涸沢から北穂高岳に登った後は、上高地ルミエスタホテルで温泉と長野県産ワインを満喫

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ひとり気ままに山と温泉を楽しむ温泉登山。登山前後に泊まりたい至福の温泉宿を紹介します。第41回は夏の北穂高岳に登り、下山後は上高地ルミエスタホテルでゆったり。

写真・文=月山もも

上高地ルミエスタホテル

8月の北アルプスは晴れていれば特に、混雑することが多いものです。登山道が渋滞して時間がかかってしまうこともあるため、この時期はできる限りゆったりした行程で計画を立てるようにしています。8月中旬、2泊3日+下山後に上高地で1泊の行程で北穂高岳登山を楽しんできました。

涸沢でキャンプも楽しみ、身軽に山頂を往復

早朝に上高地を出発し、徳澤、横尾を抜けて涸沢へ。

涸沢でキャンプも楽しみ、身軽に山頂を往復
涸沢でキャンプも楽しみ、身軽に山頂を往復

よく整備されていて大変な道ではありませんが、晴れているのでとにかく暑い! 着いたら生ビールを飲むぞ、と心に決めて一歩一歩進んでいきます。

涸沢でキャンプも楽しみ、身軽に山頂を往復
涸沢でキャンプも楽しみ、身軽に山頂を往復

涸沢に着いたらテントを設営し、さっそくビールタイム。ここまで来れば風も涼しく、周囲の山々を眺めながら、こんな山の中で冷たい生ビールが味わえる幸せを噛みしめます。涸沢に2泊なら食料を担ぐのも苦ではないですし、すばらしいロケーションでキャンプを楽しめるのが魅力です。

