フィギュアスケートの選手が、「高速スピン」をできるワケ

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ケプラーさんに聞く、発見のきっかけ

イラストレーション/meppelstat

――角運動量保存則は、天体の運行の観察をきっかけとして発見されたと考えていいでしょう。第一発見者としてはヨハネス・ケプラーさんが挙げられます。

ケプラー:天体の運行に関しては、コペルニクスさんの地動説が唱えられてはいました。しかし宗教的な影響も強く、「地球が宇宙の中心にあり、その周りを他の惑星や太陽が回転する」とした天動説がまだまだ根強かったのです。

――当時はなかなか地動説の考えが浸透しなかったとか。

ケプラー:精密で長期にわたる惑星の天体観測結果をもとに、ようやく天動説に終止符を打ちましたよ。私の説では天体の運行を本当にうまく説明できたんでね。

――ケプラーの法則とはどのようなものですか?

ケプラー:第1法則は「惑星が太陽の周りの楕円軌道を回る」というものです。そして第2法則で「太陽と惑星を結んだ線が一定時間に通過する面積が常に一定である」ということを明らかにしたのです。これを「面積速度一定の法則」というのですが、これがまさしく「角運動量保存則」そのものなんですよ。第3法則は回転の周期と回転半径に関するものです。

――その後、ニュートンさんがケプラーの法則から角運動量保存則を理論的に確立したんですね。

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