【10月21日更新】会津駒ヶ岳、湿原の赤い草葉にも霜が。秋山紅葉情報2025

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高層湿原や高山植物で知られる尾瀬は紅葉の名所でもある。尾瀬エリアの最新紅葉情報をお届けしよう。

構成=山と溪谷オンライン

尾瀬は秋もすばらしい

どこまでも広がる高層湿原の尾瀬ヶ原や、澄んだ水をたたえる尾瀬沼、そして会津駒ヶ岳(あいづこまがたけ)や燧ヶ岳(ひうちがたけ)、至仏山(しぶつさん)といった名山が連なる尾瀬。ミズバショウをはじめとする高山植物で有名だが、秋は紅葉がすばらしい。山頂部から徐々に紅葉前線が麓へと降りてくるので、比較的長く錦繍の季節が続くのも魅力だ。

紅葉写真コンテスト2024/写真=はなりん
晩秋の尾瀬(紅葉写真コンテスト2024より/写真=はなりん

10月21日 湿原の赤い草葉にも霜(会津駒ヶ岳 駒の小屋)

昨夜、雪が降り、初雪初氷となりました。湿原の赤い草葉にも霜が縁取りのようについていました。この雪で山頂付近の草紅葉は終了しましたが、滝沢登山道の水場下のブナがきれいに色付いてきています。

今朝の初雪はすぐに解けて、もう木道上にはありませんが、急に冷え込んできているので防寒具、レインウェアは必ず用意してください。レインウェアや登山靴は事前の防水処理をおこたりなく。登山口で雨だったものが山頂付近ではみぞれや雪に変わることもしばしばあります。小屋の営業は10月25日までです。

湿原の霜
湿原の霜(10月21日/写真提供=会津駒ヶ岳 駒の小屋)
初雪
初雪(10月21日/写真提供=会津駒ヶ岳 駒の小屋)
ブナ林の紅葉
ブナ林の紅葉(10月19日/写真提供=会津駒ヶ岳 駒の小屋)

10月7日 山頂付近の草もみじが見頃(会津駒ヶ岳 駒の小屋)

山頂付近の草もみじが見ごろを迎えました。今年は例年以上に草もみじが美しい年となりました。

山頂付近の草もみじは10月中旬ごろまで楽しめます。その後は登山道のブナ森の紅葉が美しくなります。次第に山の雨は標高の高い所からミゾレや雪に変わります。防水の効いた厚手の手袋なども持参ください。万全の防寒、防水対策をお願いします。事前にレインウェアや登山靴の防水処理も怠りなく。

夕日に輝く会津駒ヶ岳の湿原
夕日に輝く会津駒ヶ岳の湿原(10月6日/写真提供=会津駒ヶ岳 駒の小屋)
小屋の後に控える燧ヶ岳
小屋の後に控える燧ヶ岳(10月4日/写真提供=会津駒ヶ岳 駒の小屋)
中門岳
中門岳(10月4日/写真提供=会津駒ヶ岳 駒の小屋)

10月1日 会津駒ヶ岳山頂が見頃に(会津駒ヶ岳 駒の小屋)

山頂付近の草もみじが見頃を迎えています。

今年の草紅葉は高霜で傷むこともなく格別の美さです。また、中門岳に続く奇跡の稜線は、まさに天空回廊。これからどんどんと赤みを増していくことでしょう。この秋は「金色の野に立つべし!」です。

以下から美しい草紅葉の動画を見ることができます
https://www.youtube.com/watch?v=u2OZmbp0c44

気温が下がっており、秋の装備が必要です。登山口で雨だったものが山頂付近ではみぞれに変わることもよくあります。 レインウェアや登山靴の防水処理を事前にしておきましょう。防水の厚手の手袋などもご持参ください。

これからも、会津駒ヶ岳の美しい自然を守るためご協力をお願いしています。
第8弾!会津駒ケ岳のハイカーと湿原を守るため安全な「木道」を取り戻したい!
会津駒ヶ岳木道修繕プロジェクト

見頃を迎えた会津駒ヶ岳山頂付近
見頃を迎えた会津駒ヶ岳山頂付近(9月28日/写真提供=会津駒ヶ岳 駒の小屋)
黄金色の中門岳の”奇跡の稜線”
黄金色の中門岳の”奇跡の稜線”(9月29日/写真提供=会津駒ヶ岳 駒の小屋)

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この記事に登場する山

福島県 / 南会津・尾瀬

会津駒ヶ岳 標高 2,133m

 福島県南会津郡檜枝岐村に位置する。全山古生層からなる。山全体は緩やかであるが、谷は深く、壮年期の様相を見せる。  中腹に広がる大規模なブナ林、稜線直下まで延びるオオシラビソの原生林、そして山頂を形成する大湿原とそこに点在する豊富な高山植物が会津駒ヶ岳の特徴であり、魅力だ。山頂から中門岳にかけては、イワイチョウ、ハクサンコザクラ、ワタスゲ、チングルマ、コバイケイソウ、モウセンゴケなど多くの花々で飾られる。  駒ヶ岳の名も駒形に由来している。普通は白い雪形であるが、こちらは山腹に黒い馬が現れるという。また、駒ヶ岳は「駒岳大明神」が祭られ、山そのものが神であり、信仰の対象でもあったようだ。「駒岳大明神」はイザナギノミコト、アメモワカヒコが祭神。山麓の檜枝岐にはそのお堂が建ち、鎮守神が納められている。  檜枝岐には、伝統の檜枝岐歌舞伎が伝わっている。さらにはソバや温泉など多くの味わいを持った登山基地である。  コースは駒ヶ岳登山口より約4時間を要する。キリンテロより大津岐峠を経由しての所要時間は4時間30分。さらに尾瀬御池への縦走路も開かれている。

