雨が降っても出かけたい! 梅雨の野山を彩るアジサイを訪ねる、関東のハイキングコース

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

アジサイは古代から日本人に愛されてきた花だ。陰鬱な梅雨の季節にひときわ鮮やかな色を添えて、さわやかな雰囲気を作り出すことから、アジサイが植栽された花の名所は各地に点在している。ここでは、ライターの西野淑子さんが選んだ、関東周辺でアジサイを楽しむハイキングコースを紹介しよう。

文・写真=西野淑子 トップ写真=蓑山のアジサイ(写真=PIXTA)

目次

アジサイ越しに葉山の海を見渡す 三ヶ岡山(さんがおかやま)とあじさい公園

神奈川県/140m

三ヶ岡山 あじさいの花越しに相模灘を眺める
あじさいの花越しに相模灘を眺められる

神奈川県葉山町、海岸沿いにそびえる標高140mの三ヶ岡山(大峰山)。山頂一帯は豊かな緑が残る都市林で、はやま三ヶ岡山緑地として整備されている。展望デッキや山頂広場などの展望ポイントからは海と富士山の眺めがすばらしく、「関東の富士見百景」にも選定されている。「あじさいコース」の入口に広がるあじさい公園は、約3000株のあじさいが植栽されており、咲き乱れる青やピンクのあじさいの向こうに、相模灘が見渡せるのも気持ちがいい。

はやま三ヶ岡山緑地
鬱蒼とした木々や草が深山の趣のはやま三ヶ岡山緑地
大峰山の山頂広場から相模灘を望む
大峰山の山頂広場から相模灘を望む。江ノ島も見える

旧役場前バス停からすぐ、公園の入口へ。舗装路の急斜面を登るとほどなく山道になる。間近が住宅街とは思えないほど、深く鬱蒼とした森だ。やや急な登りを詰めて稜線に出る。大峰山の山頂は小さな広場になっている。木々に覆われているものの、西側の眺望が開け、相模灘を眺めることができる。大峰山からは、北方向に延びるあじさいコースを下りあじさい公園に向かうが、天気がよい日なら稜線の道を展望デッキまで足を延ばしたい。木造の展望デッキからは富士山や丹沢の山々も見渡せる。あじさいルートは下り始めがやや急だ。あじさい公園で見頃のアジサイと海の眺めを楽しんだら住宅街を進み、ゴールの真名瀬バス停を目指す。

三ヶ岡山 あじさい公園
散策路沿いに花がびっしりと咲くあじさい公園
森戸海岸の岩礁
森戸海岸の岩礁、遠方に葉山灯台が見える

MAP&DATA

高低図
ヤマタイムで周辺の地図を見る
最適日数:日帰り
コースタイム: 1時間20分
行程:旧役場前バス停・・・大峰山・・・真名瀬バス停
総歩行距離:約2,000m
累積標高差:上り 約151m 下り 約165m
コース定数:5
アジサイの見頃:6月中旬
アドバイス:短めのルートなので周辺の低山や、海岸歩きと組み合わせてハイキングを楽しむのもよい。

立ち寄りスポット

森戸神社

森戸神社

森戸海岸に鎮座する神社で、治承4(1180)年に源頼朝により創建。多くの武将や要人に崇敬され、現在も多くの参拝者が訪れるパワースポット。良縁、開運厄除、子授などのご利益があると言われている。神社裏手の岩礁には「裕次郎灯台」の別名をもつ葉山灯台がある。

所在地 神奈川県三浦郡葉山町堀内1025

1 2 3 4 5

目次

プロフィール

西野 淑子(登山ガイド・フリーライター)

初心者向け登山ガイドブックや山岳雑誌などで取材・執筆を行なうフリーライターで、登山ガイドの資格を持つ。関東近郊を中心に低山歩きから沢登り、雪山登山まで楽しむオールラウンダー。気の合う仲間と山を歩き、下山後においしいものでお腹と心を満たすことに無上の喜びを感じている。

山を歩く、花を楽しむ

全国で人気の花の山、関東周辺「花の百名山」のコースガイドや、花に関するコラムを掲載。

編集部おすすめ記事