雨が降っても出かけたい! 梅雨の野山を彩るアジサイを訪ねる、関東のハイキングコース

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アジサイは古代から日本人に愛されてきた花だ。陰鬱な梅雨の季節にひときわ鮮やかな色を添えて、さわやかな雰囲気を作り出すことから、アジサイが植栽された花の名所は各地に点在している。ここでは、ライターの西野淑子さんが選んだ、関東周辺でアジサイを楽しむハイキングコースを紹介しよう。

文・写真=西野淑子 トップ写真=蓑山のアジサイ(写真=PIXTA)

目次

アジサイを楽しむ岬 観音崎(かんのんざき)

神奈川県/74m

観音崎園地
観音崎園地、道沿いにアジサイが咲く(写真=PIXTA)

観音崎公園は、神奈川県横須賀市、観音崎の岬の上に広がる県立公園。のびやかな海の景観と、うっそうと茂る常緑の森が楽しめる公園だ。6月は園内のあちこちでアジサイの花を見ることができる。ガクアジサイも多く、観音崎公園は「かながわの花の名所100選」にガクアジサイで選定されている。観音崎公園オリジナルのアジサイ「汐音」は、パークセンターの花壇で見ることができる。

観音崎 ボードウォーク
海の眺めを楽しみながら歩けるボードウォーク
観音崎灯台
観音崎灯台。展望台に上ってみよう

馬堀海岸(まぼりかいがん)駅から海岸沿いを歩いて観音崎公園に向かい、園内を周回してみよう。途中にある御所ヶ崎(ごしょがさき)は、江戸時代・天保年間に江戸湾防備のために台場が築かれた場所だ。観音崎ボードウォークを歩いていくと、前方に観音崎が見えてくる。観音崎バス停から園内に向かうとすぐ、観音崎園地のアジサイが出迎えてくれる。海沿いの遊歩道を歩いて観音崎灯台に向かう道中にも多くのアジサイが咲き乱れる。日本最初の洋式灯台である観音埼灯台は、内部の参観ができ、展望台からは房総半島や伊豆諸島の眺めもみごとだ。観音崎公園の園内には、明治時代に造られたいくつもの砲台跡が残る。木々や草に覆われた砲台跡に、歴史を感じることができるだろう。

観音崎公園の園内に残る砲台跡
観音崎公園の園内に残る砲台跡
観音崎公園
園内のアジサイはガクアジサイが多く見られる

MAP&DATA

高低図
ヤマタイムで周辺の地図を見る
最適日数:日帰り
コースタイム: 2時間25分
行程:馬堀海岸駅・・・走水水源地・・・走水神社・・・観音崎バス停・・・観音崎灯台・・・観音崎バス停
総歩行距離:約6,500m
累積標高差:上り 約131m 下り 約131m
コース定数:8
アジサイの見頃:5月下旬〜6月中旬
アドバイス:公園散策後、横須賀美術館で美術品の鑑賞を楽しむのもよい。横須賀美術館の庭園もアジサイの名所だ。

立ち寄りスポット

ヴェルニーの水

ヴェルニーの水

フランス人技師ヴェルニーの指導により、横須賀造船所の用水として明治9年に造られた走水水源地。浄水池は国の有形文化財に登録されている。1日に約1000立方メートル湧き出る湧水はミネラルを多く含み、「ヴェルニーの水」と名付けられている。水源地の駐車場の一角に水道があり、飲むことができる。

所在地 神奈川県横須賀市走水1-2-1

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プロフィール

西野 淑子(登山ガイド・フリーライター)

初心者向け登山ガイドブックや山岳雑誌などで取材・執筆を行なうフリーライターで、登山ガイドの資格を持つ。関東近郊を中心に低山歩きから沢登り、雪山登山まで楽しむオールラウンダー。気の合う仲間と山を歩き、下山後においしいものでお腹と心を満たすことに無上の喜びを感じている。

山を歩く、花を楽しむ

全国で人気の花の山、関東周辺「花の百名山」のコースガイドや、花に関するコラムを掲載。

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