暑さ・寒さに強くなろう!|登山者のための肉体改造塾(3)
もっと健康的で、タフな登山ボディをめざして。さまざまなお悩みに、肉体改造の達人が答えます。
文=芳須 勲、イラスト=平のゆきこ
夏山の暑さも、秋冬の寒さもニガテ。
改善できるでしょうか?
防衛体力を身につけて、
厳しい山岳環境に順応しよう!
防衛体力とは、多様な ストレスに対する抵抗力
登山は自然の環境下で行動するため、室内スポーツに比べて天候・気温などの影響を大きく受けます。暑さや寒さに弱いと身体能力を発揮できないこともありますので、自然環境からのストレスに抵抗し、順応していく能力(防衛体力)を向上させて、より安全で快適な登山を楽しみましょう。

装備を整えて、防衛体力をサポートする
肉体改造というテーマからは外れますが、防衛体力は「装備」や「知識」によって補うことができます。環境に適応したウェアの組み合わせ(レイヤリング)で気温の変化から身を守ったり、行動食で体温調節に必要な栄養を補充したりすれば、熱中症や低体温症の予防につながります。

【実践1】
生活習慣を整えよう
早寝早起きを心がけ、生活のリズムを整える
最も大切なことは日常の体調管理です。慢性的な疲労や睡眠不足、精神的ストレスが溜まっていると、環境の変化に体が順応できず、熱中症や低体温症をおこしやすくなります。

【実践2】
食生活を見直そう
腸活で自律神経を整えて、体温調節をスムーズに
腸内環境を整えるためには、バランスのよい食事が大切です。ヨーグルト、キムチ、納豆などの発酵食品と、野菜、海藻、オートミールなどの食物繊維を摂取しましょう。

【実践3】
何度も山に登ろう
暑さ・寒さに対する抵抗力を身につける
日頃から暑さ・寒さに身を慣らすことも必要です。無理のない範囲で、暑さ対策では5月ごろから、寒さ対策では10月ごろから定期的に山に登り、徐々に体を順応させましょう。

【実践4】
筋トレをしよう
筋肉を増やし、熱中症や低体温症を予防する
筋肉が増えると体内の水分が多くなるので、夏場に脱水を起こしにくくなります。また、筋肉が熱を作り出す熱産生によって、冬場の低温環境でも体温を維持しやすくなります。

(山と溪谷2022年11月号より転載)
プロフィール
芳須 勲さん(登山ガイド、健康運動指導士)
よしず・いさお/いきいき登山ガイド・ヤッホー!!さん。として活動。管理栄養士の資格も持つ。「登山で健康づくり」をモットーに運動・食事指導・山の安全管理を柱とした登山プログラムを提案している。
登山者のための肉体改造塾
もっと健康的で、タフな登山ボディをめざして。 さまざまなお悩みに、肉体改造の達人が答えます。
こちらの連載もおすすめ
編集部おすすめ記事

- 道具・装備
- はじめての登山装備
【初心者向け】チェーンスパイクの基礎知識。軽アイゼンとの違いは? 雪山にはどこまで使える?

- 道具・装備
「ただのインナーとは違う」圧倒的な温かさと品質! 冬の低山・雪山で大活躍の最強ベースレイヤー13選

- コースガイド
- 下山メシのよろこび
丹沢・シダンゴ山でのんびり低山歩き。昭和レトロな食堂で「ザクッ、じゅわー」な定食を味わう

- コースガイド
- 読者レポート
初冬の高尾山を独り占め。のんびり低山ハイクを楽しむ

- その他
山仲間にグルメを贈ろう! 2025年のおすすめプレゼント&ギフト5選

- その他