人食い化け猫が出た山、死体を操る猫が棲む山、猫が修行する山・・・猫伝説の山を紹介

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2月22日は猫の日。「猫」が入る地名、山名、猫にゆかりがある山は多い。長生きした家猫が猫又になるといわれるが、山に棲んでいる巨大な化け猫・猫又伝説も全国各地に存在する。そんな猫伝説が残る山を紹介する。

構成=山と溪谷オンライン

目次

志津倉山 1000年生きた化け猫「カシャ猫」が棲む山(福島)

志津倉(しづくら)山はカシャ猫という1000年生きた化け猫の伝説が残る山だ。カシャ猫は、人を食う、葬式の夜に死者の体にのりうつって死者をさらう、など悪行を働いていた。ある日、弘法大師に志津倉山のコシアブラの木で退治されて、それ以来、心を入れ替え、志津倉山の主になったそうだ。

志津倉山のシンボル、雨乞岩(写真=杜のマサさんの登山記録より)

志津倉山の登山道は、ブナやミズナラの原生林に囲まれ、道中はカシャ猫が棲むと言われる猫啼岩や、雨乞いを行なった雨乞岩などが見られる。鎖や岩場もあり、見どころ、歩きごたえ充分な山だ。本峰への登山道は廃道となっていて、ヤブこぎが必要になる。

行程・コース

最適日数:日帰り 3時間40分
総歩行距離:4,292m /上り標高: 636m 下り標高: 636m
行程:志津倉山登山口(08:00)・・・二子岩分岐(08:25)・・・二子岩(08:55)・・・最後の水場(09:10)・・・三本松(09:40)・・・ブナ平(10:00)・・・志津倉山(10:10)・・・糸滝(10:50)・・・志津倉山登山口(11:40)
高低図
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この記事に登場する山

福島県 /

猫魔ヶ岳 標高 1,404m

 福島県耶麻郡北塩原村と磐梯町の境に位置する。『新編会津風土記』には「人食い猫が出没することに、この名前の由来がある。猫石付近はいつも草木を生せす、塵埃なく掃除せしか如し」とある。また山麓にはこんな伝説も伝わっている。 「猫魔ヶ岳に化け猫が出て、人々に危害を加えるので、殿様は家来に退治することを命じた。しかし、その計画が化け猫に聞こえ、殿様の奥方が人質に取られてしまった。そこで鉄砲名人の百姓六三に化け猫退治を命じた。六三は危機一髪、化け猫を退治して無事奥方を救い出した。六三はたくさんのほうびをもらった」 という。  この山は、その西側にある雄国沼と組合せて登られる。ベストシーズンは、ニッコウキスゲの咲く6月下旬から7月上旬にかけて。猫魔八方台コースは、所要1時間。雄子沢コースは雄国沼経由で所要3時間。

福島県 /

志津倉山 標高 1,234m

 福島県大沼郡三島町、昭和村と河沼郡柳津町の境に位置する。この山は全山ブナの山であるが、多くの伝説に彩られた山でもある。  昔は雨乞山として存在していた。日照りが続くと村人が集まり、注連縄(しめなわ)を張って雨乞岩まで出かけ、「アンメータンメー、タンサクヤーイ、水たんもれ龍宮やい」と祈ると、たちどころに雨が降ったと伝えられている。また、この志津倉山には、狗ヒン様がいるともいう。その証拠に、ときどき「空木がえし」と呼ばれる大木の倒れる音や、大石の転がるような響きがするという。後刻入ってみてもなんの跡形もない。この音がするときは、村人は決して山には入らなかったという。さらにカシャ猫伝説もあって、興味は尽きない。  登山道は2コース整備され、雨乞岩コースは登山口より所要2時間。細ヒドコースは2時間だが、通常は両コースを周回する。

富山県 / 飛騨山脈北部

猫又山 標高 2,378m

飛騨山脈北部周辺の山です。

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