軽くて歩きやすいアプローチシューズの特長を解説！ 登山で使う場合は選ぶポイントがあるんです

アプローチシューズとは？

アプローチシューズは本来、登山やクライミングを行う現場へ向かう（アプローチする）あいだに履く目的で作られた靴であり、登山靴とは異なるものでした。しかし、軽さ、履きやすさ、岩場での登攀性やフリクション性の高さなどから、山に登るシーンでも使われることが徐々に増え、いまでは登山靴のひとつとして知られています。

現在のアプローチシューズは、アルパインブーツのように岩場を得意とするモデルが一般的で、クライミングシーンを意識した機能を備えるものが多くなります。

しかし、本来は目的地へ向かうアプローチ中に履く靴なので、トレッキングシューズのように歩きやすく、軽量なローカットかミッドカットが主流です。

そのため、 アプローチシューズは水平方向の移動も垂直方向の登攀もこなす、バランスのいい登山靴といえるでしょう。ただし、足元のサポート力はそこまで高くないので、特に日帰りや山小屋泊といった荷物が軽くなる山行におすすめです。

アプローチシューズの特長

アプローチシューズは岩場での行動に適した機能を備えるものが多くなります。ソールに目を向けて、その特長を確認しましょう。

グリップ力を高めるブロックパターン

アプローチシューズにも、ほかの登山靴と同様にアウトソールには凹凸があります。しかし土の上でのグリップ力はまちまち。エッジの鋭いブロックパターンがあり、深い溝があるほう滑りにくくなります。

立ち込みをサポートする硬めのソール

アプローチシューズは岩場での立ち込みをサポートするために、比較的硬めのソールを備えています。ただし、これはモデルによって差があるので、店頭で確認したほうがいいでしょう。硬さが増すほど登攀性に優れ、柔らかくなるほど歩行性が向上します。

フリクション性を活かすクライミングゾーン

岩場でソールの摩擦力を得るために、クライミングゾーンと呼ばれるフラットなブロックパターンがアウトソールのつま先にデザインされています。クライミングゾーンがあることで接地面積が広がり、フリクション性を最大限に活かすことができます。

アプローチシューズの選び方

アプローチシューズには、履き口の高さや防水機能の有無で、さまざまなモデルが存在します。アプローチシューズを登山で使用するときは2つのポイントを確認しましょう。

背負う荷物や筋力に応じてミッドカットも検討

従来はローカットが多かったアプローチシューズですが、近年は登山での使用を意識したミッドカットも増えてきました。

凹凸がある登山道での歩行に慣れていない場合や荷物が重たくなる計画などでは、サポート力の高いミッドカットを検討してみるといいでしょう。

防水機能を備えるモデルを選ぶ

アプローチシューズには防水機能が備わっていないモデルもあります。

たとえば、天気が良い日に楽しむ日帰りのハイキング程度なら非防水のアプローチシューズを選んでも問題はないでしょう。ただし、山行日数が長くなる計画では思いがけず雨に降られることもありえるので、防水機能が備わっているモデルを選んだほうがいいと言えます。

おすすめ定番アプローチシューズ

［スポルティバ］
ボルダー エックス ミッド GTX

北イタリアで創業したスポルティバの定番アプローチシューズ。同社が展開するほかのアプローチシューズと比べるとソールの剛性が高く、細かい足場に立ち込んだとき、アルパインブーツに近い安定感がある。ミッドカットなので足首まわりのホールド感に優れ、ゴアテックスによる防水透湿性も搭載するため、一般的なトレッキングシューズのような使い方も可能。アウトソールには、ヴィブラム社がウォーターシューズ用に開発したイドログリップを採用し、濡れた岩場でも高いグリップ性を発揮する。

SPEC

価格	34,100円（税込）
重量	約540g（26.7cm相当、片足）
サイズ展開	EU36〜47（23.1〜29.7cm相当）

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［モンチュラ］ヤルテクノ GTX

イタリアで創業したモンチュラは小さな寝袋工房を起源にもち、今はウェアやバックパックも手掛ける総合ブランドに成長した。同社を代表する登山靴でもあるヤルテクノGTXは、やや細身に感じる設計やつま先が内側に曲がるソールデザインなど、クライミングシューズを彷彿とさせる作りが特長だ。フィット感はつま先付近から調整でき、甲の中心から前後にシューレースの締め具合を細かく変更可能。すまきのように足首を巻き込むモノタン構造をもち、シューズが足に当たる違和感を抑えつつ、高いホールド感で足首周りをサポートする。

SPEC

価格	35,200円（税込）
重量	約470g
サイズ展開	UK7〜10.5（25.5〜29.5cm相当）

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［アークテリクス］
バーテックス アルパイン ゴアテックス メンズ

始祖鳥のマークでおなじみのアークテリクスは、ふたりのクライマーが立ち上げたカナダのブランドで、止水ジッパーを世界で初めて製品に導入したブランドとしても知られている。バーテックス アルパイン ゴアテックスは2024年の新作で、アプローチシューズをベースに、トレイルランニングシューズの高いフィット感や軽快な歩行性を融合させた、ほかに類を見ない一足だ。歩く、登る、そして走るまで、あらゆるアクティビティに対応する守備範囲の広さが登山の可能性を押し広げる。

SPEC

価格	42,900円（税込）
重量	約336g（27.0cm相当、片足）
サイズ展開	25.5〜29.0cm（0.5cm刻み）

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［スカルパ］メスカリートGTX

北イタリアを拠点にする総合アウトドアシューズブランド、スカルパの定番アプローチシューズ。ややカジュアルな見た目をしているが、アッパーに注目すると、前足部にはラバー製のトウキャップ、側面にはTUバンドを接着して耐久性を向上。ソールユニットの内側にねじれを防ぐX字状のシャンクを内蔵し、ヴィブラム社のライトベーステクノロジーを用いて軽量化を実現したダイナミックLBソールを搭載するなど、備える性能はどれも本格派。タンと履き口に伸縮する素材を使い、快適なフィット感とホールド感で足が包まれる。

SPEC

価格	33,550円（税込）
重量	約485g（27.0cm相当、片足）
サイズ展開	EU36〜46（22.0〜30.0cm相当）

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※この記事は2021年6月12日に公開した記事を更新したものです