翌朝はモルゲンロートを眺めながら日の出前に出発します。

涸沢でキャンプも楽しみ、身軽に山頂を往復
涸沢でキャンプも楽しみ、身軽に山頂を往復

日が昇ると体感温度も上がり、足取りも重くなってきますが、周囲に咲く高山植物が疲れを和らげてくれました。

涸沢でキャンプも楽しみ、身軽に山頂を往復
涸沢でキャンプも楽しみ、身軽に山頂を往復

シモツケソウやハクサンシャジン。トリカブトの花も咲いていて、徐々に夏から秋の花へと移り変わろうとしているようです。

涸沢でキャンプも楽しみ、身軽に山頂を往復

後半は岩場の急坂を登り、北穂高岳の頂上へ。

涸沢でキャンプも楽しみ、身軽に山頂を往復

槍ヶ岳をはじめとした北アルプスの山々が一望できます。すばらしい眺めを堪能し、北穂高小屋でコーヒーをいただいてから下山開始。来た道を慎重に下っていきます。

涸沢でキャンプも楽しみ、身軽に山頂を往復

お昼過ぎには涸沢に戻ってこられたので、涸沢小屋の看板メニューのソフトクリームをいただきました。

この日は涸沢でもう1泊し、自然の中で贅沢な時間を過ごしました。翌日の朝にテントを撤収して、上高地に戻ります。

部屋から梓川を眺めつつ極上の温泉に浸かる

河童橋から徒歩15分ほど、梓川沿いに位置する上高地ルミエスタホテルにチェックイン。

上高地ルミエスタホテル

宿泊したのは展望浴室付きのツインルーム。1人で広々と使わせてもらいました。

上高地ルミエスタホテル

ベッドやクッションのファブリックが暖かみのある木の葉の模様で、山の宿らしさが感じられます。

展望浴室は部屋の奥にあり、一見すると窓の大きな普通のバスルームですがなんと蛇口からは温泉が出るのです。

上高地ルミエスタホテル
上高地ルミエスタホテル

入りたいときにお湯を溜めれば、加水も加温もしていない、ほのかに卵臭の香るすばらしい源泉をいつでも楽しむことができます。

窓から梓川の流れと山並みが見え、夕方には夕日で空が赤く染まっていくのを眺めながら湯に浸かることができました。

上高地ルミエスタホテル
上高地ルミエスタホテル

お風呂上がりには売店で購入して冷蔵庫に冷やしてあった、北アルプスブルワリーの「氷河LAGER」を楽しみました。

大浴場ではマッサージチェアも無料で楽しめる

温泉はお部屋で楽しめるだけではなく、1階にある大浴場と、有料の貸切風呂でも楽しむことができます。

上高地ルミエスタホテル

大浴場には内湯と露天風呂があり、広々とした浴槽でかけ流しのお湯を楽しめるのはやはりいいものです。

上高地ルミエスタホテル
上高地ルミエスタホテル

露天風呂には「河童乃湯」という名前がついており、河童はどこにいるのだろう・・・と思いながら湯に浸かると、すぐそばに河童の像がありました。

上高地ルミエスタホテル

眺望はありませんが、木々の緑を眺めながら長湯を楽しむことができました。

お風呂上がりには、大浴場の前の休憩スペースでマッサージチェアを無料で利用することができます。これは下山後の宿泊にはかなりうれしいサービスです。

上高地ルミエスタホテル
上高地ルミエスタホテル

上高地の天然水とアイスのサービスもあり、風呂上がりの喉を潤してくれました。

ローストビーフと長野県産ワインのマリアージュ

食事は朝夕共に1階のレストランでいただきます。

夕食はフレンチのコース料理。ドリンクメニューには料理に合わせて3種類ほどのワインなどが提供される「マリアージュ」のセットメニューがいくつもあり、その中からすべて長野県産のワインで構成された「ホテルオリジナル」のマリアージュをオーダーしました。

上高地ルミエスタホテル
上高地ルミエスタホテル

白ワインは安曇野ブルワリーの「安曇野シャルドネ 樽熟成」です。魚料理は真鯛のポワレとクレソンのサラダ。ソースが白ワインベースなので白ワインによく合いました。

肉料理のローストビーフは、赤ワインの「安曇野メルロー 樽熟成」と共に。

上高地ルミエスタホテル
上高地ルミエスタホテル

低温でじっくりと調理されたローストビーフは、なんと2枚までおかわりもできます。登山後ということでしっかり2枚、いただいてしまいました。

上高地ルミエスタホテル

デザートの苺ソースのブラマンジェと食後のコーヒーをいただいて、大満足の夕食を終えました。

朝食は同じレストランで和洋バイキング。その場で作ってもらえるオムレツなどいただいてお腹いっぱいになった後は、朝の上高地を散歩しました。

上高地ルミエスタホテル

チェックアウトの11時までのんびりと部屋で過ごし、登山の疲れもすっかり癒えたようです。

*紹介した食事、サービスの情報は2023年6月取材時の内容です。

上高地ルミエスタホテル

上高地ルミエスタホテル
料金 1泊2食付き/1名利用29,850円~※プラン、時期によって変動 ※スタンダードツイン・スタンダードトリプル料金
住所 長野県松本市安曇4469番地1
電話 0263-95-2121
公式サイトを見る

この記事に登場する山

長野県 岐阜県 / 飛騨山脈南部

北穂高岳 標高 3,106m

 北穂高岳は穂高連峰の最北端にそびえる。東は涸沢谷、西は蒲田川右俣からの支流、滝谷によって壮絶な岩壁になっている。主稜線は南北に起伏し、南は岩を踏んで涸沢岳へ、北は大キレットを隔てて南岳、中岳、大喰(おおばみ)岳、槍ヶ岳へと続いている。  この山のよさは、西面の滝谷に尽きる。日本でも超一流のロッククライミングのゲレンデである。かつて、名案内人といわれた上條嘉門次が「鳥も止まれねえ」と嘆かせた悪絶な岩壁で、初登攀は大正14年(1925)。早大の四谷龍胤(りようすけ)、小島六郎パーティとR.C.Cの藤木九三(くぞう)、ガイドの松井憲三パーティが、同じ8月13日に挑み、成功している。  滝谷は中間の合流地点からA沢~F沢が分かれ、B沢~D沢の間のルンゼや岩稜、岩壁が主な登攀対象になり、日本を代表する優れたクライマーたちを育ててきた。  北穂高岳は北峰と南峰に分かれている。北峰に三角点があり、直下に北穂高小屋があるので、普通、北穂高岳頂上とは北峰を指す。  登山道は涸沢カールから南稜の急登をがんばれば、3時間で山頂に立てる。上高地からは8時間30分の道のり。

プロフィール

月山もも

山と温泉を愛する女一人旅ブロガー。山麓の温泉宿を一人で巡るうちに「歩いてしか行けない温泉宿」に憧れを抱き、2011年から登山を始める。ゆるハイクから雪山登山まで、テントも一人で担ぐ単独登山女子。 ブログ「山と温泉のきろく」https://www.yamaonsen.com/に、温泉と登山のすばらしさについて綴っている。山と温泉に魅せられる人を増やすことが、人生のよろこび。著書に『ひとり酒、ひとり温泉、ひとり山』(KADOKAWA)。

ひとり温泉登山

山と温泉を愛する月山ももさんによる月1連載。登山前後に入りたい極上の温泉宿をご紹介します。

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