安心感抜群の新型ストーブ! プリムス/インテグストーブ|高橋庄太郎の山MONO語りVol.113

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山岳・アウトドアライター、高橋庄太郎さんが、最新山道具を使ってレポートする連載。さまざまな角度からアウトドアグッズを確認し、その使用感と特徴を余すことなくレポート! 今回はプリムスの新作登山用ガスストーブ(バーナー)、「インテグストーブ」を紹介します。

文・写真=高橋庄太郎


毎年、毎期、続々と登場するアウトドアギア。それなのに新製品の数があきらかに少ないのが、ストーブ(バーナー)類だ。日本では「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律」をクリアしてPSLPGマークを取得した製品以外の販売は許されず、海外で販売開始されたからといって日本でもすぐに販売できるとは限らない。それどころか、そのまま販売されずに終わるものも多いのである。

今回取り上げる「インテグストーブ」は、プリムスの久しぶりの新製品。前作ともいえる「エッセンシャルトレイルストーブ」が販売されたのは2020年で、当時は山岳用途としては7年ぶりの新作だった。そしてそれから4年後、このインテグストーブがやっと登場したというわけだ。

特徴をチェック

では、インテグストーブの特徴はどこにあるのか?

この新製品で注目すべきは、いわゆる「レギュレーター機構」が搭載されていることである。

プリムス/P-157 インテグストーブ

これはバーナーヘッドとガスカートリッジをつなぐ混合管の下につけられたバルブ内にスプリングやOリング、ゴム隔壁が収められ、それらの連動でガスの噴出量を一定にさせる仕組みだ。また、ガスカートリッジはガスを燃焼し続けていると気化熱の作用によって外気よりもさらに冷えてしまい、その結果、火力が弱くなってしまうが、レギュレーター機構付きのストーブならば火力がほとんど低下しない。最近はそんなレギュレーター付きのストーブを発売しているメーカーも多いなか、プリムスではインテグストーブはシングルバーナーで搭載した初のモデルなのであった。

4本のゴトクがつけられたバーナーヘッドは、風の影響を受けにくいすり鉢状だ。

プリムス/P-157 インテグストーブ

この形状もプリムスでは珍しい。

プリムス/P-157 インテグストーブ

ヘッド部分の直径は、実測で4.6cm。その内側に小さな火口が103個つけられている。

こちらはゴトクをバーナーヘッドの周りに広げた様子で、この状況でゴトクの口径は10.0cm。このゴトクは延長式でさらに大きく広げることができる。

プリムス/P-157 インテグストーブ

次はゴトクを延ばした様子だ。

プリムス/P-157 インテグストーブ

これで口径は14.8cm。大型のクッカーでも安定するサイズ感となった。

インテグストーブには収納袋が付いている。シンプルで簡易的だが、やはり付属しているほうがいい。

プリムス/P-157 インテグストーブ

ただ、熱で溶けやすいナイロン素材なので、使用後はきちんと冷ましてから収納しなければならない。

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プロフィール

高橋 庄太郎(たかはし・しょうたろう)

宮城県仙台市出身。山岳・アウトドアライター。 山、海、川を旅し、山岳・アウトドア専門誌で執筆。特に好きなのは、ソロで行う長距離&長期間の山の縦走、海や川のカヤック・ツーリングなど。こだわりは「できるだけ日帰りではなく、一泊だけでもテントで眠る」。『テント泊登山の基本テクニック』(山と溪谷社)、『トレッキング実践学』(ADDIX)ほか著書多数。
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