸い、増発バスも出て意外にも三峯神社までの75分の道のりは、全員が座っていくことができた。終点には参拝者を相手にした食事処や土産物屋、立派なトイレもある。
<三峯神社に参拝してからスタート>
三峯神社に来るのは初めて。雲取山には鴨沢から登ったことがあるが、三峰の一つとされているそうだから、由緒としてはこちらから登るのが正式なのだろう。せっかくなので、参拝してから登ることにする。それにしても途中の車窓から見えたのは、わずかにダムくらいで他には山ばかりであった。古くから人々は何を感じて、こんなに人里から隔絶した場所に立派な社を築いたのだろうか。登山口の山里は時折びっくりするくらい立派な建物や文化を感じさせるところがあるが、その源となった産業はこの辺りなら養蚕であろうか。人の多くは、平野や川沿いに住むし、現在では交通網も概ね川沿いに発展しているから、山は人と人を隔てるもの。ところが、登山をして山を越えると、地理的知識は別にしても、自分の頭の中では結びついていなかった集落や地域が隣り合っていたことに気づかされる。なお、地名は「三峰」、神社は「三峯」と書き分けられていることに注意したい。三峰は妙法ヶ岳、白岩山、雲取山からなるから、妙法ヶ岳にも登ればよかった。
<秩父側にはまだ盛りのミツバツツジが>
初日は曇天だったが、新緑やまだ盛りのミツバツツジの花を楽しみながら芋の木ドッケへ。先週の長沢背稜では標高1500mあたりのシロヤシオが盛りだった。今週末時点でも三峯神社から雲取山に登るコース(つまり秩父側)では、標高1700mあたりから1850mまでミツバツツジが盛りであった。それより標高が高くなると針葉樹林に植生が変わる。芋ノ木ドッケからは、一度大ダワまで大きく下り、再度盛りのツツジを楽しめるが、雲取山への登り返しがきつい。
一週間前のシロヤシオの盛りの長沢背稜の様子はこちら。
http://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=59867
途中、雲取山荘で受付を済ませ、空荷で雲取山の山頂へ。展望を楽しんで雲取山荘に戻ると、先程まで閑散だったのに大勢の登山者が集まり大賑わい。今日は200名の満員だそうだ。早く小屋に着くのは鉄則だといつも実感してきたが、今回はどうも小屋の手違いで少々厳しいことに。小屋の方も恐縮していたし、お互い様なので詳しくは書かない。まあ、こういうこともあるが、早着き、早立ちはやはり鉄則だ。夕刻から天気は回復し、夕日を愛で、消灯後は満天の星空も楽しめた。
<快晴の二日目>
翌日は快晴。朝日に映える新緑や植生の変化を味わいながら進む。朝食を犠牲にして早立ちしたおかげで、途中で先行していたパーティーを抜いたくらいで、静かな山歩きができる。長沢背稜は、先週歩いた三ツドッケや蕎麦粒山あたりは、まだ人が多い区間で、芋ノ木ドッケから酉谷山あたりはことさら人が少ないようだ。奥多摩のさらに奥とも評される最深部を味わえる。芋ノ木ドッケから長沢山にかけてはやや踏み跡が薄いところ、稜線が痩せたところもあるので注意。桂谷ノ頭から長沢山にかけてシャクナゲの群落があったが、まだ咲きはじめだったのか、花は少なかった。途中、酉谷避難小屋で昼食。トイレも含めて驚くほど綺麗に保たれている避難小屋だ。きっとこの小屋をこよなく大事にしている方々の努力のおかげなのだろう。私もありがたく使わせていただいた。水場の水も冷たくて美味しい。長沢背稜は、展望の乏しさを補うだけのすばらしさが感じられるところだが、この酉谷避難小屋、ハナド岩、三ツドッケ山頂は例外的に展望が良い。
咲き残りのミツバツツジやシロヤシオもまだ見られたが、先週とはやはり比べるべくもない。一週間で随分と雰囲気は変わるものだ。三ツドッケの山頂を踏んで、ヨコスズ尾根を東日原に下った。
<反省点たくさん>
今回は大いに楽しんだ半面、反省点の多い山行だった。
山小屋の混雑を見て朝食を弁当に変えてもらうべきだった。小屋の朝食は5時からだったが、ご来光から戻るとすでに長蛇の列。一回目にありつくこともできない。今回は特に二日目のコースタイムが長く、早立ちが計画上のポイントだった。仕方がないので、小屋での朝食を諦めて、多めに持参していた行動食で済ませた。また、下りでペースが早すぎたらしく、ひざ痛が出かかった。歩幅を小さくしてペースを抑えたところ、痛みも治まり一安心。
<登山道を外れて自ら窮地に>
しかし、一番まずかったと思うのは、七跳山ー大栗山間で登山道を外れて切り立った岩場の稜線に出ててしまい、進退きわまったこと。登山道は東京都側に巻き道としてついているのだが、稜線を辿れば埼玉県側にツツジが見られるかもと進んで、自ら窮地に陥ってしまった。普段はポールを持参しても使わないことが多いのだが、毎週の登山で疲労が蓄積していることは自覚していたし、今日はロングコースなのでポールを手にしていた。岩場なのだから横着せずに直ちにポールを仕舞えば、(そこに踏み込んでしまったのがそもそもの間違いだが)もっと容易にリカバリーできたはずだ。後から振り返れば、明らかにおかしな判断なのだが、疲れているとこうした不合理な判断をすることがあるのは事実だと思う。周囲の様子や地形図から判断して、目の前のわずかな岩場を突破すれば登山道に合流できると判断して進んだが、それも果たして最良の行動だったのかどうか。魔がさすとはこういうことではないか。自戒を込めて書き記しておく。
ルート定数68.7で一泊二日で計画するのが適当だろう。コースは急斜面もあるが、芋ノ木ドッケなどを除けば全般的に良く整備され、私のようにコースを外れたりしなければ危険箇所はない。ただし、芋ノ木ドッケから長沢山あたりはやや踏み跡が薄いところ、登山道が狭く、路肩が崩れかかっている箇所などもあるので注意。ルート定数68.7。主観的なグレーディング7B。
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