薩摩半島最南端・開聞岳からの大展望

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読者レポーターより登山レポをお届けします。なおさんは薩摩半島の南端・開聞岳(かいもんだけ)へ。

文・写真=なお


ゴールデンウィークに鹿児島県の薩摩半島最南端にある日本百名山・開聞岳へ。とてもきれいな円錐形をしており、「薩摩富士」とも呼ばれます。

6時ごろに鹿児島市内を出発し、8時前に指宿市内のかいもん山麓ふれあい公園駐車場に到着しました。ゴールデンウィークとはいえ、カレンダー上は平日でしたが、駐車場は8割ほど埋まっていました。

駐車場のそばにある管理棟のお手洗いをお借りし、登山を開始しました。早朝まで雨が降っており、この時点ではまだ開聞岳山頂は雲で覆われていました。山頂に着く頃には、雲が晴れていますように。

雲で覆われる開聞岳
雲で覆われる開聞岳

駐車場から10分ほど歩いて、開聞岳二合目登山口へ。ここから登山道が始まります。

開聞岳二合目登山口
開聞岳二合目登山口

先程まで雨が降っていたにも関わらず、地面の水はけがよく、まったくぬかるんでいません。

開聞岳の登山道
開聞岳の登山道

木々に囲まれた道を進んでいきます。きれいな新緑と木漏れ日のなか歩くのは、とても気持ちがいいです。

開聞岳は花の百名山でもあり、この日はコウツギやコガクウツギが咲いていました。

コウツギ
コウツギ
コガクウツギ
コガクウツギ

平らな道や下りはほとんどなく、ひたすら登り道が続きます。六合目あたりまでは岩場も急登もなく、歩きやすいです。

開聞岳 4合目の標識
4合目の標識

登り始めて約50分、9時ごろに五合目に到着しました。展望台があり、薩摩半島最南端の長崎鼻(ながさきばな)や、大隅(おおすみ)半島が見えます。

開聞岳 五合目展望台
五合目展望台

六合目あたりから、岩の道になります。一部、ぬかるみがあったり、岩が滑りやすくなっており、特に岩を伝って歩く箇所は注意が必要でした。

開聞岳 岩の道
岩の道

登山道脇に「仙人洞」という洞窟が現われました。開聞岳の噴火により溶岩がせりあがってできたもので、修行の場として使われていたそうです。穴に落ちないよう注意喚起されていました。

開聞岳 穴に注意
穴に注意

登山道の前半とはうって変わって、傾斜のきつい登りもあります。

開聞岳
木に囲まれた急登

道端の植物に癒やされます。

タツナミソウ
タツナミソウ
ツクシショウジョウバカマ
ツクシショウジョウバカマ

所々に展望スポットが現われます。

開聞岳 9合目あたりからの景色
九合目あたりからの景色

1カ所、ハシゴがありました。山頂に近づくにつれ、登りが急になります。

開聞岳 ハシゴ
ハシゴ

山頂直下には御嶽神社がありました。開聞岳の麓にある枚聞(ひらきき)神社の奥宮のようです。

開聞岳 御嶽神社
御嶽神社

登山開始から約1時間50分、開聞岳山頂に到着しました! 出発時に山頂を覆っていた雲はなくなっており、景色が最高です。

開聞岳山頂
開聞岳山頂

登山旅は、ご当地のお菓子を行動食にするのも楽しみのひとつですが、今回は鹿児島名物のかるかんまんじゅうと、安納芋蜜フィナンシェを持ってきました。かるかんまんじゅうは初めて食べましたが、想像以上においしかったです。

鹿児島名物のかるかん饅頭と、安納芋蜜フィナンシェ
行動食

霞んでおり、山頂からは屋久島、種子島は見えませんでしたが、少し下った展望スポットからは、どちらもうっすら眺めることができました。

開聞岳山頂からの景色
山頂からの景色

山頂を出発してから約1時間40分後、駐車場に到着。車で少し移動し、登山前には見られなかった雲のない開聞岳を撮影しました。本当にきれいな形です。

開聞岳
開聞岳

下山メシは、とんかつ、カツオのたたき、カツオのハラガワと、鹿児島名物ばかりの定食をいただきました。

鹿児島名物ばかりのとんかつ定食
鹿児島名物ばかりのとんかつ定食

標高924mと高い山ではないですが、海や島、湖、半島など大パノラマが望める、とても楽しい山行でした。

(山行日程=2025年5月2日)

MAP&DATA

高低図
最適日数:日帰り
コースタイム: 4時間30分
行程:かいもん山麓ふれあい公園・・・二合目登山口・・・五合目(救助第4ポイント)・・・仙人洞・・・開聞岳・・・仙人洞・・・五合目(救助第4ポイント)・・・二合目登山口・・・かいもん山麓ふれあい公園
総歩行距離:約7,183m
累積標高差:上り 約848m 下り 約848m
コース定数:19
なお(読者レポーター)

なお(読者レポーター)

神奈川県藤沢市を拠点に、夏はアルプス、秋〜春は関東近郊や九州の山に夫婦で登っています。特に北アルプスと伊豆が好きです。

この記事に登場する山

鹿児島県 / 九州南部

開聞岳 標高 924m

 揖宿郡開聞町(いぶすきぐんかいもんちょう 現・指宿市)にある薩摩半島で最も高い山。半島南端にそびえ立つ三角錐の美しい山容から「薩摩富士」の名を持つ。錦江湾の入口、海門にあることから、いつしか「かいもんだけ」と呼ばれるようになった。  二重火山で、標高700m上部はトロイデ型をなす。山麓から眺めると途中でわずかにくびれ、照葉樹の背丈も上部は急に小さくなり、後世にできたことが分かる。登ってみると中腹までは火山礫、上部は堅固な安山岩からなっている。頂上には噴火口はなく、浅い窪地が見られる。  海に面した西側は荒波に洗われ、断崖絶壁。陸側の裾野は長く、春は菜の花が咲き乱れ、秋はハゼが見事に紅葉する。ふもとから2合目にかけて「亜熱帯大自然公園」があり、世界各地のサボテンが見られる。  登山道入口近くに天ノ岩屋がある。途中7合目辺りまでは樹木も大きく、緑が濃い。  登山道は、山麓の開聞駅から山体を一周して山頂に至る。山頂の露岩上からの展望は雄大である。山頂には浅い窪地があり、大石の間には枚聞神社(ひらきじんじゃ)が祭られている。昔は開聞岳を「ひらき岳」ともいったという。登山口から山頂まで約2時間。

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