安心感抜群の新型ストーブ! プリムス/インテグストーブ|高橋庄太郎の山MONO語りVol.113

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実際に点火してみた

さあ、実際に点火してみよう!

プリムス/P-157 インテグストーブ

火をつけた直後は、炎がオレンジ。だが、少しすると炎が安定し、ブルーに変わる。理想的な完全燃焼状態に入ったわけである。

プリムス/P-157 インテグストーブ

実際は相当上のほうまで炎が届いているはずなのだが、光が明るいとバーナーヘッドのすぐ近くでしか火がついていないように見えてしまう。

プリムス/P-157 インテグストーブ

インテグストーブの炎は、力強くまっすぐ立ち上がる。すり鉢型のバーナーヘッドと相まって、強風へしっかりと対抗してくれそうだ。

プリムス/P-157 インテグストーブ

火力を最大にすると、「ゴォー」という音はそれなりに大きい。しかし少し火力を落とせばうるさくはない。周囲の人が寝ている可能性がある夜や早朝は中火ほどで調理するとよいだろう。

水が沸騰するまでの時間もチェックしてみた。

プリムス/P-157 インテグストーブ

この日にテストを行なった山は標高が1000mを少し切る程度で、気温は5.3℃。持参した水は13.1℃だった。この水を底面の直径14.5cmのクッカーに500ml入れ、点火した。使用したガスは、低温下で使いやすいパワーガス(IP-250T)。カタログ的なスペックでは、このカートリッジを使った際のインテグストーブのガス消費量は220g/h、燃焼時間は約62分となっている。

なお、この段階では風の影響をできるだけなくそうと山頂のあずまやの影でテストを行ない、沸騰までの様子を確認するためにフタは外している。

調理用の水温計で計ったところ、沸騰までの時間は2分37秒。

プリムス/P-157 インテグストーブ

多少の誤差はあるだろうが、この気温や標高で、しかもフタを外したままで3分を切るのだから沸騰までの速さは充分だ。

その後、風にさらされる場所に移動して、再びお湯を沸かしてみた。

プリムス/P-157 インテグストーブ

ところが、この日は微風であまり風の影響はなく・・・。同様の条件で計測したところ、この状態でも2分45秒で沸騰した。

プリムス/P-157 インテグストーブ

沸騰したお湯を利用して、そのままラーメンを作る。

プリムス/P-157 インテグストーブ

寒い時期の山中では、具があまり入っていないラーメンでも非常にうまい! 

プリムス/P-157 インテグストーブ

この後、場所やクッカーを変えながらお茶なども入れたりして、ガスカートリッジ1缶をフルで使い切った。写真撮影を忘れてしまったのだが、途中から気化熱の作用でガスカートリッジには真っ白な霜が付き始めたが、レギュレーターがついているインテグストーブはやはり火力の低下をほとんど感じない。できればもっと過酷な環境の雪山でもいずれテストしてみたいと思う。

このストーブの収納サイズは7.3×10.1×4.7cm。

プリムス/P-157 インテグストーブ

さほど小型ではないが、上の写真のように容量500mlの縦型クッカーにきれいに収まる。

下の写真は容量1000mlのクッカーだ。これほどの容量があれば、カトラリーなどと一緒に収納が可能になる。

プリムス/P-157 インテグストーブ

ガスカートリッジも一緒にクッカー内に収納する場合は、容量1500ml程度のスペースが必要だ。

今回の山中テストの際は微風のため、インテグストーブの耐風性についてはよくわからなかった。そこで自宅に戻ってから再テストを行なった。

まずは無風の状態で炎の様子をチェック。

プリムス/P-157 インテグストーブ

左が最大火力で、肉眼では炎の高さは20cmほどに見える。右はいわゆるとろ火状態だが、この程度の火力でも安定していて、弱火でじっくり煮込むような調理も得意そうだ。

そして、左側にサーキュレーターを置き、至近距離から強風を吹き付けてみる。 簡易的な風速計によれば、風速はおよそ14~15m。台風ほどではないが、山中ではたびたび遭遇しそうな強い風である。

プリムス/P-157 インテグストーブ

しかし、インテグストーブの炎はまったく消えそうにない。クッカーを上に置くと、バーナーヘッド上部からの風の影響がなくなるため、インテグストーブの耐風性はますます上がっていく。

プリムス/P-157 インテグストーブ

僕はさらにうちわ状のものを強くあおって突風を作り出したり、焚き火用の火吹き棒でバーナーヘッドの火口へ細く強い風を噴射してみたりもした。だが、それくらいではインテグストーブの火を消すことはできないのだった。

もちろん風を吹き付ければクッカーに伝わる熱効率は落ちる。このときの部屋の気温は22.3℃で、水温16.4℃の水500mlが3分10秒で沸騰に至った。山中でのテストとは条件が大きく異なるとはいえ、この風速でも3分程度しかかからないとはインテグストーブの風に対する高機能性は間違いないのだった。

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プロフィール

高橋 庄太郎(たかはし・しょうたろう)

宮城県仙台市出身。山岳・アウトドアライター。 山、海、川を旅し、山岳・アウトドア専門誌で執筆。特に好きなのは、ソロで行う長距離&長期間の山の縦走、海や川のカヤック・ツーリングなど。こだわりは「できるだけ日帰りではなく、一泊だけでもテントで眠る」。『テント泊登山の基本テクニック』(山と溪谷社)、『トレッキング実践学』(ADDIX)ほか著書多数。
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高橋庄太郎の山MONO語り

山岳・アウトドアライター、高橋庄太郎さんが、最新山道具を使ってレポートする連載。さまざまな角度からアウトドアグッズを確認し、その使用感と特徴を余すことなくレポート!

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