奥秩父 瑞牆山・金峰山は積雪少なめだが、今後の状況に注意【積雪情報/2月2日更新】

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冬山シーズンの奥秩父。登山者の多い山を中心に最新の積雪情報を紹介する。

構成=山と溪谷オンライン カバー写真=廻り目平から金峰山への途中にある中ノ沢出合(金峰山小屋提供)

積雪が少なめでも、登山時は雪山装備で

【1月28日】金峰山

金峰山小屋によれば、1月28日時点では廻り目平までは雪はなく、中ノ沢出合から積雪あり。金峰山小屋から山頂までも、チェーンスパイクで大丈夫な様子だったという。瑞牆山荘によると、前爪アイゼンやピッケルもあると安心とのこと。

金峰山小屋への登山道の様子(金峰山小屋提供)
金峰山小屋への登山道の様子(金峰山小屋提供)

【1月25日】瑞牆山

瑞牆山荘前には積雪なし。瑞牆山山頂直下は足元に注意。チェーンスパイク程度はあったほうがよいとのこと。

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この記事に登場する山

山梨県 / 関東山地

瑞牆山 標高 2,230m

 瑞牆山とはなんとも難しい漢字である。明治38年、山梨県知事となった武田千代三郎がこの字に替えたという。『甲斐国志』には「子産(こうぶ)岩」、または「瑞壘」と記録されている。  遠くから眺めるとそんなに目立たないが、間近な西側の黒森集落や富士見平の手前辺りで見ると、峨々とした岩峰の林立は鬼気迫るものがある。全山花崗岩で、初夏のころ、アズマシャクナゲの花の群落は見事である。  一般的に、富士見平から天鳥川に下りる。岩塊の間を縫い、たくみにつけられた道を上がり、樹間を北側から抜けて山頂に立つ。  眺望絶佳。はすに見上げる金峰山、御坂の山の上に富士山、さらに右、大無間山から延々と南アルプスの連嶺が続く。そして中央アルプス、八ヶ岳、右に北アルプスは白馬岳まで。登山口からわずか3時間ばかりの登高で、これだけの絶景である。  下にぽつんと金山の集落が見える。ここには、奥秩父の先駆者、木暮理太郎翁のレリーフが金峰山に向かって建てられている。昭和26年の建立。  毎年5月には日本山岳会山梨支部により、「木暮碑前懇親会」が、10月には増富観光協会などの共催で「木暮祭」が開かれている。

山梨県 長野県 / 関東山地

金峰山 標高 2,599m

金峰山は奥秩父連峰の盟主である。これを「百貫の貫禄を具へた山」と絶賛したのは、“奥秩父の父”といわれた木暮理太郎であった。古くは日本武尊が東征の折、この地に鎧をおさめたとか、雄略天皇10年(467)に開山されたなどの伝説が残っている。  その後、室町時代に修験の総本山、和州・金峰山から蔵王権現を分祠し、大いに栄えた。  参詣道は9つも通じ、里宮の金桜神社の門前に、神職の家が70軒、参拝者の宿舎200軒を数えたという。  この山がいかに有名であったかは『甲斐国志』をひもとくとよく分かる。金桜神社とともに、7500字も費やして詳述している。表登拝口の金桜神社、猫坂、黒平(くろべら)を経て登るコースは、道中が長いので現在はあまり利用されていない。ルート上に、仏坂、御小屋沢、巫子ノ沢、賽ノ磧、御室小屋、勝手明神などの名が残る。  山頂は大きな積み木を重ねたような、花崗岩の御像石(五丈石)がそびえている。これは南アルプスの前衛、鳳凰山の地蔵仏岩と、甲府盆地を隔てて好対称をなしている。  この五丈石の下には、古い石灯籠や石囲いらしいものが残っている。かつては桧造りのお籠り堂があり、30人くらいが泊まれたという。記録によると、明治42年(1909)に焼失した。  さて、参籠者はいったいどこから水を得ていたのだろうか。原全教の『奥秩父』によると、「御影石うらの4人くらいはいれる岩陰の上約6m、3坪の岩間にたまる水で、量は40lに達する」とある。これが『甲斐国志』でいうところの「甲斐派美(かいはみ)」と呼ぶ小池ではないだろうか。  山容は準独立峰なので、眺望雄大、上信越の山々から八ヶ岳、北アルプス、中央アルプス、南アルプス、富士山や御坂、毛無の山塊、近くに国師ヶ岳から大菩薩嶺など、なかなかの眺めである。  山頂直下に、千代ノ吹上げの絶壁があるが、この岩にまつわる伝説が残っている。それはこんな話。山麓の大豆生田(まみようだ)に信心深い大工夫婦がいた。2人が金峰山登拝の途次、女人禁制のたたりか妻の千代は足を滑らせ、谷底へ落ちてしまった。夫は妻の許しを神に乞うべく、山頂で7日間断食をした。そして満願の日、一陣の風とともに妻は無傷で再び姿を現したという。それから、この絶壁を村人は「千代ノ吹上げ」と呼ぶようになった。  登山コースは、増富温泉から富士見平小屋を経由して7時間、梓山から西股沢に沿って5時間30分、金桜神社から猫坂を経て11時間弱、縦走コースは国師ヶ岳から3時間30分など。

積雪情報2023−2024

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