山容、眺め、植生などが独特の山が広がる、東北の山の紅葉【紅葉コースガイド2025】

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東北には山容、眺め、植生などがアルプスとはまた違った魅力を放ち、すばらしい山々が多い。そして、その山々がいちばん輝くのが紅葉の季節だ。東北各地の山を歩き、撮影に取り組む曽根田卓さんに美しい紅葉を見られるコースを教えてもらいました。

文・写真=曽根田 卓

目次

日本一の草もみじ 八甲田大岳(はっこうだおおだけ)

青森県/1584m
 9月下旬から10月上旬

八甲田大岳 眼下に草紅葉が美しい下毛無岱を見下ろす
眼下に草紅葉が美しい下毛無岱を見下ろす

甲の形の峰々と、点在する高層湿原を神の田んぼに見立てたことが名前の由来の八甲田山。その最高峰の八甲田大岳は、登山道がよく整備され、高山的な景観に優れているため、八甲田山に登るといえば、この山を指すほど登山者に親しまれている。

上毛無岱から八甲田大岳(右)と井戸岳を望む
上毛無岱から八甲田大岳(右)と井戸岳を望む

八甲田山は、山裾がブナの森、中腹はオオシラビソの亜高山針葉樹林、そして山頂部には豪雪による風衝草原(ふうしょうそうげん)や雪田草原(せつでんそうげん)が広がるが、色鮮やかな灌木の紅葉に出会える場所は意外と少ない。その代わり、広大な高層湿原の毛無岱(けなしたい)を彩る草もみじの美しさは格別で、ずっと眺めていたい気分になる。なお大岳避難小屋から直ぐに毛無岱へ向かわず、火山景観が際立つ井戸岳(いどだけ)と赤倉岳(あかくらだけ)をセットで巡るのがおすすめだ。

下毛無岱の池塘越しに田茂萢岳を望む
下毛無岱の池塘越しに田茂萢岳を望む

MAP&DATA

高低図
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最適日数:日帰り
コースタイム: 6時間25分
行程:酸ヶ湯・・・仙人岱ヒュッテ・・・大岳・・・大岳ヒュッテ・・・赤倉岳・・・分岐・・・パラダイスライン分岐・・・上毛無岱・・・下毛無岱・・・酸ヶ湯
総歩行距離:約11,500m
累積標高差:上り 約977m 下り 約977m
コース定数:26
アドバイス:例年10月中旬には山頂部に降雪がある。下山後に酸ヶ湯温泉で日帰り入浴可能。入浴料1,000円、ヒバ千人風呂(混浴)は7時~18時、玉の湯(男女別)は9時~17時、TEL:017-738-6002。
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プロフィール

曽根田 卓

1958年仙台市生まれ。山岳写真集団仙台所属。東北の静かな山をこよなく愛している。共著に『分県登山ガイド3 宮城県の山』、「季節の山歩き」(山と渓谷社)のガイド記事執筆。『山と高原地図 栗駒・焼石』(昭文社)の調査執筆担当。
⇒ (続)東北の山遊び 

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