静かに北アルプスの紅葉を楽しむなら、裏銀座・黒部源流エリアへ【紅葉コースガイド2025】
裏銀座、黒部源流エリアは、2泊以上が必要になる山深いコースが多い。その分、北アルプスのなかでも静かな山歩きが楽しめる。
文・写真＝三宅 岳
裏銀座の親分、野口五郎岳 野口五郎岳（のぐちごろうだけ）
北アルプス／2924m
紅葉の見頃 9月下旬〜10月上旬
野口五郎岳は標高2924ｍ。巨大なゆったりとした山容の山である。裏銀座の親分といった風格があり、先に挙げた烏帽子岳（えぼしだけ）と組み合わせて登られることがほとんどだ。山頂部付近はザレていて紅葉する木は乏しいが、カールの底にある五郎池周辺はみごとな彩りのハーモニー。ただ残念ながら池へ下る道はないので稜線付近をたどる登山道から俯瞰となる。五郎池の背後、東沢の谷を挟んで居並ぶ水晶岳（すいしょうだけ）から赤牛岳（あかうしだけ）の山腹も鮮やかに紅葉黄葉するので、とても広々とした秋の雄大な風景を堪能できる。また、烏帽子岳から歩く途中の三ツ岳（みつだけ）付近からの小低木の紅葉と組み合わせた風景も絵になる。
MAP＆DATA
高低図
最適日数：3泊4日
コースタイム：【1日目】7時間40分
【2日目】3時間10分
【3日目】6時間10分
【4日目】2時間30分
【2日目】3時間10分
【3日目】6時間10分
【4日目】2時間30分
行程：【1日目】
高瀬ダム・・・ブナ立尾根登山口・・・三角点・・・烏帽子小屋・・・山頂分岐・・・烏帽子岳・・・山頂分岐・・・烏帽子小屋
【2日目】
烏帽子小屋・・・三ッ岳北峰・・・野口五郎小屋
【3日目】
野口五郎小屋・・・竹村新道分岐・・・南真砂岳・・・湯俣岳・・・槍見石展望台・・・湯俣温泉晴嵐荘
【4日目】
湯俣温泉晴嵐荘・・・高瀬ダム
高瀬ダム・・・ブナ立尾根登山口・・・三角点・・・烏帽子小屋・・・山頂分岐・・・烏帽子岳・・・山頂分岐・・・烏帽子小屋
【2日目】
烏帽子小屋・・・三ッ岳北峰・・・野口五郎小屋
【3日目】
野口五郎小屋・・・竹村新道分岐・・・南真砂岳・・・湯俣岳・・・槍見石展望台・・・湯俣温泉晴嵐荘
【4日目】
湯俣温泉晴嵐荘・・・高瀬ダム
総歩行距離：約28,595m
累積標高差：上り 約3,008m 下り 約3,008m
コース定数：76
アドバイス：おすすめは、烏帽子小屋・野口五郎小屋・湯股の小屋泊の3泊4日。ただし、野口五郎小屋は小屋閉めが早い。2024年は9月25日。とにかく、小屋閉めギリギリを狙っても紅葉が来ているかどうか、と気をもむことになる。
プロフィール
三宅 岳（みやけ・がく）
1964年生まれ。山岳写真家。丹沢や北アルプスの山々で風景や山仕事などの撮影を行なう。著書に『ヤマケイアルペンガイド 丹沢』（山と溪谷社）、『山と高原地図 槍ヶ岳・穂高岳 上高地』（昭文社）など。
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