安心感抜群の新型ストーブ! プリムス/インテグストーブ|高橋庄太郎の山MONO語りVol.113
インテグストーブの機能をチェック
さて、ここからはインテグストーブそのものの機能をチェックしていこう。
まずはゴトクの使い勝手だ。

インテグストーブの口径とほぼ同じ、底面が14.5cmのクッカーは当然ながらきれいに乗せられる。もっと大きなクッカーでも安定するだろう。

ゴトクの先端はわずかに上に向いているため、4つの線ではなく、4つの点で支える形状だ。
次は同じデザインのために少々わかりにくいが、先ほどのクッカーとスタッキングできる底面が11.5cmと少し小さくなったクッカーである。

ゴトクのクッカーに当たる場所にはギザギザに滑り止めがつけられているため、このくらいの大きさがいちばん安定するようだ。

底面の直径が小さくなれば、ゴトクを折り畳んだままでも難なく使える。
しかし、それよりも底面が狭いクッカーを使おうとすると、少し問題が発生する。ゴトクの構造上、底面が9.0cmよりも小さいクッカーは写真の左のようにゴトクを広げていると、ゴトクの上から落ちてしまうのだ。こうなるとバーナーヘッドとクッカー底面が近くなりすぎ、炎に充分な酸素が供給できず、いくぶん火力は弱まる。

もちろんゴトクを折り畳んで使えば、バーナーヘッドとクッカーの間は適正になる。
ただ、インテグストーブのゴトクは折り畳んで使うとクッカーに触れる場所の“ギザギザ”を活かせず、ストーブを置く台や地面が斜めになっている場所では少々滑りやすくなってしまうのだ。

折り畳んだ状態でもクッカーが滑りにくいように、この部分にもギザギザがついていてもよかったような気もする。

大きな問題ではないが、せっかくの新製品なので、もっと使いやすいほうがいい。
ガスの量の調整は、折り畳んでコンパクトにできるワイヤーのツマミで行なう。

レギュレーターというものの構造上、一般的なストーブよりも少し多めにツマミを回してやらないとガスが出てこない。すぐにガスが出てこなくても欠陥品ではないので、この点は覚えておいてほしい。
ボタンを押すだけで簡単に火がつけられる圧電点火装置(イグナイター)も付属している。このボタンが小さく、キツめに作られているストーブは着火時に指が痛くなることもあるのだが、インテグストーブのボタンは大きめで指に負担がかからない。

しかしインテグストーブに限らず、低温下でガスの圧力が低下しているときなど、イグナイターでは点火がうまくできなくなることがある。レギュレーター搭載のインテグストーブは気温に関わらずガスの圧力が安定するため、付属のイグナイターで火がつかない状況にはなかなかならないだろうが、念のため別途ライターをいつも持ち歩くことをすすめたい。
プロフィール
高橋庄太郎の山MONO語り
山岳・アウトドアライター、高橋庄太郎さんが、最新山道具を使ってレポートする連載。さまざまな角度からアウトドアグッズを確認し、その使用感と特徴を余すことなくレポート!
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