丹沢・大山で登り初めと遅めの初詣
読者レポーターより登山レポをお届けします。東武さんは丹沢・大山(おおやま)で登り初めと遅めの初詣を合わせて行ってきたそうです。
文・写真=東 武
「新年の登り初めで初詣もしたい」と思い、2025年最初の登山は山の中にお寺も神社もある大山に決めました。
とっくに正月気分も抜けていますが、遅めの初詣をするため伊勢原駅からバスに乗り大山に向かいます。
初めて大山に登った時は、こま参道の階段を上がるだけで息が切れていました。初心を思い出しながら階段を登っていきます。
こま参道の両側には大山の名産を取り扱ったお土産屋さんがたくさんありますが、まだ朝早い時間帯なのでどの店も閉まっていました。
階段を登り切り、大山ケーブル駅を過ぎると舗装路から山道らしい登山道に変わります。
女坂、男坂のどちらを選んでも石階段が続きます。どちらも登っていて楽しい道ですが、男坂では大山寺(おおやまでら)に立ち寄れないので今回は女坂を使いました。
女坂には、女坂七不思議と呼ばれている場所があります。爪切り地蔵も七不思議のひとつで、弘法大師が一晩で、しかも爪のみで彫った地蔵だと言われています。「何事も一心に集中努力すれば実現できる」とのありがたい教えなのだとか。
大山寺は紅葉の名所なので、紅葉シーズンになると平日の朝でもたくさんの登山者がいます。冬のこの時期はほかの人の姿はほとんどありませんでした。鮮明だった紅葉はすっかり色褪せていますが、冬の冷たい空気の中で眺めるくすんだ色の葉も風情があるな、と感じます。
お賽銭を入れ、朝の静かな空気の中で黙って手を合わせました。大山不動尊は古くから職人や商売人にご利益があると評判ですので、今年一年の仕事運の上昇を祈願します。
再び登山道に戻り、今度は中腹にある大山阿夫利(あふり)神社をめざします。
つい先ほど大山寺で初詣をしたばかりですが、せっかく大山にはお寺と神社の両方があるので2カ所でそれぞれ初詣をしていきます。大山寺では個人的な仕事運を祈願したので、大山阿夫利神社ではすべての登山者がこの一年、安全に山を登れるようにと祈願しました。
神社の裏手を通って、山頂に向かいます。
大山阿夫利神社から山頂までは90分ほどの道のりです。登山道はよく踏み固められていて荒れた箇所も少なく、森の中の歩きやすい道が続きます。
冬で葉が枯れ落ちているおかげで、木々の隙間から景色が見られます。ときどき立ち止まって景色を楽しみながら山頂をめざしました。
山頂に到着です。日陰に置かれていた気温計は0℃を示していましたが、風がなく日差しが暖かいので、あまり寒さも感じません。日向で休憩しながらゆっくり山頂の絶景を眺めました。
初めて大山に登った時は、山頂にたどり着くまでに体力を使い果たしてヘトヘトで足も痛めて、大変な思いをしたのを覚えています。その日から何度も登っているので今では大山を歩くのも慣れていますが、山頂から眺める絶景の感動は何度登っても変わりません。
しばらく景色を眺めた後、山頂トイレの脇道を抜けてアンテナ塔の方面に向かいます。初めて登った時は、トイレの横からアンテナ塔の方面に抜ける道があるとは知らずにスルーしていました。
大山では富士山を眺められるポイントがいくつかありますが、アンテナ塔の近くの道から眺める富士山がいちばんきれいだと私は感じます。景観をさえぎるような木々もなく、富士山と丹沢表尾根が並んで見えます。南アルプスの頭も見えました。
お寺と神社で初詣を終えて、快晴の関東平野と富士山まで眺めて、年の初めの登山としては大満足です。心行くまで景色を眺め、初心者だったころの気持ちを思い出し、一歩一歩を慎重に下山しました。
(山行日程=2025年1月14日)
MAP&DATA

東 武(読者レポーター)
晴れた日は山に出没し雨の日には本を読む、そんな暮らしにあこがれる文系山男。文学サークル・ペンシルビバップを主宰している。山と文学と相模原市を愛してやまない。
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