雨が降っても出かけたい! 梅雨の野山を彩るアジサイを訪ねる、関東のハイキングコース

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アジサイは古代から日本人に愛されてきた花だ。陰鬱な梅雨の季節にひときわ鮮やかな色を添えて、さわやかな雰囲気を作り出すことから、アジサイが植栽された花の名所は各地に点在している。ここでは、ライターの西野淑子さんが選んだ、関東周辺でアジサイを楽しむハイキングコースを紹介しよう。

文・写真=西野淑子 トップ写真=蓑山のアジサイ(写真=PIXTA)

目次

アジサイと三大名物を楽しむハイキング 太平山(おおひらさん)

栃木県/341m

太平山 あじさい坂
あじさいに彩られたあじさい坂を上る

栃木県栃木市のほぼ中心部に位置する太平山。山頂一帯が太平山県立自然公園として整備されている。サクラや紅葉の時季と並び、人気が高いのが梅雨どき。山頂直下の太平山神社に向かうあじさい坂は、約1000段の石段の両側にセイヨウアジサイやガクアジサイ、ヤマアジサイなど約2500株が咲き乱れる。

山頂に向かう登山道は複数あるが、最短で登頂でき、アジサイを心行くまで楽しめるのが国学院前バス停からのルート。鳥居をくぐるとすぐにあじさい坂になる。石段は徐々に急になっていくので、ゆっくりとアジサイの風景を楽しみながら上ろう。太平山神社までたどり着くと、見晴台から筑波山(つくばさん)などが眺められる。社務所で足腰のお守りを求めるのもよいだろう。太平山神社からは本格的な山道となる。登り始めてすぐ太平山神社の奥宮の祠があり、さらに山道を進むと浅間神社の社殿が立つ太平山の山頂だ。天気がよければ晃石山(てるいしさん)まで往復しよう。晃石山の山頂は北東面の眺めがよく、日光連山や秩父の山々が見渡せる。太平山まで戻ったら、謙信平(けんしんだいら)を経由して国学院前バス停に向かおう。謙信平にもアジサイが多く見られる。

太平山 謙信平
関東平野の眺めがよい謙信平
太平山神社
太平山山頂直下に立つ太平山神社

MAP&DATA

高低図
ヤマタイムで周辺の地図を見る
最適日数:日帰り
コースタイム: 3時間50分
行程:国学院前バス停・・・太平山神社・・・太平山・・・ぐみの木峠・・・晃石山・・・ぐみの木峠・・・太平山・・・太平山神社・・・謙信平・・・国学院前バス停
総歩行距離:約7,500m
累積標高差:上り 約634m 下り 約634m
コース定数:16
アジサイの見頃:6月中旬〜7月上旬
※2025年のとちぎあじさいまつりは6月13日〜29日開催予定
アドバイス:謙信平から、七不思議の話が伝わる古刹・大中寺を経由してJR両毛線大平下駅に下山することもできる。

立ち寄りスポット

太平山三大名物「だんご・焼き鳥・玉子焼き」

太平山名物 玉子焼き
太平山名物 焼き鳥

太平山で味わいたいのが、だんご、焼き鳥、玉子焼きの三大名物。太平山神社に奉納された鶏の卵を玉子焼き、肉は焼き鳥として調理をして参拝客をもてなし、神社に奉納されたお米の一部で作っただんごを参拝客にふるまっていたという。太平山の山中に立つ茶店で、三大名物を味わうことができる。

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プロフィール

西野 淑子(登山ガイド・フリーライター)

初心者向け登山ガイドブックや山岳雑誌などで取材・執筆を行なうフリーライターで、登山ガイドの資格を持つ。関東近郊を中心に低山歩きから沢登り、雪山登山まで楽しむオールラウンダー。気の合う仲間と山を歩き、下山後においしいものでお腹と心を満たすことに無上の喜びを感じている。

山を歩く、花を楽しむ

全国で人気の花の山、関東周辺「花の百名山」のコースガイドや、花に関するコラムを掲載。

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