雨が降っても出かけたい! 梅雨の野山を彩るアジサイを訪ねる、関東のハイキングコース

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アジサイは古代から日本人に愛されてきた花だ。陰鬱な梅雨の季節にひときわ鮮やかな色を添えて、さわやかな雰囲気を作り出すことから、アジサイが植栽された花の名所は各地に点在している。ここでは、ライターの西野淑子さんが選んだ、関東周辺でアジサイを楽しむハイキングコースを紹介しよう。

文・写真=西野淑子 トップ写真=蓑山のアジサイ(写真=PIXTA)

目次

アジサイと秩父の名山の眺め 蓑山(みのやま)

埼玉県/582m

美の山公園のアジサイ(写真=PIXTA)
美の山公園のアジサイ(写真=PIXTA)

埼玉県秩父市と皆野町の境に位置する蓑山。山頂周辺は県立公園の「美の山公園」として整備されており、春はサクラ、初夏はヤマツツジなど、多くの花木や草花が楽しめる花の山として知られる。近年人気を集めているのがアジサイ。山頂の東側斜面に、アジサイやガクアジサイ、ベニガクアジサイやセイヨウアジサイなど、約4000株のアジサイが植栽されている。見頃の時季には青やピンク、白のアジサイが山の斜面や散策路沿いをびっしりと彩り、壮観だ。

蓑山山頂展望台からは武甲山や両神山が展望できる
蓑山山頂展望台からは武甲山や両神山が展望できる
和銅露天掘跡
和銅露天掘跡には和同開珎の碑が立つ

山頂まで車道が通じ、車でアクセスできるが、秩父鉄道の親鼻(おやはな)駅から心地よい雑木林を歩いて山頂をめざし、和銅黒谷(わどうくろや)駅に向かうハイキングコースを歩いてみよう。山頂は奥武蔵や秩父方面の山々の眺めがすばらしく、コンクリート造りの山頂展望台からは武甲山(ぶこうさん)や両神山(りょうかみさん)が、木造の東展望台からは外秩父の山々がたおやかに連なる様子が眺められる。和銅黒谷駅方面へ下る途中には、和銅露天掘り跡がある。

蓑山山頂直下に立つ蓑山神社
山頂直下に立つ蓑山神社。狛犬がオオカミ

MAP&DATA

高低図
ヤマタイムで周辺の地図を見る
最適日数:日帰り
コースタイム: 3時間10分
行程:親鼻駅・・・お犬のくぼ・・・パノラマデッキ・・・蓑山・・・和銅遺跡・・・和銅黒谷駅
総歩行距離:約5,700m
累積標高差:上り 約507m 下り 約484m
コース定数:13
アジサイの見頃:6月下旬〜7月上旬
アドバイス:アジサイの開花状況は、埼玉県庁のサイト内の美の山公園のページや、美の山公園の公式インスタグラムで確認できる。

立ち寄りスポット

和銅ぶどう園

和銅ぶどう園

盆地の気候を生かして栽培されるぶどうを、ぶどう狩りなどで楽しめるほか、ぶどうの販売も行う。ぶどうの時季以外は、地元素材を取り入れたジェラートをイートインスペースで味わえる。自家農園のぶどうのジェラートがおすすめ。和銅黒谷駅から徒歩1分。

所在地 埼玉県秩父市黒谷320

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プロフィール

西野 淑子(登山ガイド・フリーライター)

初心者向け登山ガイドブックや山岳雑誌などで取材・執筆を行なうフリーライターで、登山ガイドの資格を持つ。関東近郊を中心に低山歩きから沢登り、雪山登山まで楽しむオールラウンダー。気の合う仲間と山を歩き、下山後においしいものでお腹と心を満たすことに無上の喜びを感じている。

山を歩く、花を楽しむ

全国で人気の花の山、関東周辺「花の百名山」のコースガイドや、花に関するコラムを掲載。

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