知りたいけど聞きづらい登山用アンダーウェア事情。シーン別のオススメは？

ウェアや帽子、手袋やザック、外見で分かる部分は山先輩を真似できるけど、アンダーウェアってみんなどうしているの…？ 山の遊び方で着るアンダーウェアは替えたほうがいい？そんな気になるアンダーウェアについてのあれこれを、好日山荘 福元さんに聞いてみた。

「暑がりさん」か、「寒がりさん」かによります

編集部N：ハードシェルなどのウェアや手袋、帽子は先輩やまわりの登山者の服装を参考にできますが、アンダーウェアは見えないし、なかなか聞きづらいところがありますよね。ということで、今回はアンダーウェアの選び方のポイントについて伺いたいと思います。

福元さん：アンダーウェアは山でどんな遊びをするのかと、その人が「暑がりさん」か、「寒がりさん」かでオススメするものが変わってきますね。

編集部N：なるほど。

福元さん：例えば低山ハイキングに行くような場合は動きも少なくなるので、ミズノの「ブレスサーモ」のような汗に反応して暖かくなるような素材や、保温性の高い中厚から厚手のメリノウール素材のシャツがオススメです。

編集部N：「ブレスサーモ」というのは、どういう素材なんですか？

福元さん：ブレスサーモは、水分を吸収して発熱する素材です。人は自分でも気づかないうちに体から水分を放散しているので、その水分を吸湿して素材が発熱します。効果を実感いただけるように、実際にお店で試すことができる実験キットがあるのですが…。

売り場では水で濡らすことで発熱する様子が分かる発熱実験キットが置かれていた

編集部N：（発熱実験キットを試してみて）あ、暖かい！

福元さん：ミズノの「ブレスサーモ」以外にも、ザ・ノース・フェイスの「テックアンダー」シリーズは遠赤外線で自然なぬくもりが続く高機能素材「光電子」を使っています。保温性が高いので、冷え性で困っている女性の方にもオススメですね。

編集部N：標高1,000m以上の標高の山に登りたい場合や、アイスクライミングのように激しい動きを伴う場合はどうでしょうか。

福元さん：ミレーの「ドライナミックメッシュ」やファイントラックの「アクティブスキン」を着たうえで、中厚のメリノウールシャツを着ると良いでしょう。汗を肌から離してくれるので、汗戻りを防いで体が冷えにくくなります。暑がりの方にも、この組み合わせがオススメです。

ファイントラックのアンダーウェア

メリノウールシャツ（左）とドライナミックメッシュ（右）の組み合わせ

編集部N：パンツの下に履くタイツについてはどうでしょうか。

福元さん：タイツもシャツと同様のことが言えます。背中からお尻までが蒸れやすいので、汗冷えしないようなメッシュのタイツや、保温性のあるメリノウールのタイツで調整するといいと思います。膝をサポートするためのタイツを履きたいけれけど、汗で冷えてしまったり、濡れた感じが苦手だったりする方もいると思います。保温性や快適性を重視するのであれば、膝はテーピングにして厚手のメリノウールのタイツなどを履くといいでしょう。

休む時に着る専用ウェア、「リカバリーウェア」とは？

福元さん：こんな製品もありますよ。ベネクスが販売している休む時に着用する「リカバリーウェア」というものです。

編集部N：これはどんな効果があるんですか？

福元さん：ナノプラチナなどの鉱物が繊維に練り込まれており、身につけていると副交感神経が優位になって、リラックス効果が出るんです。疲れの回復を早めてくれて、人によっては身に付けただけで眠くなるくらいの効果があります。

編集部N：え？ 本当ですか？

福元さん：「嘘みたいだけど、本当の話だから！」って、立ち仕事をやっている友人から勧められて以来、私も使っています。感じ方は人それぞれですが、身に付けているとすごく暖くなって、寝付きが良くなるんです。私の場合は、以前は布団に入っても1時間くらいは寝付けなかったんですが、最近はぐっすりと眠れるようになりました。

編集部N：山に行くまでの移動中や、山小屋で過ごす時に良いかもしれませんね。

福元さん：血流が良くなるので、目の下にくまもできにくくなって、美容にも良いですよ。休む時のアンダーウェアとして、ぜひ使ってみてください。タイツやネックウォーマーとして使える2WAYコンフォートは、かさばらないので山でも使いやすいと思います。

編集部N：2WAYコンフォートはコンパクトに持ち運べて良さそう。

福元さん：首元を温めておくと乾燥対策にもなります。また、2WAYコンフォートの口を締めれば帽子にもなるし、目を覆えばアイマスクにもなります。頭にも毛細血管が通っているのでリラックス効果が期待できますし、目を隠して眠りにつきやすい環境を作るのにも、一役買ってくれるでしょう。

編集部N：いろんな使い方ができて便利そうですね。行動中のウェアに目が行きがちですけど、休みを快適に過ごすためのウェアにも気を使いたいです。