V字谷の地形でのヘリによる救助の難しさを動画で確認 島崎三歩の「山岳通信」 第117号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2018年7月6日に配信された第117号では、道迷い遭難のヘリコプターによる救助の様子を紹介し、遭難救助時の注意点についても説明している。

 

7月6日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第117号では、6月18日~24日に起きた6件の山岳遭難事例について説明している。以下に抜粋・掲載する。

  • 6月18日、八ヶ岳連峰編笠山で、67歳の女性が青年小屋から編笠山に向けて登山中にバランスを崩し転倒・負傷する山岳遭難が発生。県警ヘリにより救助され、病院に収容された。

  • 6月20日、上高井郡高山村の御飯岳の山林で、単独でネマガリダケ(タケノコ)採りのため入山していた62歳の男性が、山林内で道に迷い行動不能となる山岳遭難が発生。署員および関係者により発見され病院に収容された。

  • 6月22日、上高井郡山ノ内町の笠ヶ岳の山林で、ネマガリダケ採りのため入山していた84歳の男性および78歳の男性が、山林内で道に迷い行方不明となる山岳遭難が発生。翌23日、捜索隊員(警察・消防・関係者など)により発見・救助され病院に収容された。

  • 6月23日、北アルプス針ノ木岳で、45歳の女性が針ノ木岳から扇沢登山口に向けて下山中、残雪で足を滑らせて滑落して重傷を負う山岳遭難が発生。県警ヘリにより救助され病院に収容された。

  • 6月24日、北アルプス鹿島槍ヶ岳で、36歳の男性が扇沢登山口から鹿島槍ヶ岳に向けて登山中、残雪で足を滑らせて転倒、左肩に軽傷を負う山岳遭難が発生。県警ヘリにより救助され病院に収容された。

  • 6月24日、上高井郡山ノ内町平隠・横手山の山林で、ネマガリダケ採りのため入山していた75歳の女性が、山林内で道に迷い行方不明となる山岳遭難が発生。県警ヘリにより救助され病院に収容された。

志賀高原・横手山付近の遭難現場の状況(長野県警察本部 ホームページ 山岳遭難発生状況(週報)6月29日付)

 

山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

6月4週は、ネマガリダケ採りで入山中、道に迷い行動不能となる遭難が3件発生しました。入山する際は、必ず携帯電話を携行し、複数人で行動してください。
また、複数人で入山していても、採ることに夢中になり、結果、離ればなれになり、道に迷うケースも増加していますので、お互いの姿が見える範囲で行動するようにしてください。
標高の高い山においては、雪渓や残雪に足を滑らせて転倒・滑落する遭難が後を絶ちませんので、雪上を歩行する際は、一歩一歩確実に足をおいて、スリップしないように十分に注意してください。

 

長野県警察 山岳遭難現場動画を配信しました

北安曇郡小谷村における道迷い遭難の救助状況(山岳通信第113号を参照)の動画を、長野県警察公式チャンネルに配信しました。狭隘(きょうあい)な沢でヘリによる安全な救助の状況をご確認くださ。

 

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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