8月11日にTJARが開幕! 今年も熱い戦士たちが日本の屋根を駆け抜ける

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「日本一過酷な山岳レース」と名高い山岳レース「トランスジャパンアルプスレース」(通称TJAR)が8月11日0時にスタートする。日本アルプスを縦断するレースなだけに、期間中アルプスでの登山を予定している登山者にとっては、選手と山中で出会うシチュエーションもあるだろう。山に行く予定のない人でも、本大会はGPSトラッキングで各選手の現在地が確認できる。今回はスタートを控えたTJARの見どころを解説! どのように観戦するか、マナーやルールはあるのかといった観戦ガイドも掲載しているのでチェックしてみよう!

文・写真=中島英摩

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なぜ日本一過酷と言われているのか?

近年、人気上昇中のトレイルランニングとは似て非なるもので、この大会のコースをしるすものは設置されない。一般登山道を通るため、複雑な地図読みはないものの、登山地図、コンパスを駆使して道をたどる。8月中旬の山岳地帯では夕立は当たり前。時には台風が猛威をふるい、8日間晴れ続きとはいかない。目まぐるしく変わる天候のなか、危機管理・対処能力、装備(衣)、補給(食)、睡眠(住)といった総合力が問われる。体力や走力さえあれば踏破できるというものではない。

それを表す非常にユニークな数字がある。参加者のうち7割近くが40代以上。山あり谷ありの人生を乗り越えてきた熟練者の集まりというわけだ。また、参加者のなかにはマラソンやトレイルランニング歴は短いが、山歴は20年、30年といった根っからの山愛好家も少なくない。彼らの強さや努力は突出しているが、その背景は皆同じ「山好き」でどこか親近感を覚える。

一方で、過去70Km以上のトレイルランニングレース完走経験、標高2,000m以上の場所(北海道は標高1500m以上)において10泊以上のキャンプ経験という参加資格に加えて、1日に25時間以上の山岳トレイルコースをコースタイム60%以下で走りきれる体力と全身持久力、フルマラソン3時間20分以内、あるいは100kmマラソンを10時間30分以内、など書類選考通過基準に11の項目がある。近年は参加希望者が増え続けており、書類選考→書類選考合格者から選考会の定員(70名)を絞る抽選→選考会→選考会通過者と前回完走者から30名に絞る最終抽選がある。実力に加えて運も必要で、限られた人だけがTJARのスタートラインに立つことができる。

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