静かに北アルプスの紅葉を楽しむなら、裏銀座・黒部源流エリアへ【紅葉コースガイド2025】

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裏銀座、黒部源流エリアは、2泊以上が必要になる山深いコースが多い。その分、北アルプスのなかでも静かな山歩きが楽しめる。

文・写真=三宅 岳

目次

天空にそびえる巨大な野外劇場 黒部五郎岳(くろべごろうだけ)

北アルプス/2839m
 9月下旬~10月上旬

黒部五郎岳
黒部五郎岳

黒部五郎岳は標高2840m。中ノ俣岳(なかのまただけ)の別名をもつ。その巨大なカールは、天空にそびえる巨大な野外劇場のようにダイナミックであり。ゴロゴロ転がる巨岩と流れ下る清流がさらなる癒やしの空間を演出する。時間が許すなら、のんびりと半日ぐらいゴロゴロしたい場所なのだ。そして紅葉時期には、カール底の水量は細くなり、秋らしい寂しさを演出することとなる。ところどころに生えているナナカマドが鮮烈な赤い色に染まるが、小屋の立つ五郎平付近も含めて、草もみじがみごとである。

黒部源流から黒部五郎岳
黒部源流から黒部五郎岳
五郎平
五郎平

MAP&DATA

高低図
最適日数:2泊3日
コースタイム:【1日目】5時間5分
【2日目】5時間55分
【3日目】9時間
行程:【1日目】
新穂高温泉・・・笠新道登山口・・・わさび平小屋・・・小池新道登山口・・・秩父沢出合・・・シシウドが原・・・鏡平山荘
【2日目】
鏡平山荘・・・弓折乗越・・・双六小屋・・・双六岳・・・三俣蓮華岳・・・巻道合流点・・・黒部五郎小舎
【3日目】
黒部五郎小舎・・・黒部五郎岳(中ノ俣岳)・・・黒部五郎ノ肩・・・中俣乗越・・・北ノ俣岳(上ノ岳)・・・太郎平小屋・・・五光岩ベンチ・・・三角点・・・折立
総歩行距離:約36,736m
累積標高差:上り 約3,084m 下り 約2,818m
コース定数: 80
アドバイス:この山は午後になると霧が発生することが多い。逆コースでは黒部五郎岳山頂到着時間が遅くなり、あまりすすめられない。一方、秋になると折立から下山利用のバスが平日は運休。土日も9月の終わりを待たずに運休となる。タクシー利用を前提で計画すること。
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プロフィール

三宅 岳(みやけ・がく)

1964年生まれ。山岳写真家。丹沢や北アルプスの山々で風景や山仕事などの撮影を行なう。著書に『ヤマケイアルペンガイド 丹沢』(山と溪谷社)、『山と高原地図 槍ヶ岳・穂高岳 上高地』(昭文社)など。

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