北八ヶ岳・蓼科山 降雪後の青空に全方位の大展望を楽しむ
八ヶ岳連峰の最北端に位置する標高2531mの蓼科山。その360度の大展望は折り紙付きです。降雪後の晴天をねらって、雪の蓼科山に行ってきました。
八ヶ岳最北端の蓼科山。美しい山容は諏訪富士とも呼ばれています。岩がゴロゴロと転がる山頂は、八ヶ岳連峰をはじめ浅間山や霧ヶ峰、北アルプスなど360度の展望が広がります。
これから始まる雪山シーズンの足慣らしに向かいました。
足慣らしと冬装備などのチェックをかねたシーズン初めての雪山です。
女乃神茶屋の登山口にはすでに数台の車がありました。登山口にはきれいなトイレがあり、冬季でも一つが使えるようになっていました。
登山口からすぐに樹林帯の急登がはじまり、徐々に積雪が増していきます。ところどころアイスバーン状態で、さらに傾斜が強くなったところで、チェーンスパイクを装着しました。樹林帯の霧氷も期待したのですが、早朝より快晴で、マイナス5℃程度には冷え込んだものの霧が発生しなかったようで、霧氷はごく一部に限られていました。
森林限界を越えるとゴロ石が積み重なった岩場となり、雪の積もった岩溝に足を取られないように注意して登り切ると、広々とした台地状の頂上に出ます。
名物の強風もなく、槍・穂高連峰など北アルプス、南アルプスをはじめとする山々の、ブルースカイを背景にした360度の大展望を楽しむことができました。
下りは、練習もかねてアイゼンを装着し、2110m地点付近で脱ぎましたが、部分的に雪が凍って残ったところと、溶けてぬかるんだところが入りまじり滑りやすく、慎重に行動する必要がありました。(取材日=2016年12月3日)
プロフィール
奥谷晶
30代から40代にかけてアルパイン中心の社会人山岳会で本格的登山を学び、山と溪谷社などの山岳ガイドブックの装丁や地図製作にたずさわるとともに、しばらく遠ざかっていた本格的登山を60代から再開。青春時代に残した課題、剱岳源次郎尾根登攀・長治郎谷下降など広い分野で主にソロでの登山活動を続けている。2013年から2019年、週刊ヤマケイの表紙写真などを担当。2019年日本山岳写真協会公募展入選。現在、日本山岳写真協会会員。
今がいい山、棚からひとつかみ
山はいつ訪れてもいいものですが、できるなら「旬」な時期に訪れたいもの。山の魅力を知り尽くした案内人が、今おすすめな山を本棚から探してお見せします。