“登らない”親子登山の秘密兵器!自然観察7つ道具を持っていこう!
はじめての親子登山に疑問はつきもの。子どもの野外体験や野外教育を手がけるアウトドアプロデューサーの長谷部雅一さんが、子どもと山に登る楽しみや成功のヒントを紹介します。
秘密兵器で子どもと遊ぶのもひとつの手
子どもと山に来て、登らない山登りを一緒に楽しもうといろいろな方法を試行錯誤。長い目で見れば最高の手法と感性が磨かれるものの、トライ&エラーの繰り返しでどうしてもなかなか即効性はありません…。
今まで紹介してきた考え方を継続実践しつつも、今ここで子ども達と山道を楽しむために秘密兵器を紹介します。これから紹介するアイテムは、「軽い」「コンパクト」を大切に、親の身体の負担を減らしつつも、子どもと一緒に山の自然をいつもの何倍も楽しく発見、感動、学びが増えるものばかりです。
もちろん道具頼みだけにはならない、親子のコミュニケーションも生まれるアイテムです!
自然観察7つ道具
ポイントはあくまでも軽くてコンパクトが大切。これから紹介するアイテムを参考に、みなさんもいろいろ揃えてみてください。
1:虫眼鏡
いつもの葉っぱ、いつもの虫も、虫眼鏡を通すと発見が増えます。実は虫眼鏡は倍率は重要ではありません。虫眼鏡という枠を通してものを見ることで、視点が1点に集中できることで、面白い発見ができます。
コツは虫眼鏡を目にくっつくぐらい近づけて、対象物がしっかり見えるくらい顔を近づけるように使うことです。
もっとコンパクトにしたい!そんなひとは、100円の虫眼鏡の枠を外してレンズだけ持っていくのもおすすめ。
2:ルーペ類
実際に対象物を拡大して見たいときはこれ。5倍、10倍と、対象物をかなり大きく見ることができます。これを使えば昆虫の顔をみたり、花の花粉を見たりと、“普段見えないモノが見える”という大人も子どもも興奮の楽しさがあります。
使いかたのコツは、虫眼鏡と同じです。
3:ミニ顕微鏡
「もっと見えないモノが見たい!」そんな時はミニ顕微鏡がおすすめ。昆虫の口元の食べ残しや葉っぱの細かい毛の形まで見ることができます。この面白い世界に入り込んだら、もう10m進むのに1時間かかるかもしれません!
市販されているどのタイプもミニ顕微鏡を使うには少しコツがいります。そこは大人が上手にセットしてあげましょう。
4:単眼鏡
単眼強は、遠くのモノを大きく見たいときにつかう道具。双眼鏡の片方バージョンと思って大丈夫です。おすすめの理由は、双眼鏡よりも合わせる作業が少ないこととコンパクトなモノが多いこと。
ちなみに、僕が愛用しているものは、写真下のパーツをつけると高倍率で小さなものを観察することができます。
もちろん、小型の双眼鏡を持っていくのもOKです。双眼鏡の良さは、まず“使っている感”があること。持つだけで気分が上がるのもまた子どもと遊ぶ大切な要素です。
5:観察ケース
捕まえた陸生、水生昆虫や生き物を観察するためのケース。ケースに入れることで、対象物を上下左右様々な方向から観察することができるので、より楽しく観察することができます。
写真の様なケースで無くても、透明のジャム瓶やケースなどでも大丈夫です。ポイントは、あまり大きすぎて中で生き物が動き回れるようなものは避けること。
6:竹のピンセット
小さな生き物を挟んで押さえ、ルーペ類で観察するときに便利。ポイントは竹製であること。金属製はちょっと力が入ると生き物を潰してしまうこともありますが、竹製のピンセットはしなるため、それを軽減することができます。
7:ナイフ
山に行くときは必ず持っていくべきアイテムに入っているナイフ。実はこれも最高の自然観察アイテムです。おすすめの使い方は、花のつぼみや木の実を“一刀両断!”してみることです。
花のつぼみは、花が咲く前につぼみの中では何が起こっているのかが見られます。
木の実は、特にドングリを一刀両断にするのがおすすめ。割って中を見てみると、ドングリ虫が現れたりします。どれも外からは見ることができないモノが見えるという、大人も子どもも興奮の瞬間が待っています。
※自然物の採取類は、フィールドのルールに従って楽しみましょう。
今回紹介した道具全てを持っていく必要はありません。自分が子どもと楽しみたい!そう思えるアイテムだけを厳選するのもおすすめです。
また、子どもが使う以上「壊れる」ことを前提に用意することを心がけましょう。高価な物を子どもに壊されてイライラ…なんて、本末転倒です。大人と子どもの精神安定上、安めのもので揃えるのがポイントです。
今回紹介した秘密道具を持って、親子登山を楽しんでください!
「夏休みは子どもと山に行こう!」オンライン講習会のアーカイブを公開中!
動画の中でも、今回紹介した道具の使い方を紹介しています。ぜひチェックしてください。
プロフィール
長谷部雅一
アウトドア・プロデューサー。アウトドア系プロジェクトの企画・コーディネート・運営のほか、幼稚園や保育園のコンサルタント業務も行なう。『アウトドアファブリック大全』(グラフィック社)、『自然あそびで子どもの非認知能力が育つ』(東洋館出版社)、『ネイチャーエデュケーション』(みくに出版)など著書多数。
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はじめての親子登山のヒント
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