雨が降っても出かけたい! 梅雨の野山を彩るアジサイを訪ねる、関東のハイキングコース

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

アジサイは古代から日本人に愛されてきた花だ。陰鬱な梅雨の季節にひときわ鮮やかな色を添えて、さわやかな雰囲気を作り出すことから、アジサイが植栽された花の名所は各地に点在している。ここでは、ライターの西野淑子さんが選んだ、関東周辺でアジサイを楽しむハイキングコースを紹介しよう。

文・写真=西野淑子 トップ写真=蓑山のアジサイ(写真=PIXTA)

目次

奥多摩を代表するあじさいの名所 南沢あじさい山(みなみさわあじさいやま)

東京都/468m(金比羅山)

南沢あじさい山
針葉樹の中、山の斜面にびっしりとアジサイが咲く

東京都あきる野市、市街地近くにそびえる金比羅山の北側斜面に位置する南沢あじさい山。地主の南沢忠一さんが50年以上の年月をかけて山の斜面にアジサイを植栽。針葉樹林の中に青や白のアジサイがびっしりと咲き乱れる中を散策できる。晴れている日もよいが、曇りや霧にけむった日も風情があって美しい。園内のあちこちに撮影に適したビュースポットが表示されているのもうれしい。

南沢あじさい山
あじさい山入口からすぐアジサイに出迎えられる

武蔵五日市駅から道標に従って歩けば、南沢あじさい山の入口までは徒歩50分ほど。ところどころに赤いとんがり帽子の小人のオブジェが置かれて、よい目印になる。山内には散策路が設けられて歩きやすい。群落を見ながら緩やかに登っていくと、途中で園内の散策路と金比羅山(こんぴらさん)に向かう道に分岐する。そのまま園内を周遊してあじさい山入口に戻ることができるが、体力に余裕があれば金比羅山まで足を延ばしてもよいだろう。あじさい山の分岐から金比羅山の山頂までは本格的な山道で、ところどころ丸太の階段や木の根が露出した急斜面も。金比羅山の山頂は木々に覆われているが、少し進んだ琴平神社やその先のあずまやからは、あきる野市の市街地が眺められて気持ちがいい。

南沢あじさい山
とんがり帽子の小人があじさい山への道しるべ

MAP&DATA

高低図
ヤマタイムで周辺の地図を見る
最適日数:日帰り
コースタイム: 2時間20分
行程:武蔵五日市駅・・・南沢あじさい山・・・琴平神社分岐・・・五日市会館・・・武蔵五日市駅
総歩行距離:約6,500m
累積標高差:上り 約393m 下り 約393m
コース定数:10
アジサイの見頃:6月中旬〜7月上旬
※2025年は6月10日〜7月6日開山予定、入山料600円
アドバイス:開山期間中、花が見頃の時期に合わせて、武蔵五日市駅からあじさい山入口までシャトルバスが運行。

立ち寄りスポット

武蔵五日市駅前に誕生した新たな観光拠点
フレア五日市

フレア五日市

2025年7月、武蔵五日市駅前に、あきる野・檜原エリアの観光拠点となる施設「フレア五日市」がオープンする。地域の山のスギやヒノキなど多摩産材を活用した建物で、電車やバスなどの待ち時間に過ごせる広々としたラウンジのほか、キッズコーナーやベビールームなども設けられている。登山者にうれしいコインロッカーや更衣室なども併設されており、更衣室は施設のオープン時間外でも利用可能だ。2025年6月21日〜29日のプレオープン期間には、施設内を自由に見学できる。南沢あじさい山散策の行き帰りに立ち寄ってもよいだろう。

1 2 3 4 5

目次

プロフィール

西野 淑子(登山ガイド・フリーライター)

初心者向け登山ガイドブックや山岳雑誌などで取材・執筆を行なうフリーライターで、登山ガイドの資格を持つ。関東近郊を中心に低山歩きから沢登り、雪山登山まで楽しむオールラウンダー。気の合う仲間と山を歩き、下山後においしいものでお腹と心を満たすことに無上の喜びを感じている。

山を歩く、花を楽しむ

全国で人気の花の山、関東周辺「花の百名山」のコースガイドや、花に関するコラムを掲載。

編集部おすすめ記事