山容、眺め、植生などが独特の山が広がる、東北の山の紅葉【紅葉コースガイド2025】
東北には山容、眺め、植生などがアルプスとはまた違った魅力を放ち、すばらしい山々が多い。そして、その山々がいちばん輝くのが紅葉の季節だ。東北各地の山を歩き、撮影に取り組む曽根田卓さんに美しい紅葉を見られるコースを教えてもらいました。
文・写真＝曽根田 卓
目次
地元の登山者に愛される名山 船形山（ふながたやま）
宮城県・山形県／1500m
紅葉の見頃 10月上旬〜10月中旬
深田久弥氏は船形山のことを「いい山であるが、少し背が足りない」として日本百名山の選外にしているが、山の奥深さを実感させ、また豊かな自然が今も残る山として、地元の登山者にこよなく愛されている。この山をめざすなら秋の紅葉期がよい。千畳敷から山頂にかけての東斜面と、蛇ヶ岳（じゃがたけ）までの主稜線縦走路は灌木に覆われ、ミヤマナラやミネカエデの灌木が真っ赤に色づいて訪れた人々を魅了する。また10月中旬ごろ、梢を透かして陽の光が黄色く輝く黄葉したブナの森もすばらしい。登り着いた山頂からは澄んだ秋空の下、蔵王（ざおう）連峰、朝日（あさひ）連峰、月山（がっさん）、鳥海山（ちょうかいさん）、栗駒山（くりこまやま）など東北の名峰が見渡せる。
MAP＆DATA
高低図
最適日数：日帰り
コースタイム： 8時間10分
行程：旗坂キャンプ場・・・旗坂平・・・鳴清水・・・大滝キャンプ場分岐・・・瓶石沢分岐・・・升沢避難小屋・・・蛇ヶ岳分岐・・・船形山・・・蛇ヶ岳分岐・・・草原コース分岐・・・瓶石沢分岐・・・大滝キャンプ場分岐・・・鳴清水・・・旗坂平・・・旗坂キャンプ場
総歩行距離：約15,200m
累積標高差：上り 約1,177m 下り 約1,177m
コース定数：32
アドバイス：行動時間が長いため日暮れが早い秋は早立ちを心がけたい。山頂に避難小屋があるが水場はない。中腹の升沢避難小屋から少しの区間、沢沿いを登るので赤テープやペンキマークを見逃さないようにしたい。
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プロフィール
曽根田 卓
1958年仙台市生まれ。山岳写真集団仙台所属。東北の静かな山をこよなく愛している。共著に『分県登山ガイド3 宮城県の山』、「季節の山歩き」（山と渓谷社）のガイド記事執筆。『山と高原地図 栗駒・焼石』（昭文社）の調査執筆担当。
⇒ （続）東北の山遊び
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