フィギュアスケートの選手が、「高速スピン」をできるワケ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

物理法則を知ると世界を見る目が変わる

手の上に、リンゴを乗せてみてください。リンゴが手を押していると同時に、手がリンゴを押しているのを感じますか? 手がリンゴから押されるのを感じても、手がリンゴを押し上げているのは感じにくいでしょうね。

物理を学ぶと最初に出てくるのは、力学。力学が難しい最大の理由は「力」が見えないことです。別の言い方をすれば、手とリンゴの間の力の関係は、「科学の目」、つまり「運動の第3法則(作用反作用の法則)」で「見る」ことで、見えてきます。

私たちが他の物を押したり引っぱったりしたら、いつも私たちとその物の間に力が相互に作用し合っています。このとき「作用と反作用は常に逆向きで同じ大きさである」。ニュートンはそれを見抜きました。

科学者たちは幾多の失敗を重ねながらも、「科学の目」と、観察・実験による洞察で、法則や原理を発見してきたのです。

本書は、50の物理法則・原理を読み進めることで、物理学の基本を楽しく、しっかり理解できる一冊です。

物理学というと、教科書は無味乾燥で苦手だったという声を聞くことが少なくありません。

しかし、歴代の多くの科学者たちも、前述のような身の回りの素朴な疑問から始まって、重要な法則や原理を発見してきました。

そんな科学者たちの情熱や息づかいを感じていただきたく、本書はそれぞれの法則・原理の解説を科学者への架空インタビューから始めています。

また、抽象性が高い物理の原理を理解しやすいように、meppelstattさんの楽しいイラストと、説明図、多数の補足コメントを入れました。発見者である科学者と一緒に、読み進めてもらえることと思います。

法則や原理が現代の暮らしのさまざまな場面で、どのように役立っているかについても触れました。まさに「世界は物理法則で成り立っている」ことを、実感していただけると思います。

 

(本記事は『始まりから知ると面白い物理学の授業』からの抜粋です)

 

『始まりから知ると面白い物理学の授業』

歴代の科学者とともに、50の重要な物理法則・原理が楽しく理解できる一冊。 モノはどうやって動くのか?気体や液体の不思議な特徴とは? 電磁気やエネルギーはどう働いている?時間や空間が成り立つのはなぜ? 物理学を知ると世界のしくみが見えてくる!


『始まりから知ると面白い物理学の授業』
著者:左巻健男
発売日:2020年12月2日
価格:本体価格1700円(税別)
仕様:A5判328ページ
ISBNコード:978-4635130110
詳細URL:http://www.yamakei.co.jp/products/2819130110.html

amazonで購入 楽天で購入


【著者略歴】
左巻 健男(サマキ タケオ)
1949年生まれ。東京大学教育学部附属中・高等学校(現:東京大学教育学部附属中等教育学校)教諭、京都工芸繊維大学教授、同志社女子大学教授、法政大学生命科学部環境応用化学科教授、法政大学教職課程センター教授などを歴任。 東京大学講師。中学校理科教科書(新しい科学)編集委員。専門は理科教育。 大学生への講義、理科の先生への理科教育の指導のほか、ときに小学生に授業をしたり、一般向けに「ニセ科学の見破り方」などの話をしている。 『面白くて眠れなくなる物理』『面白くて眠れなくなる化学』『面白くて眠れなくなる人類進化』(以上、PHPエディターズ・グループ)、『新しい高校化学の教科書』(講談社ブルーバックス)、『暮らしのなかのニセ科学』(平凡社新書)、『身近にあふれる「科学」が3時間でわかる本』(明日香出版社)など著書多数。

1 2 3

Special Contents

特別インタビューやルポタージュなど、山と溪谷社からの特別コンテンツです。

編集部おすすめ記事