ハクサンコザクラ咲き始める湿原と池塘をめざして残雪の会津駒ヶ岳を行く

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

残雪が消え始めると、いよいよハクサンコザクラなど雲上の花園が開幕する会津駒ヶ岳。静かな湿原と池塘群を求めて中門岳まで足を延ばしました。

 

尾瀬国立公園内にある会津駒ヶ岳。稜線上には池塘が点在し、特に会津駒ヶ岳から中門岳への稜線は、ハクサンコザクラをはじめイワイチョウやワタスゲ、チングルマなどが咲く花の楽園として知られています。

 

モデルコース:滝沢登山口~会津駒ヶ岳~中門岳(往復)

 

コースタイム:日帰り約8時間5分

⇒会津駒ヶ岳周辺のコースタイム付き登山地図

登山口からはいきなりの階段の急登です。樹林帯の中をゆっくり登ります。

滝沢登山口。登山ポストあり

 

空は曇っていますが、見通しはあります。展望が開けるところまで来ると下は雲海でした。

イワナシ、イワカガミ、サンカヨウ、ミツバオウレンなどがちらほら。樹林帯を過ぎると湿原と池塘の脇を木道が延びていき、駒の小屋から稜線へつながっています。

湿原を横切る木道の先に駒の小屋が見えてきた

 

下の湿原では期待のハクサンコザクラがちらほら咲き始めていました。木道脇にも数株が咲き始めています。あと1〜2週間もすると大群落が姿を見せるでしょう。

ハクサンコザクラ

 

このときはチングルマはまだ咲いていませんでしたが、いっせいに咲き始める時期も近いと思われます。

駒の小屋周辺は残雪がまだたっぷり。大池はほとんど雪の下。小屋の前で一休みして駒ヶ岳山頂へ向かいます。

駒の小屋周辺は残雪たっぷり

 

中門岳へは、気持ちの良い、なだらかな天空の散歩道。主に残雪、時々あらわれる木道を行きます。

中門岳への稜線。まだまだ残雪が続き、木道はところどころ出てくる

 

駒の小屋から中門岳への湿原を彩るショウジョウバカマ

 

湿原にはショウジョウバカマがあちこちで見られます。池塘群の先には雲海がひろがり、雲の切れ間からは、燧ヶ岳など尾瀬の山々が見渡せます。

池塘群の先には燧ヶ岳の姿もくっきり

 

帰路はピストンで下山しますが、下の湿原では、朝方より数を増して開花したハクサンコザクラをじっくり撮影しながらのんびりとくだりました。

プロフィール

奥谷晶

30代から40代にかけてアルパイン中心の社会人山岳会で本格的登山を学び、山と溪谷社などの山岳ガイドブックの装丁や地図製作にたずさわるとともに、しばらく遠ざかっていた本格的登山を60代から再開。青春時代に残した課題、剱岳源次郎尾根登攀・長治郎谷下降など広い分野で主にソロでの登山活動を続けている。2013年から2019年、週刊ヤマケイの表紙写真などを担当。2019年日本山岳写真協会公募展入選。現在、日本山岳写真協会会員。

今がいい山、棚からひとつかみ

山はいつ訪れてもいいものですが、できるなら「旬」な時期に訪れたいもの。山の魅力を知り尽くした案内人が、今おすすめな山を本棚から探してお見せします。

編集部おすすめ記事