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頂上アタックは約1週間後。準備は当初の計画通りに着々と進む

アウトライヤー 萩原編集長のヒマラヤ未踏峰挑戦記
ガイド・記録 2020年04月18日

遠征はいよいよ頂上アタックに向けた新たなステージへ! C1への荷揚げやC2の高度への順応など、当初の計画通りに準備を進めていく様子をレポートする。

 

安全登山を祈る儀式。依頼していたラマ僧はドタキャン?

Date 2013年09月30日(月)


9月28日、今回の安全登山を祈願してプジャ(お祈り)が執り行われました。

ベースキャンプの裏手の丘に祭壇を作り、タルチョー(経文が書かれたカラフルな旗)を四方に張り巡らせた塔の下に、登攀で使用するピッケルやアイゼン、ヘルメットなどを並べます。それから香を焚き、祈りをささげ、全員でライスシャワーをヒマラヤの空高く放り上げて安全祈願。iPodから流れる「オム・マニ・ペメ・フム」のお経を耳にしながら、おごそかに儀式は進められました。

特設にしては立派すぎる祭壇の前で祈りをささげる隊員たち


本来は下の集落からラマ僧に来ていただく予定だったのですが、「26日から28日のどこかで行くからね」という約束だったにもかかわらず、最終日の今日になっても上がって来ず。仕方なくネパール人スタッフたちが手際よく儀式を進めて下さいました。祈祷料をひとり1500ルピーずつ払っているのに、ドタキャンもアリなのですね。まあ、ブロークン氷河の険しい岩場を登らされるラマ僧さんも気の毒とはいえるでしょうが。

ところで青山学院なのにラマ教のお祈りでいいの? ということはこの際、ほおっておきましょうね。いちおう、讃美歌や聖書の一節のコピーは常に持ち歩いており、お祈りをする体制だけは整えているのです。などと言いながらも、ザックの中には冨士浅間神社のお守りをこっそり忍ばせている隊長なのでした。


タルチョーがはためき、ベースキャンプもにぎやかになった

 

全員でC1に向かう前日、高所順応でC2の高度を体験

Date 2013年10月01日(火)


C1への荷揚げもほぼ終了し、明日(10月1日)、全員でベースキャンプからC1に上がります。ローナクへのトレッキングルートをステージ1とすれば、頂上アタックに向けてのルート工作、並びに荷揚げの期間がステージ2となり、登山計画のなかではほぼ中間地点といったところでしょうか。頂上に至るまで、もどかしいほどのペースに思われるかもしれませんが、これがオーソドックスなヒマラヤ登山スタイル。約1週間後の頂上アタックに向けて、今のところ当初の計画どおりに進んでいます。

昨日はC2の高度を経験するために、C1への荷揚げルートから裏手の山に登り、約5800m地点まで登ってきました。標高を上げるにつれ、BCの東にそびえていた6000m級の山々の背後から、恐ろしいほどの高さにカンチェンジュンガがその姿をあらわしました。世界第3位、標高8598mの存在感は、やはりタダモノではありません・・・。

C1へのルートの途中から、高所順応のために標高5700m地点へ


姿を現わした巨大な峰、カンチェンジュンガ


しばらく5700m付近で滞在したのち、BCへ帰還。夕食時には、新しい高度を体験してきたせいか、高所の影響を受けて食欲不振な者が多数出ました。おぼえたてのネパール語「ワクワク ラギョ」(吐き気がするという意味)を連発しながらも、翌日からの新たなステージにワクワク(日本語の意味で)している隊員たちでした。

なお、ここ、BCでは西側の斜面が開けているため、インド洋上空の衛星を捕らえることができましたが、四方を高峰に囲まれたC1、C2からの通信の可能性は今のところ不明です。今後、しばらくブログの更新が途絶えることがあるかもしれませんが、ご了承のほど、どうぞよろしくお願いいたします。


岩陰にこんな花を見つけました

 

ダバダーでない食後風景

Date 2013年10月02日(水)


高所での水分補給の重要性については誰もが知るところかと思います。で、食後の飲み物も大切な高山病対策のひとつ。日々、飽きないようにいろいろな飲み物を用意しているはずなのですが、入山前にカトマンズで知った驚愕の事実は、私以外にコーヒー好きはひとりもいない……ということでした。

そういえば5月の合宿に同行したときも、現役部員たちの食後の飲み物の選択肢のなかにコーヒーがなかった……。で、コイツはまずい! ぜったいに困る! ということで、カトマンズのスーパーで個人用のネスカフェを用意した次第です。

ネスカフェといっても、あの、「違いがわかる男」たちが、イヤミすぎるほどカッコよく出てくる宣伝で有名な「金色配合」ではなく、普通の「Classic」というヤツです。「違いを気にしない男」にとってはこれで十分でありまして、学生たちがミルクティーを飲みながら食後の「真剣しりとり1時間勝負」に興ずるなか、ひとり、コーヒー片手にこれを書いています。

食後のダバダーでない空間でブログを更新するハギワラ隊長

⇒次号/いよいよ次の局面へ――。アウトライアー南西壁を仰ぎ見る

教えてくれた人

萩原 浩司

モットーは「ウラヤマからヒマラヤまで」。あらゆる山登りに対して深い興味と愛情を注ぎ、南高尾山稜の陽だまりハイキングから北アルプスの縦走登山、残雪の南会津スキーツアーに奥秩父の沢登り、小川山のフリークライミングや八ヶ岳のアイスクライミング、中央アルプスの冬季登攀、そしてたまには海外登山と、オールラウンドに山を楽しんでいる。普段の仕事は山と溪谷社の編集者。

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