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登山を支えるフリーズドライ食品と、疲労軽減のための「新・三種の神器」

アウトライヤー 萩原編集長のヒマラヤ未踏峰挑戦記
ガイド・記録 2020年04月15日

長期の遠征では、胃腸の調子が成功のカギを握るといっても過言ではない! 今回の遠征のために萩原編集長が用意した胃袋にやさしい食糧と、編集長自身がヘビーユーザーだという「三種の神器」を紹介する。

 

感動のフリーズドライ食品

Date 2013年09月29日(日)


今回の遠征を支えてくれている食糧のなかに、アマノフーズのフリーズドライ食品があります。キャラバン中の食事は、「炎の料理人」ジャガティスの、心のこもった食事メニューをいただいていましたが、さすがに標高5200mを越えると油料理は厳しい・・・。

で、BC以上での食事用に用意させていただいたのがアマノフーズのフリーズドライ食品でした。酸素の薄い高所で、頭痛をがまんしながら食べた「にゅうめん とろみ醤油味」の、なんと胃袋にやさしいこと。そして、フリーズドライとは思えないほどの完成度の高い味噌汁の数々。ビーフシチュー、クリームシチュー、香るチキンカレー、そして毎回、全員が配給を楽しみにしていたお汁粉。

標高5200mのB.Cでは、気圧の関係でパッケージはこんなにパンパン……


長期の遠征では、胃腸の調子が成功のカギを握るといっても過言ではありません。その点において、今回はパワーの源として、食べやすくおいしい食事をたっぷりといただけるのはありがたいことです。なかでも底なしの胃袋を持つ学生たちは、雑炊プラス麻婆丼の素などという複合技を駆使しながら大量消費を続行中。頂上アタックまでになくならないよう、配給制限が必要になる日も近いかもしれません。

大量のごちそうを前に喜ぶ現役部員たち

 

「三種の神器」なしには登れない。今回の山行で大量に用意したアイテムとは・・・

Date 2013年09月30日(月)


登山に関する「新・三種の神器」ということばがあります。20年前にはなかったもので、登山を快適にしてくれる3つの新たなアイテム、つまり、ストック、スポーツタイツ、アミノ酸を総称して名づけられました。アミノ酸をサプリメントと読み替えて「登山を快適にする三つのS」と説明することもあります(NHK BS-1 実践! にっぽん百名山では番組収録ではこちらのことばを紹介していました)。

じつはこれ、命名者は私なのです。『山と溪谷』の編集長をつとめていた2001年ごろに、「ストック、サポートタイツ、アミノ酸」を総称して「新・三種の神器」と話をしたのが、この言葉が世の中に広まったきっかけでした。実際に私自身、この三つのアイテムについては「ヘビーユーザー」として、それぞれが出た当時からずっと愛用しています。

ストックについては1990年代にダブルストックとして使い始め、ハイキングの本場、オーストリアのガイドに使い方などを教えてもらい、今やどんな山にも不可欠の存在として使用しています。かのヘルマンブールがナンガ・パルバットに単独で初登頂した際、ピッケルを頂上に残してストックで下りてきた歴史などを振り返ってみても、その有効性はヒマラヤ登山においても高いといえるでしょう。今回ももちろん、愛用の2本を持ってきていて、バテた隊員に貸し出すなど、大活躍しています。

サポートタイツの使用歴も、普通の人よりも長いほうです。こちらもやはり1990年代、スキー雑誌の副編集長をしていた時代に、デモンストレーターの間でワコールのCW-Xが流行っているのを見て、山で使い始めました。こちらも疲労の軽減とヒザ痛の予防に役立つことを実感し、以後、ヘビーな山行を中心に、3種類のタイツを使い分けています。

そして、この3種のなかで、もっとも疲労軽減の効果を実感できるのがアミノ酸です。アミノバイタルを初めて使ったときの驚きは今も忘れることができません。長年、山を歩いていると、「自分はここで必ずバテるはず」というポイントがありますが、アミノバイタル(当時、出たばかりのサンプル商品でした)を服用して登り続けると、いつものバテがいつまでたってもやってこない……。これはものすごく不思議な体験でした。

もともと単純な性格なので、かなりのプラシーボ効果(思い込みによる効き目)があったとしても、カラダは嘘をつけません。これはドーピングではないのか? と、真剣に思ったほどの効き目でした。以来、アミノバイタリスト(と最近は呼ばれるらしい)として、ふだんの山行でも欠かすことなく服用するようになり、今回の山行でも全隊員がアタック期間中に使える分だけ、大量のアミノバイタルを用意しているのです。

ベースキャンプでアミノバイタルの仕分け中

⇒次号/頂上アタックを一週間後に控え、着々と準備を重ねる

教えてくれた人

萩原 浩司

モットーは「ウラヤマからヒマラヤまで」。あらゆる山登りに対して深い興味と愛情を注ぎ、南高尾山稜の陽だまりハイキングから北アルプスの縦走登山、残雪の南会津スキーツアーに奥秩父の沢登り、小川山のフリークライミングや八ヶ岳のアイスクライミング、中央アルプスの冬季登攀、そしてたまには海外登山と、オールラウンドに山を楽しんでいる。普段の仕事は山と溪谷社の編集者。

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