福島県 / 南会津・尾瀬

燧ヶ岳・柴安嵓 標高 2,356m

福島県南会津郡桧枝岐村に位置し、日光火山群の一峰である。福島県の最高峰であり、これより北にはこれ以上高い山はない。しかし、東北の山というよりは尾瀬のシンボル的な山である。  山頂は、最高峰(西峰)である柴安嵓(しばやすぐら)(2356m)、三角点の置かれた爼嵓(まないたぐら)(2346m)、ミノブチ岳(2220m)、赤ナグレ岳(2249m)、御池(みいけ)岳(2280m)の五峰が居並ぶ。山は円錐形で、輝石安山岩からなる。日本最大の高層湿原である尾瀬の成立には、この燧ヶ岳火山が大きく関わっている。すなわち、只見川はこの燧ヶ岳の火山活動によって堰止められ、尾瀬が出現したと考えられている。ヒウチの名は火打ちで、火山に由来していると思われる。一説には、会津駒ヶ岳側から望むと「火打ちばさみ」の雪形が見られるためともいわれる。  燧ヶ岳を開山したのは、尾瀬沼のほとりに建つ長蔵(ちようぞう)小屋の初代平野長蔵であった。当時桧枝岐に住んでいた長蔵は、沼畔に小屋を仮設して燧ヶ岳登山の足掛かりにした。長蔵は燧ヶ岳を信仰の対象として開山したのであった。燧ヶ岳の祭神は「燧大権現」でカツラギヒトコヌシ神という。爼嵓山頂にその石祠が祭られている。  尾瀬のシンボルというだけあって、その展望の主役は尾瀬ガ原と尾瀬沼である。向こうにもう1つのシンボル至仏岳の姿が美しい。展望は日光連山も主役である。最高峰である白根山をはじめ、金精山、温泉ヶ岳、男体山などの峰々から、また那須連峰、上信越の山々、越後三山、会越の山々から飯豊連峰まで、関東と東北の山がずらりと並び圧巻である。山頂付近の火口ガレ場地帯にはコマクサの花が咲くが、株が極端に少ないため、現在一般の立ち入りが禁止されている。  登山道は5コースある。長英新道とも呼ばれる燧新道は、平野長蔵と長英が親子2代にわたって切り開いた道で、長蔵小屋から3時間15分。尾瀬沼畔である沼尻からの沼尻コースは、最も古いコースで、ナデッ窪の急な斜面を一気に登り、所要2時間30分で、ミノブチ岳の途中で長英新道と合流する。湿原地帯を抜ける変化に富んだ御池コースは、熊沢田代や広沢田代を経て所要3時間30分。以上3コースは、燧ヶ岳山頂に直接登るものだ。  一方、下田代や温泉小屋からのコースは、いずれも柴安嵓に登るコース。下田代からのコースは見晴新道と呼ばれ、温泉コースとともに樹林帯を登る静かなコースである。どちらも2時間30分で山頂に達する。この2コースはいずれも急登の連続である。

群馬県 / 南会津・尾瀬

至仏山 標高 2,228m

 尾瀬ガ原の西端に位置し、東の燧ヶ岳とともに尾瀬を代表する名山である。ミズバショウの花咲く湿原のかなたに残雪の至仏山、といった写真はよく目にすることだろう。  山頂から眼下に見る尾瀬ガ原はすばらしい。西には奥利根、谷川の山並みを望む。足元には蛇紋岩地特有のホソバヒナウスユキソウやオゼソウなど、貴重な高山植物が多い。山名の故か、百名山登頂の最後にこの山を登る人たちもあると聞く。山名は、仏教には関係なく、ムジナッ沢(つあわ)の別名「渋ッ沢」に由来するという。  山ノ鼻から直登するコースは植生保護のための通行禁止が平成9年に解除された。ただし状況によっては再び通行禁止となる場合もある。山ノ鼻から頂上まで所要2時間30分。鳩待峠からは緩やかで展望のよいコースがある。鳩待峠から頂上まで所要2時間40分。  鳩待峠は、その昔片品村の男たちが、厳冬期に入山し、木地師として木工品を作っていたころの仕事場であった。鳩は寒中はふもとの村にいて、暖かくなると山奥へ移る習性がある。峠の近くで鳩が鳴けば、男たちは久々に里へ下り、田植えを始める。雪深い山中で、鳩が来る春の日を待ち続けたことから、鳩待峠と呼ばれた。

紅葉情報

秋が深まるにつれて、山の表情は刻々と移ろっていきます。北は北海道、標高の高い日本アルプスから九州の山まで紅葉前線を追いかけて、全国の登山エリアの最新情報をお届けします。

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