柔軟性を身につけよう!|登山者のための肉体改造塾(1)
もっと健康的で、タフな登山ボディをめざして。さまざまなお悩みに、肉体改造の達人が答えます。
文=芳須 勲、イラスト=平のゆきこ
昔から体が硬いのが悩みです。
登山にも悪影響だと思うのですが……
鉄のよろいを着て山に登るようなもの。
体に大きな負荷がかかります。
動きが制限されて疲労や転倒につながる

柔軟性は加齢とともに低下しやすく、ベテランの登山者でも太ももの裏側の筋肉(ハムストリングス)の柔軟性不足が多くみられます。体が硬いと関節の可動域が小さくなり、動作の抵抗となるため疲労しやすいのです。柔軟性があれば今よりもっと楽に、安全に山に登れるでしょう。
ショックが吸収できず思わぬケガをすることも
ハムストリングスは主に登りで使われますが、下りのときにも地面からのショックを股関節で吸収したり、歩幅を調節したりといった補助的な役割で使われます。柔軟性が足りないと、バランスを崩して大きく前に踏み出したときに無理なテンションがかかり、肉離れを起こすことがあります。
【実践1】
柔軟性を無理なく高めるには?
焦らず、無理せず、のんびりと。リラックスしながら毎日続けることが大切です。
反動をつけずにゆっくりと筋肉を伸ばし、20秒程度維持する「静的ストレッチ」が最適です。入浴中やお風呂あがりに体が温まってリラックスした状態で行なえば、安眠効果も。

痛くならない程度にゆっくりと筋肉を伸ばします。筋トレと同じように、数セット繰り返すことで効果が上がります。毎日の生活のなかでルーティン化して続けていきましょう。

【実践2】
タオルを使ってストレッチしてみよう!
段階的に強度が変えられるので、体が硬い人でも、無理なく続けることができます。
仰向けに寝た状態から、片方の膝を曲げて足を持ち上げ、足先にタオルをかけます。ゆっくりと膝を伸ばしていき、呼吸は止めずに20秒キープ。左右3セット行ないます。

少しずつ脚を伸ばしていきましょう
自分の体の硬さに応じ、タオルの長さや足を上げる角度を調整します。最終的には、つま先を自分に向け、膝を伸ばした状態で90度よりも頭側に引きつけられるようにしましょう。

タオルは短く持つほど強度がアップ
(山と溪谷2022年9月号より転載)
プロフィール
芳須 勲さん(登山ガイド、健康運動指導士)
よしず・いさお/いきいき登山ガイド・ヤッホー!!さん。として活動。管理栄養士の資格も持つ。「登山で健康づくり」をモットーに運動・食事指導・山の安全管理を柱とした登山プログラムを提案している。
登山者のための肉体改造塾
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