ツツジやポピー、野生ラン……新緑に映える花を見にいこう! 5月におすすめの関東のワンデイハイキング 

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5月。春から夏に移り変わるこの季節に、山ではさまざまな種類の花が咲き誇ります。今回はライターの石丸哲也さんが厳選した、関東エリアで5月に登りたい花の山を紹介します。

文・写真=石丸哲也 トップ写真=天城山に咲くアマギシャクナゲ

目次

1200万本という「天空のポピー畑」へ 大霧山(おおぎりやま)

埼玉県/767m

大霧山の広大なポピー畑
高原状の山上に広大なポピー畑が広がる

低山では、高山のお花畑のように群生する花は乏しい。しかし、人の手によって作られた花畑は大規模なものがある。大霧山のポピー畑は、見晴らしのよい山上に広がる。もともと、この付近では珍しい、山上に拡がる牧場を利用したもので、スケール、ロケーションともトップクラスだ。2025年は開花不良で「天空のポピー」のイベントは開催が見送りとなったが、山道では薄紫のコアジサイなど野生の花もいろいろ見られる。外秩父七峰(そとちちぶななみね)の縦走路中にあるが、花畑と大霧山だけなら手軽なコースとなる。

コースは、内出(うちで)バス停から山間の集落を縫って登り、二本木峠へ。縦走路の県道を南下し、彩の国ふれあい牧場の施設の先で西へ下ると、天空のポピーの花畑に着く。ポピー畑をゆっくり鑑賞したら縦走路に戻り、さらに南下して日本武尊伝説の粥新田(かゆにた)峠から山道を登る。樹林の切れ間に牧草地や笠山(かさやま)を望みながら登りきれば大霧山山頂だ。近くの武甲山(ぶこうさん)から、条件がよければ奥秩父、浅間山(あさまやま)、谷川(たにがわ)連峰、赤城山(あかぎさん、あかぎやま)、奥日光などの大展望が開ける。さらに南下を続け、小さな登り下りを繰り返しながら下って、旧定峰(さだみね)峠で縦走路と分かれて経塚(きょうづか)バス停へ。

秩父高原牧場から見た大霧山
秩父高原牧場から見た大霧山
大霧山山頂
開けて展望がよい大霧山山頂。休憩にも適している

MAP&DATA

ヤマタイムで周辺の地図を見る
最適日数:日帰り
コースタイム:4時間35分
行程:内出バス停・・・二本木峠・・・大霧山・・・経塚バス停
総歩行距離:約11,800m
累積標高差:上り 約1,010m 下り 約872m
コース定数:23
見られる花:ポピーの見頃は5月下旬〜6月上旬。期間中の入園は環境協力金500円(※2025年イベント開催見送り)。縦走路では、日当たりのよい道路脇にノイバラやスイカズラ、マルバウツギ、樹林にコアジサイ、ガクウツギ、ヤマボウシなどが点々と咲く。
アクセス&
山麓情報:
彩の国ふれあい牧場にはさまざまな施設がそろう。畜産や農業の解説展示があるモーモーハウス、動物広場をはじめ、手作りアイスの直売施設、ソフトクリームや牛乳、フルーツサイダーなどの販売もある。
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山を歩く、花を楽しむ

全国で人気の花の山、関東周辺「花の百名山」のコースガイドや、花に関するコラムを掲載。

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