富士山の展望を求めて高尾山散歩 山麓のカフェで山の余韻を味わう

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四季折々の楽しみがある山、高尾山。富士山の展望を求めて山頂をめざし、下山後は山麓のカフェで山の余韻をしみじみと噛み締めた。

写真・文=西野淑子

 

写真の説明

高尾山山頂、大見晴園地から富士山が眺められた

11月半ば、久しぶりの高尾山。秋が深まり気温が下がってくると、富士山の展望を求めて高尾山に向かう。紅葉はどうだろうか、山頂で富士山は見えるだろうか、頭に雪をかぶっていたらよいのだけど。ワクワクしながら山に向かう。ケーブルカーに乗り、1号路を歩いて山頂へ。

登山道は相変わらずたくさんの人で賑わっている。山頂の大見晴園地からは富士山をはじめ、周囲の山々もくっきり。富士山が雪をかぶるのはもう少し先だったか。でも、これだけ眺めがよければ問題ないや。景色を満喫し、稲荷山ルートで下山。稲荷山展望台からの関東平野の眺めもバッチリ楽しめた。

 

モデルコース: 高尾山

 

コースタイム:高尾山駅(20分)薬王院(30分)高尾山(40分)稲荷山展望台(40分)高尾山口駅 合計2時間10分

アクセス:京王線高尾山口駅から徒歩5分、清滝駅から高尾登山電鉄ケーブルカーで6分、高尾山駅下車

山や森をイメージ? 遊び心を感じるパフェ

心地よく歩いて、高尾山口駅に到着。ちょっとお茶でもして帰ろう。

高尾山グルメといえば「とろろそば」だけど、高尾山口駅周辺はしゃれた雰囲気のカフェが増えている。おいしいコーヒーを飲みながら、山の余韻を味わえたら素敵だな。少し前から行ってみたかったカフェに足を運んだ。

高尾山の魅力をさまざまな形で「共有」できるミュージアム「TAKAO 599 MUSEUM」。高尾山の自然や文化を映像や展示で紹介するだけでなく、登山に関する情報なども発信する施設だ。ミュージアムの館内にある「599CAFE」が、今回のお目当て。

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周囲の景観に合いながらもモダンな佇まい

明るいガラス張りの館内。入ってすぐの場所がカフェスペース、奥が展示や映像のコーナーになっている。日差しが降り注ぎ、窓の外には芝生の広場が広がっているのがいい感じ。カフェスペースは多摩産材のテーブル席と、窓に面したカウンター風のテーブル席がある。テーブルの間隔が広くとられ、ゆったり楽しめそうなのがうれしい。

はじめに入口のレジでオーダー。コーヒーはドリップとサイフォンの2種類、サイフォンにしてみようかな。スイーツはケーキやワッフルが美味しそうだな…と思いつつ、気になってしまった「高尾山パフェ」を注文。その場で供されたパフェを持って、窓に面した席に腰掛けた。

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高尾山パフェ650円。緑と茶色で森っぽい雰囲気

パフェが思ったより大きくて驚く。もう少し小さい…ミニサンデーみたいな感じかと思っていた。 バニラのソフトクリームに抹茶と抹茶シロップがかかっているのは、緑豊かな高尾山の森をイメージしているのだろうか。あんこも添えられている。華やかなフルーツのトッピングはなく、彩りが「山のパフェ」っぽくておもしろいなと思いつつ一口。…甘過ぎず風味の豊かなソフトクリーム、美味しいじゃないか。抹茶シロップもちょうどいい甘み。さらにあんこと一緒に食べてみる。ソフトクリームとあんこ、合うよねえ…。あんこの甘みも上品で好きな感じだ。

パフェに感動しているうちに、コーヒーが登場。サイフォン、かわいいなあ…。コーヒーカップに注ぎ、一口。クセ弱め、飲みやすくスッキリとした味わい。サイフォンは1.5杯分。ゆっくり味わえるのがうれしいな。パフェを食べ終わってからも、まだ残っているコーヒーをゆっくり味わう。

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サイフォンコーヒー550円。たっぷり1.5杯分

顔を上げると目の前には芝生の広場、そして低い山々の連なり。芝生の広場では家族連れや山帰りの人たちが思い思いにくつろいでいるのが見える。なんとも心地よい場所。山帰りに立ち寄ってちょっと気分転換して帰るのもいいし、ここでゆっくり時間をとって、お茶をしたりミュージアムのプロジェクションマッピングを見たり、芝生の広場でくつろいでも気持ちいいだろうなあ。

コーヒーを飲み終え、穏やかな気持ちでお店をあとにした。 心地よい場所をまたひとつ見つけられてよかったな。ありがとう。

店名:599CAFE

高尾山の山麓、TAKAO 599 MUSEUMに併設のカフェ。芝生の広場を眺めながらコーヒーやスイーツが味わえる。

電話:042-673-3805

住所:東京都八王子市高尾町2435-3

アクセス:京王線高尾山口駅から徒歩4分

プロフィール

西野 淑子(登山ガイド・フリーライター)

初心者向け登山ガイドブックや山岳雑誌などで取材・執筆を行なうフリーライターで、登山ガイドの資格を持つ。関東近郊を中心に低山歩きからアルパインクライミングまで楽しむオールラウンダー。気の合う仲間と山を歩き、下山後においしいものでお腹と心を満たすことに無上の喜びを感じている。

下山メシのよろこび

登山後、すなわち下山後の楽しみの一つが、山麓にあるグルメ。ご当地の名物料理もあれば、鄙びた駅前に立つ小さな食堂で出す普通の料理まで、その楽しみは幅広い。 登山ガイド・フリーライターの西野淑子が下山後に味わった数々のとっておきのお楽しみを紹介する。

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