尾瀬「原の小屋」もいよいよ営業開始。ラジオに出演して、尾瀬の魅力、山小屋のことをお話ししました

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燧ヶ岳の懐に抱かれた尾瀬見晴地区に佇む「原の小屋」新管理人から、尾瀬のこと、人のこと、山小屋のことなどをお届けします。第14回は、ラジオ番組「山小屋ストーリーズ」の収録の雰囲気をお伝えします。

燧ヶ岳の懐に抱かれた尾瀬見晴地区に佇む「原の小屋」新管理人から、尾瀬のこと、人のこと、山小屋のことなどをお届けします。第14回は、ラジオ番組「山小屋ストーリーズ」の収録の雰囲気をお伝えします。

文・写真=髙妻潤一郎

本格的な小屋入り前の時期に、Interfmの番組「山小屋ストーリーズ」の収録のために麴町にあるエフエム東京を訪れた。憧れのラジオ局入りであり、見るものすべてが新鮮でドキドキしながらの体験であった。私たちの隣のブースでは生放送中の様子を見ることもできて、気分はとても高揚していた。

愛知県出身の私は、中学・高校生時代、「FM愛知」を聞いて育った。毎日「FMバラエティ(通称〝Fバラ〞)」を聞くのが楽しみであり、日課でもあった(小夜子さん、今もお元気かなぁ・・・。ご存じない方はごめんなさい)。そんなFMっ子の私には、まさに憧れの体験であった。

「山小屋ストーリーズ」。タイトル通り「山小屋」にまつわる物語を、そこで働く人たちと対話方式で紹介していく番組である。収録内容については事前にディレクターさんから質問事項をいただき、Zoomによるオンラインでその質問の内容について細かく打ち合わせを行なった。さらに本番前にもパーソナリティーの矢部華恵さんも交えて軽い打ち合わせをしたのちに収録といった具合である。当日は打ち合わせ後にいただいた台本にそって華恵さんと対面で進めていき、2時間30分ほどかけて30分番組の2週分の収録を行なった。決して浮かれ気分で臨んでいたわけではないが、台本を手に徐々に緊張感が増していった。

尾瀬・原の小屋

収録が行なわれるエフエム東京の玄関前で。
ほぼ東京見物人でした(笑)

「矢部華恵がお送りする、山小屋ストーリーズ、今日のお話は尾瀬、原の小屋の管理人・・・」

収録が始まった。私の紹介のあと、次々と質問が繰り出されていく。「尾瀬の魅力は」「原の小屋の魅力は」「あなたにとって山小屋とは」などなど、いざ答えようとすると意外と難しい。2022年の小屋入り前に改めて自分自身に対して言い聞かせるつもりで、どの質問にも答えていった。

小屋開け準備の話や今年の新しいスタッフの話などから始まり、私がどのようにしてこの「原の小屋」で仕事をすることになったのかなど、第6回の放送は私のちょっとした履歴書となった。翌週の第7回の放送では尾瀬の魅力の話を中心に少しは尾瀬の宣伝ができたかと思う。放送でもお話をさせていただいたが、「原の小屋」がある見晴地区はどの登山口からも10㎞程度の距離があり、尾瀬全体の中心部分にあたる。決して木道のハイキングと簡単に考えてはいけない。しかしそんな最奥の地であるからこそ自然豊かな場所であり、魅力のある場所でもある。皆さんも「私の尾瀬」を見つけて、ぜひご自身の目、そしてカメラでその景色をとらえてほしい。今回の放送終了後は番組を再編集してディレクターズカット版でYouTubeの山と溪谷ch.(第6回 前半第7回 後半)にもアップされるとのこと。楽しみである。

尾瀬・原の小屋

収録終了後にパーソナリティーの矢部華恵さんと記念写真

おかげさまで無事に放送も終わり、ほっとしている。聴いてくださった友人知人からも好評価をいただくことができ、私なりの放送後記とさせていただいた。

今年は昨年と比べると雪が多く、除雪作業だけでなく雪害の補修作業もあるため、小屋開けの作業もなかなか思うように進まない。そんな雪と格闘しながらの小屋開け準備の中、今年のスタッフとともに自分の出演したラジオが聴けるとは感無量である。だがいよいよあと数日に迫る営業開始の日へのカウントダウンに少々焦りもあるのが現実だ(汗)。

山と溪谷2022年7月号より転載)

 - 尾瀬 - 原の小屋 OZE ・ HARA NO KOYA

尾瀬「原の小屋」

本州最大級の高層湿原、尾瀬ケ原が広がり、日本百名山にも数えられる燧ヶ岳と至仏山の2座を有する特別保護地区、尾瀬国立公園。原の小屋は、ブナの原生林が広がる燧ヶ岳の山麓、6軒の山小屋が集まる福島県檜枝岐村見晴地区(下田代十字路)にあります。長きにわたり、厳しい冬の風雪にも耐えてきた重厚な建物の中は、静かで温かい山の時間が流れています。


宿泊料金と予約について

山小屋直通電話:090-8921-8314
http://www.oze-haranokoya.com/
https://www.facebook.com/haranokoya/

※2022シーズンの営業を開始しました。みなさまのお越しをお待ちしております。

- 尾瀬 - 原の小屋 OZE・HARA NO KOYA

尾瀬「原の小屋」

本州最大級の高層湿原、尾瀬ケ原が広がり、日本百名山にも数えられる燧ヶ岳と至仏山の2座を有する特別保護地区、尾瀬国立公園。原の小屋は、ブナの原生林が広がる燧ヶ岳の山麓、6軒の山小屋が集まる福島県檜枝岐村見晴地区(下田代十字路)にあります。長きにわたり、厳しい冬の風雪にも耐えてきた重厚な建物の中は、静かで温かい山の時間が流れています。
※2022シーズンの営業を開始しました。みなさまのお越しをお待ちしております。


山小屋直通電話:090-8921-8314
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プロフィール

髙妻 潤一郎

1964年、愛知県生まれ。日本山岳ガイド協会認定登山ガイド ステージⅢ。アルパインツアーサービス(株)、山岳写真家の故白簱史朗氏の助手を経て、2005年から15年間、南アルプスの山小屋の管理業務に携わる。2020年尾瀬・原の小屋の管理人に就任。
http://www.oze-haranokoya.com/

- 尾瀬 - 原の小屋 管理人便り

“尾瀬のおへそ”とも言うべき見晴地区に佇む「原の小屋」。60年以上の長きにわたり営業を続けているこの山小屋に、2020年、新しい管理人がやってきた。本連載では尾瀬のこと、人のこと、山小屋のことなど、新管理人から日々のたよりをお届けする。

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