人食い化け猫が出た山、死体を操る猫が棲む山、猫が修行する山・・・猫伝説の山を紹介

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2月22日は猫の日。「猫」が入る地名、山名、猫にゆかりがある山は多い。長生きした家猫が猫又になるといわれるが、山に棲んでいる巨大な化け猫・猫又伝説も全国各地に存在する。そんな猫伝説が残る山を紹介する。

構成=山と溪谷オンライン

目次

根子岳 猫の王が棲み、猫たちが修行する山(熊本)

阿蘇五岳の東に位置する根子(ねこ)岳は、猫にまつわる伝説がたくさんある。

猫の王様が棲んでいて大晦日の晩には猫が集まり大会議が行なわれる。家猫がいなくなったのは根子岳で修行をしているから、など。猫屋敷に迷い込んだ男が危うく猫に変えられそうになる怖い話もある。

山名は、猫の形に見えるから、虎のような猫が棲んでいた、凹凸の岩の地形を指す「ネッコ」に由来する、など諸説あるようだ。

山麓から望む根子岳(写真=nagasenさんの登山記録より)

根子岳は岩峰が連なる特異な山容の山で、ヤセ尾根の危険な箇所がある。山頂は展望がよく、阿蘇の最高峰・高岳をはじめ、英彦(ひこ)山や九重、祖母・傾山など九州の山々が見渡せる。

2023年の大雨の影響で複数ルートが通行止め。現在は箱石釣井尾根ルートから東峰までは通行できる。

行程・コース

最適日数:日帰り 3時間30分
総歩行距離:6,452m /上り標高: 882m 下り標高: 882m
行程:釣井尾根登山口(08:00)・・・箱石峠分岐(09:10)・・・根子岳東峰(09:50)・・・箱石峠分岐(10:20)・・・箱石峠(11:20)・・・釣井尾根登山口(11:30)
高低図
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関連する登山記録

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この記事に登場する山

福島県 /

猫魔ヶ岳 標高 1,404m

 福島県耶麻郡北塩原村と磐梯町の境に位置する。『新編会津風土記』には「人食い猫が出没することに、この名前の由来がある。猫石付近はいつも草木を生せす、塵埃なく掃除せしか如し」とある。また山麓にはこんな伝説も伝わっている。 「猫魔ヶ岳に化け猫が出て、人々に危害を加えるので、殿様は家来に退治することを命じた。しかし、その計画が化け猫に聞こえ、殿様の奥方が人質に取られてしまった。そこで鉄砲名人の百姓六三に化け猫退治を命じた。六三は危機一髪、化け猫を退治して無事奥方を救い出した。六三はたくさんのほうびをもらった」 という。  この山は、その西側にある雄国沼と組合せて登られる。ベストシーズンは、ニッコウキスゲの咲く6月下旬から7月上旬にかけて。猫魔八方台コースは、所要1時間。雄子沢コースは雄国沼経由で所要3時間。

福島県 /

志津倉山 標高 1,234m

 福島県大沼郡三島町、昭和村と河沼郡柳津町の境に位置する。この山は全山ブナの山であるが、多くの伝説に彩られた山でもある。  昔は雨乞山として存在していた。日照りが続くと村人が集まり、注連縄(しめなわ)を張って雨乞岩まで出かけ、「アンメータンメー、タンサクヤーイ、水たんもれ龍宮やい」と祈ると、たちどころに雨が降ったと伝えられている。また、この志津倉山には、狗ヒン様がいるともいう。その証拠に、ときどき「空木がえし」と呼ばれる大木の倒れる音や、大石の転がるような響きがするという。後刻入ってみてもなんの跡形もない。この音がするときは、村人は決して山には入らなかったという。さらにカシャ猫伝説もあって、興味は尽きない。  登山道は2コース整備され、雨乞岩コースは登山口より所要2時間。細ヒドコースは2時間だが、通常は両コースを周回する。

富山県 / 飛騨山脈北部

猫又山 標高 2,378m

飛騨山脈北部周辺の山です。

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